スタンフォード大学の研究によると、ナトリウム・イオン電池はコスト面でリチウム・イオン電池に匹敵する可能性がある
Sodium-Ion Batteries Could Rival Lithium-Ion in Cost, Stanford Study Finds
By Staff Writer
https://www.mining.com/ より 2025.01.14
スタンフォード大学の調査によると、ナトリウム・イオン電池は2030年代までにコスト面でリチウム・イオン電池に匹敵する可能性がある。
サステナビリティのプレコート・エネルギー研究所とSLAC-スタンフォード電池センターによる調査では、6,000以上のシナリオを評価し、ナトリウム・イオンのコストと拡張性の可能性を評価した。
ナトリウム・イオン電池は豊富な資源により注目を集めている。ナトリウムはリチウムよりも広く入手可能で安価であるため、コスト面で有利である。この調査では、これらの電池は既存のリチウム・イオン製造インフラと互換性があり、迅速な導入が可能であることが分った。
これらの利点により、ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池に比べて低コストで、サプライチェーンの回復力も高いという認識が広まっている。しかし、1ポンド当りのエネルギー貯蔵量はリチウム・イオン電池よりも低い傾向にある。
「リチウム・イオンの価格が下がり続けていることを考えると、ナトリウム・イオン電池がリチウム・イオンの価格を下回るかどうか、何時、どのように下回るかは、主に推測の域を出ないことは認識していた。」と、現在、商業規模で事業を展開しているリチウム・イオン電池のスタートアップ企業の元創業者で博士課程の学生でもあるYaoは語る。
課題と機会
この研究では、リン酸鉄リチウム電池などの低コストのリチウム・イオン電池と競合するために、ナトリウム・イオン電池の開発上の優先事項をいくつか取り上げている。
開発者はリン酸鉄リチウム電池に匹敵するエネルギー密度を達成する必要がある。著者らは、ニッケルなどの高価な材料からの脱却が不可欠であると指摘している。現在のナトリウム・イオン設計のほとんどは、金属に依存している。
「ターゲットを絞った研究開発を通じて大幅な進歩が達成できると仮定すると、2030年代に低コストのリチウム・イオン変種とコスト競争力を持つ可能性のあるナトリウム・イオン経路をいくつか特定した。」と研究者達は指摘した。
サプライチェーンの代替
研究者達は特に2030年まではナトリウム・イオン電池がリチウム・イオン技術よりも短期的に価格面で優位であると想定することに対して警告を発しているが、エネルギー転換におけるナトリウム・イオンの潜在的な役割を強調している。サプライチェーンの不安定さは、拡張可能な代替手段としてのナトリウム・イオンの魅力を皿に高める可能性がある。
「ナトリウム・イオン電池は特定の条件下ではリチウム・イオン技術の代わる現実的な選択肢を提供することで、世界のエネルギー持続可能性の目標をサポートする可能性がある。」と研究は結論付けた。