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電気スプーンは、低塩食品に塩味を加えるが、実際の塩は加えない

Electric Spoon Adds Salty Taste – but No Actual Salt - to Low -Sodium Foods

By Ben Coxworth

https://newatlas.com/ より   2025.01.10

 

 減少は必要であるが、減塩食品の薄味は苦手、そのような人にピッタリなのが「電気ソルト・スプーン」である。塩を一切加えずに、食品の塩味を引き立てる効果があると謳われている。

 60年代のサイケデリック・ロックバンドの名前に似た「電気ソルト・スプーン」の誕生は2022年に溯る。当時、日本の食品飲料メーカーであるキリンホールディングスは、食品の塩味とうま味を引き立てるという「電気箸」の試作品を発表した。この斬新な調理器具は、明治大学宮下研究室の科学者達と共同で開発された。

 この箸は結局、製品化されなかったが、キリンはこの技術を現在、市販されている「電気ソルト・スプーン」に組み込んだ。では、どのように機能するのか?電池駆動のこのスプーンには、ハンドルとボール部分(食物をすくう部分)にそれぞれ電極は組み込まれている。使用者の指はハンドルの電極に触れ、食物はボールの電極を覆う。

 スプーンを口に入れると、電気回路が完成し、微弱な電流が食品に流れる。キリンによると、この電流が舌の味蕾へと引き寄せ、塩味を強めるという。通常、これらのイオンの大部分は口の中に拡散したまま、舌に触れることはない。

 「なるほど」と思われるかもしれないが、キリンは2022年に31人の被験者を対象に実施した同社の箸の研究で、この技術により減塩食品の塩味が約1.5倍に増強されることが分かったと述べている。しかし、効果は使用者や食品の種類によって異なると付け加えている。

 「電気ソルト・スプーン」は昨年5月に200本限定で販売開始された。次回の発売は今年2月に予定されており、購買希望者は同社のウェブサイトから最新情報の登録が可能である。価格は19,000円である。また、同様に風味を高める効果を持つ、異なるタイプのスプーン「Spoon TEK」もチェックしてみる価値がある。

 しかし、ペースメーカーなどの埋め込み型医療機器を装着している人や、発作を起こしやすい人は、どちらのデバイスも使用しないこと。