溶融塩貯蔵による特大の大規模PVの貯蔵
Storage Oversized Large Scale PV with Molten Salt Storage
By Emiliano Bellini
https://www.pv-magazine.com/ より 2021.01.26
イスラエルとフランスの科学者達は、直達日射量が低く全体的な日射量が高い地域に適用できる太陽光発電プラス蓄熱(PV-TS)の概念を提案した。彼等は大規模太陽光発電所の配電網浸透率を溶融塩貯蔵と組み合わせると、約30%から最大95%に上昇する可能性があると推定した。
イスラエルとフランスの科学者達による最近の研究によると、特大の大規模太陽光発電を溶融塩貯蔵タンクとリンクさせることは、エネルギー消費量の多い地域にとって実行可能な技術的解決策であると言われている。
Renewable and Sustainable Energy Reviewsに発表された研究論文「太陽光発電と溶融塩貯蔵による大規模な電力需要の提供」で、研究者達は実用規模の施設からの太陽光発電を直接日射量が少なく、全体的な日射量が多い地域で、高温の溶融塩貯蔵と組み合わせるモデルを提示した。
学者によって提案された太陽光発電プラス蓄熱(PV-TS)解決策は太陽光発電技術によって提供される「異常に有利な経済性」により「直ぐに実行できる」と主張されており、集光器は拡散太陽放射を利用できないため集光型太陽光発電技術が実行可能と考えられない地域で集光型太陽光発電溶融塩塔の代替手段となる。「特定場所の正確な回答を目指すよりもむしろ、ここでの目的は太陽光発電システムのサイズ、貯蔵容量、配電網の浸透レベル、およびコスト見積もりの規模が実行可能かどうかを確認することである。」と学者は説明した。
太陽光発電プラス蓄熱装置では、生成された太陽エネルギーの大部分が溶融塩蓄熱で565℃を超える温度に抵抗して加熱するために使用され、蓄熱された熱エネルギーが発電用に高効率の過熱蒸気を駆動するために使用される。
イスラエルとフランスのグループが行ったシミュレーションでは、特定の地域で太陽光発電の配電網浸透率が蓄熱をしない場合の約30%からわずか12時間の蓄熱で約80%に増加することが示された。「さらに太陽光入力が25%増加するだけで、90%の配電網浸透を達成できる。比例関係を最大約90%に維持できる日射量の多い場所では、太陽光入力の25%を追加すると、配電網の浸透率が約95%に上昇する可能性がある。」とグループはさらに説明した。
この種のプロジェクトでは、太陽光発電プラントは特定のピーク日中の需要を満たす必要がある共通の施設としてのサイズにすべきではなく、生成された電力のほとんどは溶融塩槽の蓄熱に使用する必要がある。「そしてその上、蓄熱は夜間だけではなく、日中のサブピーク日射量の電力需要も満たす。」と研究者達は明細に述べ、テラワット時の年間発電量には、平均で約0.64 km2の土地が必要である、と付け加えた。彼等によると、この研究で提案された「型破りな」解決策は、幾つかの国で廃止されている化石燃料や原子力発電所で既に稼働している屋上太陽光発電装置や大型蒸気タービンと統合することもできる。
調査結果はアメリカの領土にのみ関連しているが、同様の気象条件とユーティリティ需要プロファイルを持つすべての地域に拡張できる。「アメリカよりも平均日射量が多い地域では、太陽光の利用可能性との相関性が高い電力需要プロファイルを持っている地域もある。電力消費量1テラワット時当たりの太陽光発電と蓄電の要件は低くなる。さらに、全電気自動車への移行により、蓄電池充電の多くが実行される日中の電力需要の割合が増加する可能性がある。」と論文は述べている。
ロシア、旧ソ連共和国、日本、北アジア、中北部ヨーロッパは太陽光発電プラス蓄熱プロジェクトの展開にアメリカと並んで最も適した地域と指定されている。
研究チームはイスラエルのネゲブのベングリオン大学、フランスのエクス・メルセイユ大学、および太陽集光システムに関するフランスの国立研究開発研究所であるプロメスの科学者達で構成されている。