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スエーデンのノースボルトがナトリウム・イオン技術で

画期的な進歩を遂げる

Sweden’s Northvolt Makes Breakthrough in Sodium-Ion Battery Technology

By Annabel Cossins-Smith

https://www.power-technology.com/    2023.11.22

 

この電池にはリチウム、コバルト、ニッケルが使用されておらず、重要な材料サプライチェーンを支配する中国への世界的な依存を取り除く可能性がある。

 

 スエーデンの新興企業ノースボルトは火曜日、エネルギー貯蔵システム用に開発されたナトリウム・イオン電池技術の画期的な成果を発表した。

 これらの電池にはリチウム、コバルト、ニッケルが使用されておらず、エネルギー転換において重要な材料サプライチェーンを支配する中国への世界的な依存を取り除くことができると同社はプレス声明で述べた。新しい電池セルは、主に使用するナトリウムや鉄などのミネラルが豊富に入手できるため、従来のニッケル、マンガン、コバルトやリン酸鉄の化学反応よりも安全で、費用対効果が高く、持続可能なものであると付け加えた。

 この技術は硬質炭素アノードとプルシアン・ホワイト・ベースのカソードに基づいており、リチウム、ニッケル、コバルト、グラファイトは含まれていない。プルシアン・ホワイトはナトリウム・イオン電池の正極に使用される材料で、低コストで持続性が高いことから好まれている。ノースボルトは、プルシアン・ホワイト・ベースの電池を工業化し、商業市場に投入する最初の企業になることを計画している。

 リチウム・イオン電池の平均エネルギー密度が200300 Wh/kgであるのに対し、ナトリウム・イオン電池のエネルギー密度は160 Wh/kg以上である。この数値は使用する化学薬品によって大きく異なる可能性がある。

 ノースボルトのCEO兼共同創設者であるピーター・カールソンは次のように述べている。「世界はナトリウム・イオンに大きな期待を寄せており、エネルギー転換を加速するためにナトリウム・イオンを広く導入できる技術を開発したと言えることを非常に嬉しく思う。このような電池技術は、電化をよりコスト効率が高く、持続可能で世界中で利用しやすいものにして、世界的な持続可能性の目標を達成するためにも不可欠である。」

 コストの高騰と供給不足の中、企業がリチウムからの脱却を目指す中、ナトリウム・イオン電池の安定性とエネルギー能力は過去1年間で大幅に向上した。

 「層状金属酸化物はサイクル安定性と空気感受性に限界があり、ポリアニオンは中程度のエネルギー密度しか提供しなかった。これは主に、Liカチオンと比較してNaカチオンのサイズが大きいためである。より高いエネルギーとより優れた安定性を備えたより優れたナトリウム・ホスト材料を得るにはさらなる研究が必要である。」とスタンフォード大学の博士研究員ミナ・リーは5年前にこれらの技術について議論した際に説明した。

 それ以来、事態は進展した。国際エネルギー機関の持続可能性担当ディレクター、ローラ・コッツィは今月、Power Technologyの姉妹サイトであるEnergy Monitorに語って、一部のクリーン・テクノロジーがどのようにして「イノベーションのはしごを上ったのか…その一例がナトリウム・ベースの電池である」と説明した。1年前までは、ほとんどがリチウムであった。今ではナトリウムが役割を果たす可能性があることが分っている。

 ノースボルトの現在のナトリウム・イオン電池はエネルギー貯蔵用に設計されているが、

より高いエネルギー密度を備えた次の世代では、最終的には電気自動車に使用される可能性がある。