世界最大のナトリウム・イオン電池が稼働開始
World’s Largest Sodium-Ion Batteries Goes into Operation
By Marija Maisch
https://www.pv-magazine.com/ より 2024.07.02
湖北省銭江市にある大唐グループの100 MW/200 MWhナトリウム・イオン・エネルギー貯蔵プロジェクトの第一フェーズが送電網に接続された。
中国の国営発電企業である大唐グループは6月30日、湖北省銭江市で50 MW/100MWhのプロジェクトを送電網に接続し、稼働中のナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵システムとしては世界最大規模となったと発表した。
このプロジェクトは大唐湖北ンナトリウム・イオン新エネルギー貯蔵発電所の第一フェーズで、42個の電池エネルギー貯蔵コンテナと21セットのブースト・コンバーターで構成される。中国のHiNa BATTERY Technologyが供給する185 Ahの大容量ナトリウム・イオン電池を使用し、110 kV変電所を備えている。
これまで稼働中の最大のナトリウム・イオン・システムは、中国南西部の南寧にある中国南方電力網の富林10 MWh BESSプロジェクトであった。100 MWhプロジェクトの第一段階となるこの発電所にも、HiNa BATTERYのセルが使用されている。
中国の5大発電会社の1つである大唐グループによると、プロジェクト・チームは多くの困難を乗り越えて銭江プロジェクトを実現させた。
同社はこのプロジェクトを、大容量ナトリウム・イオン・エネルギー貯蔵システムの初の大規模かつ商業的な応用と位置付けており、このタイプの電池化学に多くの利点があると考えている。
「ナトリウム・イオン電池は安全性と低温作動性能に優れている。マイナス20度でも85%の充放電効率を保証でき、これは大量の電池の追随を許さない。また、60度の高温でも1,500回の充放電サイクルを保証できる。耐穿刺性と耐衝撃性は、通常の電池よりもはるかに優れている。」と大唐湖北ナトリウム・イオン・エネルギー貯蔵プロジェクト・マネージャーのCui Yongleは述べた。
大唐グループによると、この発電所は年間300回以上充電と放電が可能で、1回の充電で最大10万kWhの電力を蓄え、電力網のピーク時に電力を放出できる。1万2000世帯の毎日の電力需要を満たし、年間1万3000トンの二酸化炭素排出量を削減できる。
このプロジェクトのもう1つの主要参加者はSineng Electricで、同社は2.5 MWストリングPCS MVソリューションを提供した。このソリューションは、ナトリウム・イオン電池貯蔵システムの幅広いDC電圧範囲に合わせて設計されており、定格出力電力700 Vから1500 Vまでをサポートする。Sineng Electricは最近、山東省沿岸地域で100 MW/200 Mwhのエネルギー貯蔵プロジェクトを始動した。この中国企業は最近、SinengのPCS技術を使用するためにドイツの半導体チップメーカーInfineon Technologiesと供給契約を締結した。