ナトリウム・イオン電池のスタートアップがリチウム代替品の
誕生を促進
Sodium-Ion Battery Startup Sparks Lithium Alternative
By Bloomberg News
https://www.mining.com/ より 2024.07.17
エネルギー貯蔵の新興企業であるPeak Energyは、同社が広く使用されているリチウム・イオン技術の代替として位置付けているナトリウム・イオン電池の生産拡大のため、5,500万ドルの資金を調達した。
水曜日の声明によると、シリーズAの資金調達ラウンドはXora Innovationが主導し、既存の支援者であるEclipse VenturesとTDK Venturesが参加した。Peakは、この支援の一部をアメリカン工場の建設に充てる予定で、2026年に開設予定である。
Peakの技術は、ソーダ灰などの天然岩塩や塩水から得られるナトリウム・イオンを使用している。これらは入手しやすく、業界標準のリチウムよりも安価である。Landon Mossburg最高経営責任者(CEO)によると、ナトリウム電池はリサイクル寿命が長いため、リチウム・イオン電池よりも寿命が長い。
「ナトリウム・イオン電池は、大規模なエネルギー貯蔵にとって大きな進歩である。」とMossburgはインタビューで述べた。「リチウム・イオンの8,000サイクルに比べて、ナトリウム・イオン電池は最大15,000サイクルも持続する。」
この技術への関心が高まったのは、リチウム価格が高騰し、サプライチェーンの懸念が高まった2022年だった。リチウム電池は損傷すると発火しやすい。しかし、ブルームバーグNEFのアナリストYiYi Zhouによると、ナトリウム・イオン設計はエネルギー密度が低く、急成長している電気自動車市場にはあまり適していない。リチウム価格の最近の下落も、この主要技術の競争力を高めている。
Peakの経営陣はクリーン・エネルギー分野での豊富な経験があり、幹部陣はTesla Inc.、SunPower Corp、Northvolt ABで働いた経験を持つ。同社は送電網スケールの蓄電用に長期蓄電システムを提供する計画である。別の企業であるナトロン・エナジーは今年、データ・センターをターゲットにミシガン州にナトリウム・イオン電池工場を開設した。
「送電網蓄電のほとんどは2~4時間持続するが、10時間システムの需要がある。」とPeakの社長Cameron Dalesは語る。「ナトリウム・イオンは大容量蓄電用のより費用対効果の高い解決策を提供できる可能性がある。」