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太陽光電池用塩水電池

Saltwater Batteries for Solar PV System

https://list.solar/より  2021.02.12

 

  充電式エネルギー源はこれからの世界エネルギー問題と気候変動問題に重要な役割を演ずる。再生可能エネルギー部門、特に太陽光発電システムの貯蔵システム要件は、再生可能エネルギー源は自然条件に依存しているので避けられない。

 

全ての再生可能エネルギーの中心にある太陽光発電システムは最も潜在的な代替エネルギー源として現われてきた。技術の進歩と支援政策により、ほとんどの国々で太陽光発電システムは石炭やガス燃料プラントよりも安い。太陽光発電で生産される電力コストはこれまでに見られた中で最も低い電力コストの一部である。太陽光発電システムは太陽が輝いている限り発電し続ける。そうでない場合には、太陽光発電システムからの電力出力はない。エネルギー需要に対応して継続的な電力供給を行うために、電池の形による貯蔵システムを必要としている。

 疑いもなくリチウム・イオン電池はコスト低下と共に高いエネルギー密度のために、エネルギー貯蔵市場を圧倒している。しかし、世界的なエネルギー貯蔵システムであるリチウム・イオン電池はその毒性のために環境に優しくなく、検討すべき唯一の選択肢ではない。塩水電池は過去数年間および来年に研究目的のため検討されており、エネルギー貯蔵市場に大きな影響を与えるだろう。塩水電池は塩水溶液を使ってエネルギーを貯蔵する。これらの電池は市場で入手できる他の電池よりもずっと安全に使用できる。それらはリチウムや鉛-酸のような毒性で、可燃得性で、爆発性の材料ではない。塩水電池に関連する火災の危険性はない。寿命に関しては、塩水電池は運動時間が長くなり(100%放電で5000サイクル)、時間経過で塩水を交換する必要はない。塩水電池のこの特徴は20年間稼働するように設計された太陽光発電システムのコストを節約する。

 ブルー・エネルギーはオーストリアの会社で、スェーデンのウプサラに建設されている学校で100 kWの太陽光発電システムのプロジェクトを発表した。テスボルトとEPC無限エネルギーは共同して53 kWの太陽光発電システムで農場に電力を供給した。この電力網外の太陽光発電システム用に使われる電池は塩水電池で、電池パック容量は160 kWhであった。このシステムは灌漑システムや労働者地区など、全ての農場の運営に電力を供給できた。

 しかし、なぜ今のところ商品化されていないのか?そのコストが他の市販電池と比較して高いからである。塩水電池は実験段階で、大量生産されればリチウム・イオン電池の場合と同様に技術も改善され、塩水電池コストの指数函数的な低下も見られることが期待される。また、塩水電池のエネルギー密度は低いため、エネルギー貯蔵として採用できるほど現実的ではない。低エネルギー密度が低いと、電池パックが大きくなりスペース効率が低下する。しかし、これらの電池をゆりかごから墓場までの工程をリサイクルし毒性であることは低いエネルギー密度の欠点に優る。さらに、塩水電池は爆発性物質を含んでいないので、他の電池よりもみしろ電気自動車に使われるのにより良い選択となる。これらの電池は冷却する必要がなく、最高50℃の比較的高い温度で操業できる。塩水電池はグリーン技術の観点から認定された唯一の電池であり、エネルギー貯蔵システム用の塩水電池への投資に大きな投票を示している。その上、これらの電池の堅牢性は小数の電池だけが持つ重要な要素である。高い堅牢性はメンテナンスが全く要らないか、少なくいことを意味している。これらの電池は100%放電できるからである。100%の放電で、電池は寿命やその他の特性に影響を与えることなく完全に空にできる。この電池はどの充電状態でも数日から数週間持続できるため、電池管理システムなしで使用できる。

 塩水電池の市場はまだ不透明で不明であるが、その将来は明るい。堅牢、非爆性、無毒、長い寿命、100%放電、高いサイクル数、およびメンテナンス・フリーなどの特徴は、現在の市場のリチウム・イオン電池ら鉛-酸電池後の第三の電池技術として塩水電池を持ってくる。現在、充放電時間の制限とエネルギー密度の低下により、塩水電池は全ての用途に適している訳ではない。これらの電池コストは塩水電池の成功経路に対するもう一つの大きな障壁である。これら2つの問題は大量生産と開発、および技術と製造プロセスの進歩によって最も良く対処できる。