塩代替品を摂取することで、高血圧リスクが大幅に
低下する可能性がある
Swapping in a Salt Substitute May Significantly Lower Risk of High Blood Pressure
By Linda Carroll
https://www.nbcnews.com より 2024.02.13
新たな研究によると、塩代替品は高血圧でない人にも効果があることが示されている。
月曜日に発表された研究によると、塩代替品の使用により食事からの塩摂取量を減らす人は、高血圧の発症リスクを大幅に低下させる可能性があることが示唆されている。
Journal of the American College of Cardiologyに掲載されたこの報告は、中国の高齢者介護施設に入所しえちる55歳以上の男女数百万のデータを分析したものである。このデータは1,612人を対象とした、以前に実施されたより大規模な研究「DECIDE-Salt」から得られたものである。今回の分析では、健康な血圧値を持つ157人の女性と454人の男性を対象に、通常の量の塩を含む食品、または塩代替物を含む食品を摂取してもらった。
研究者達は、塩味のある塩化カリウムなどのミネラル・サプリメントに加え、キノコ、海藻、レモンなどの調味料を加えることで、2年間で3分の1以上の塩摂取量を減らすことで、高血圧を予防効果があることを発見した。
この研究の主任著者であり、北京大学臨床研究所の所長であるYangfeng Wu博士は、この研究は中国で実施されたものの、その知見はアメリカを含む他の国々の人々にも当てはまるはずであると述べた。Wu博士は、高血圧の有無にかかわらず、塩を塩代替品に置き換えることで誰もが恩恵を受けることができると述べた。
高血圧をコントロールしないと、心臓病、腎臓病、糖尿病、認知症など、多くの慢性疾患のリスクが高まる可能性がある。
アメリカ心臓協会によると、ほとんどのアメリカ人は1日に約3,500 mgという過剰な塩を摂取している。現在、食品医薬品局は健康な成人に対し、1日2,300 mg未満のナトリウム摂取量を推奨している。
必須サプリメントであるカリウムと塩化物を配合した塩化カリウムは、塩のような味と作用を持ちながら、食事に有意なナトリウムを加えることはない。19歳以上の人における1日のカリウム推奨摂取量は、男子で3,400 mg、女性で2,600 mgである。
Wuによると、以前の研究では、塩代替品が高血圧患者の血圧、特に収縮期血圧を下げる可能性があることが示されている。「今回の研究は、正常血圧の人にも塩代替品の効果を及ぼす可能性を示した。」とWuは述べた。
収縮期血圧(血圧測定値の上の値)は、心臓が収縮して血液を全身に送り出す際の動脈内の圧力を示している。拡張期血圧(下の値)は、心拍と心拍の間の動脈内の圧力である。「高血圧は世界中で死亡の主な原因である。」とバンダービルト大学医療センター心臓血管科准教授のDeepak Gupta博士は述べている。「食生活も明らかな一因である。」と彼女は付け加えた。
この研究には関与していないGupta博士は、塩代替品は塩(塩化ナトリウム)の毎日の摂取量を減らし、カリウムを補給することで効果を発揮したと述べている。「アメリカ人は一般的に食事からのカリウム摂取量が少ない。」とGuptaは述べた。「ナトリウム摂取量を減らしていなくてもカリウムを豊富に含む食事を摂取すれば、血圧を下げる効果がある可能性が高い。
アイカーン医科大学の医学教授で、マウントサイナイ・クイーンズ病院の心臓病学部長でもあるGeorge Dangas博士は、満足のいく代替品を見付けない限り、長期的に塩摂取量を減らすのは難しい場合があると述べている。Dangas博士は今回の研究には関与していない。「我々は塩が非常に豊富な環境に住んでいる。」とDangas博士は述べている。「減塩への遵守を高めるために、味を保ちながらサプリメントを作る方法を見つける必要がある。」
Dangas博士は、カリウム摂取量を増やす前に医師に相談すべきであると警告した。腎臓病など、一部の疾患はカリウム値の上昇につながる可能性があり、このミネラルの過剰摂取は危険を伴う可能性がある。
この研究の全体的なメッセージは、「食事中の塩制限は血圧を下げることができ、これは心臓の健康にとって非常に重要である。」ということであると、ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスの心臓腫瘍学プログラムのシステム・ディレクターであり、ニューヨーク大学グロスマン・ロングアイランド医学部の教授でもあるMichelle Bloom博士は述べている。「人々はラベル表示をより意識し、体内に取り入れるものについて本当に意識する必要がある。」と、この研究には関与していないBloom博士は述べている。
血圧を数ポイント下げるだけでも、「心臓発作、心不全、脳卒中のリスクを大幅に低減できる。」とBloomは述べた。「典型的なアメリカ人の食生活には、多くの人が気付いていないほど大量の塩を含む加工食品が多く含まれている。スパイスやレモン汁など、塩を使わずに食欲を満たす方法は他にもある。」