塩分が多すぎると免疫細胞の金属濃縮機能が損なわれる
と言う新しい洞察
New Insight into How Too Much Salt Disrupts Immune Cell Function
By Rich Haridy
https://newatlas.com/ より 2021.05.03
新しい研究は特定の免疫細胞に対する塩分が多すぎることの影響についての新しい洞察を提供している。この研究は、塩がミトコンドリア機能を弱め、正常な免疫細胞の活動を妨害し、炎症を促進する可能性があることを明らかにしている。
塩と心血管誌疾患との関係はよく知られている。どれくらいの高塩食が高血圧を発症させるかは明らかであるが、最近、研究者達は塩分が免疫系の機能にどのように影響するかを調査し始めた。
数年前、研究者達は血液中ナトリウム濃度上昇が白血球の正常な機能を破壊することを発見した。白血球は組織に移動してより複雑な免疫細胞に変化する前に体内を循環する免疫細胞の一種である。この新しい研究は、塩がこのプロセスをどのように変えているかを正確に理解することを目的としている。
新しい研究は、過剰な塩摂取量が免疫細胞のミトコンドリア活動を弱める可能性があることを明らかにした。ミトコンドリアは人体のほぼ全ての細胞に存在し、小さな発電所に少し似ている。それらの主な機能の1つは、呼吸鎖と呼ばれる一連の化学反応を通じてアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる分子を生成する。ATPは体の普遍的な燃料源である。白血球内で効果的に産生されない場合、これらの重要な免疫細胞は正常に成熟しない。そあいて塩が正常な免疫システム機能に変化を引き起こす可能性があるのは、このメカニズムを破壊することによってである。
我々の研究の基本的な発見は、ナトリウム・イオンと同じくらい小さな分子が呼吸鎖で重要な役割を果たす酵素を阻害するのに非常に効率的である可能性があるということである。これらのイオンがミトコンドリアに溢れると(そして様々な生理学的条件下でこれを行うと)、電子伝達系の中心部分を調節する。」とケンパは言う。
これらの試験管内実験と並んで、研究者達はヒトの被験者でこのメカニズムを研究するために着手した。ある実験では、健康な被験者が10グラムの塩を含むピザを食べた。食後3時間と8時間に被験者から採血した。血液試料中の白血球を研究したところ、研究者達は高い平均値の塩を食べてから3時間後にミトコンドリアの活動が弱まっていることを明らかにした。しかし、興味深いことにミトコンドリアは8時間後にはほぼ正常に戻った。
「それは良いことだ。長時間の障害であるとしたら、細胞が長い間十分なエネルギーを得られないのではないかと心配していた。」と新しい研究の別の著者であるドミニク・ミュラーは述べている。
これが示唆するのは過剰な塩摂取量はミトコンドリアの活動に深刻な影響を与える可能性があるということであるが、それは一時的なものである。したがって、免疫機能の長期的な混乱は、慢性的な高塩食によってのみ明らかになる可能性がある。
この研究に取り組んでいる別の研究者であるMarkus Kleinewietfeldは、次のステップはこのミトコンドリアのメカニズムが免疫細胞以外の種類の塩によって変化するかどうかを調査することであると言っている。彼は、過剰な塩摂取量がこのように全ての細胞に影響を与える可能性が高いと信じており、この新しい研究は、塩摂取量が多すぎると確かに我々の健康に悪いことを確認している。
「もちろん、貴方が最初に考えるのは心血管危険性である。しかし、複数の研究は、塩が様々な方法で免疫細胞に影響を与える可能性があることを示している。このような重要な細胞メカニズムが長期間破壊されると、悪影響を与える可能性があり、血管や関節の炎症性疾患、または自己免疫疾患を引き起こす可能性がある。」とKleinewietfeldは言っている。
新しい研究はCirculation誌に発表される。