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定置型貯蔵用のメンブラン・フリー塩素レドックスフロー電池

Membrane -Free Chlorine Redox Flow Battery for Stationary Storage

By Emiliano Bellini

https://www.pv-magazine.com/  より   2022.03.15

 

アメリカと中国の研究グループは、10 mA/cm291%の往復エネルギー効率と125.7 Wh/Lのエネルギー密度を達成すると主張されている完全な塩素膜を含まないレドックスフロー電池を開発した。この装置は、陽極の活物質として塩素(Cl2/Cl-)レドックス・カップルを使用する塩化ナトリウム(NaCl)製の水性電解質に基づいている。

電池の構造図  

出典:メリーランド大学、Nature Communications, Creative Commons License CC BY 4.0

 

 アメリカのメリーランド大学と東中国科学技術大学の科学者グループが、定置型エネルギー貯蔵用の可逆塩素レドックスフロー電池を製造した。

 フル塩素装置は膜のない設計で、陽極の活物質として塩素(Cl2/Cl-)レドックス・カップルを使用する塩化ナトリウム(NaCl)製の水性電解質に基づいている。「Cl2/Cl-の理論容量は」755 mAh/gで、現在のレドックスフロー電池で使用されている酸化バナジウム(VO2+/VO2+226 mAh/g)2倍以上である。」と研究者達は説明した。「さらに、塩化ナトリウムは海水と大量生産の豊富な供給源のために入手可能な最も安価な商品の1つである。」

 バナジウム・レドックスフロー電池の主なコストの1つは「クロスオーバー」を最小限に抑えるために使用されるイオン透過性膜である。この現象は最大50%に達する可能性のある容量損失を引き起こす可能性があり、充電および再充電中に電池電解質成分が電池セルの膜と電池電解質にエネルギーを蓄えたレドックス活性分子は装置の反対側に移動する。アメリカと中国のグループが提案した電池構成では、塩素は電解質と非混和性であるため、クロスオ-バーを防ぐための膜が不要であるため、コストがさらに削減される。

 水生NaCl電解質中のCl2/Cl-レドックス反応は、塩化物ルテニウム(IV)と酸化チタン(RuO2-TiO2)でコーティングされた多孔質炭素を備えた同心円セルで評価された。四塩化炭素(CCl4)も動作電極として添加された。NaTiO2(PO4)3として知られているグラフェン複合材料が陰極として使用された。

 電池セルは高い電圧効率を持っていることが分った。これは科学者達が、反応速度が速いだけでなく、膜のない構成にも起因していると考えている。「調査した最高流量では、電圧効率は20 mA/cm293%を超えると仮定できる。」と彼等は強調した。

 電池は10 mA/cm291%の往復エネルギー効率と125.7 Wh/Lのエネルギー密度を示した。学者達によると、この値は過去10年の間にフロー電池システムの最高の性能を表している。

 電池は、nature communicationsで発表された、高エネルギーで低コストの膜を含まない塩素フロー電池は、本質的に低コストの活物質(5ドル/kWh)と非常に可逆的なCl2/Cl-レドックス反応により、定置型エネルギー貯蔵の厳しい価格と信頼性の目標を達成できる。」と研究チームは結論付けた。