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日本の科学者達がALを活用し、ナトリウム・イオン電池の

密度を向上

Japanese Scientists Use AL to Boost Sodium-Ion Battery Density

By Staff Writer

https://www.mining.com/  より  2024.11.25

 

 東京理科大学の研究者達は、高効率ナトリウム・イオン電池の開発に機械学習を活用したアプローチを導入した。

 駒場愼一教授率いる研究チームは、手頃な価格で持続可能なエネルギー貯蔵解決策を実現するための重要な目標である、ナトリウム・イオン電池のエネルギー密度向上を目指した。

 ナトリウム・イオン電池は長らく存在していたが、大規模な開発はリチウム・イオン電池にとって代わられ、中止された。現在、この技術は見直されている。

 リチウム・イオン電池とは異なり、ナトリウム・イオン電池は広く入手可能な材料を使用するため、再生可能エネルギーや電気自動車への応用において魅力的な選択肢となっている。

 岩塩や塩水に含まれるナトリウムは、現在、電池市場を席巻しているリチウムに比べてコストが低く、入手しやすいことから、エネルギー貯蔵や電気自動車への応用が期待されている。

 ナトリウムはリチウムと化学的、構造的に類似しているにもかかわらず、同程度のサイズでリチウム電池の方が航続距離と性能が優れているため、まだ広く利用されていない。

 本研究は、ナトリウムをベースとした層状酸化物の設計に焦点を当て、最適な電池性能を実現するために様々な金属の組み合わせを探求した。実験データを用いて機械学習モデルを訓練することで、研究チームはマンガン、ニッケル、チタン、鉄を含む効果的な金属比率を特定することに成功した。

 この革新的なプロセスにより、データに基づいたより迅速な実用的な電池材料開発が可能になり、従来の試行錯誤に伴う時間とコストを削減できる。Journal of Materials Chemistry A誌にオンライン掲載されたこの研究成果は、リチウムの代替として豊富に存在するナトリウムを活用することで、より利用しやすいエネルギー貯蔵解決策への大きな一歩となる。

 駒場教授は声明の中で、「機械学習を電池研究に応用することで、他の分野における材料開発のモデルとなり、より広範な材料科学分野におけるイノベーションを加速させる可能性を秘めている。」と述べている

 著者らは、この戦略が次世代電池の開発を加速させる可能性があると考えている。次世代電池は、再生可能エネルギー発電、電気自動車やハイブリッド車、そしてノートパソコンからスマートフォンといった民生用電子機器を含む、エネルギー貯蔵技術全般に革命をもたらす可能性がある。