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ブレークスルーはナトリウム-硫黄電池の性能を高める

Breakthrough Boosts Performance of Sodium-Sulfur Batteries

By Benjamin Long, University of Wollongong

https://phys.org/より  November 18, 2019

 

ウロンゴン大学の研究者達は、大規模エネルギー貯蔵用のより魅力的なオプションとなる室温ナトリウム-硫黄電池用の優れた陽極として作用するナノ材料を作った。彼等の研究結果はNature Communicationsで発表され、そこで編集者のハイライト・ウェッブページで特集された。

 室温ナトリウム-硫黄電池は次世代のエネルギー貯蔵用として魅力的な提案で、需要増加に対応するように要求されている。高エネルギー密度で長期間循環寿命を持った優れた室温ナトリウム-硫黄電池は大規模固定貯蔵用に低コストで競争できる技術を提供し、したがって、再生エネルギーの方向への移動を促進している。しかし、室温ナトリウム-硫黄電池は現在、急速な容量劣化と低い可逆容量で困っている。研究者達はナノ材料-液体窒素に浸漬した多孔性炭素ナノチューブ内に注入された硫化ニッケルナノ結晶-を作り出すことによってこの問題を解決してきた。この材料は陽極として使われると、優れた性能を示した。

 ウロンゴン大学の超伝導電子材料研究所の主任研究者Yunxiao Wang博士とShulei Chou准教授は、彼等の研究グループが2016年から室温ナトリウム-硫黄電池に関する研究を続けてきたと言った。“今のところ、ナトリウム-硫黄電池の実際のエネルギー密度は理論値とかけ離れている。彼等の実用的な応用は反応中間体の溶解と移動と共に絶縁性と遅い酸化還元速度にために問題のある硫黄陽極によって大きく妨げられている、”とWang博士は言った。

 研究チームはブレークスルーするまでに数多くの様々な材料で実験した。新しいナノ材料は優れた性能を示すだけでなく、大量生産にも適しており、したがって、商品化に適している。博士論文を提出したZichao Yan氏はこの研究に必要で複雑な実験を行うことに没頭した。“我々は多くの炭素ホストを試し、終に多機能硫黄ホストとして液体窒素に浸漬した多孔性炭素ナノチューブ内に注入された硫化ニッケルナノ結晶を発見した。ホスト内の連続的な炭素骨格は短いイオン拡散経路と速い移動速度を提供できることを我々は発見した。そして液体窒素に浸漬した部分と硫化ニッケル電極表面は多硫化物の吸収エネルギー能力を強化でき、多硫化物酸化に向けて強い触媒作用を引き出す、”とYan氏は言った。

 “これは、この硫黄ホストを持ったナトリウム-硫黄電池は速い充放電で長い循環寿命と高い性能を提供できる可能性があることを示している。”次の段階は材料生産のスケールアップである、とChou教授は言った。

 “これを含めて我々のこれまでの論文は全て実験室規模研究用の効率的なホストをどのようにして見つけるかに集中した。我々グループの次の段階は実験室規模から産業規模にナトリウム-硫黄電池を持って行き、この蓄電システムを実用化することである。”