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溶融塩電池:電力系統と再生可能エネルギーのための

高エネルギー貯蔵

Molten Salt Batteries: High Energy Storage for Grid and Renewables

By David J. Patterson

 https://www.linkedin.com/     2025.08.

 

 溶融塩電池は、電解質として溶融塩を使用するタイプの電池で、高いエネルギー密度と電力密度を実現する。これらの電池は、系統連系や再生可能エネルギー源の統合と言った大規模なエネルギー貯蔵に特に適している。溶融塩を室温で凝固させ、貯蔵されたエネルギーを効果的に凍結させることで、数週間から数ヶ月にわたる長期間のエネルギー貯蔵が可能である。加熱すると溶融塩が溶け、イオンが流れて放電する。

 より詳細な説明は以下の通りである:

主な特徴:

高いエネルギー密度と電力密度:

 溶融塩電池は高いエネルギー密度を備えているため、サイズと重量に対して大きなエネルギーを貯蔵できる。また、高い電力密度を備えているため、そのエネルギーを迅速に供給できる。

長期エネルギー貯蔵:

 主な利点は、長期間のエネルギー貯蔵能力である。溶融塩電解質は室温で凝固するため、自己放電を防ぎ、充電されたエネルギーを長期貯蔵できる。

高温動作:

 これらの電池は高温で動作する。これは、特定の用途では利点となる一方で、課題となることもある。

堅牢性と効率:

 溶融塩電池は、その堅牢性と効率性で知られており、電力網規模のエネルギー貯蔵に適している。

仕組み:

1.電解質

 この電池は、加熱されて液体状態になった溶融塩を電解質として使用する。

2.凝固

 室温では、溶融塩は固化し、イオンを固定して電子の流れを遮断し、放電を効果的に停止させる。

3.加熱と溶融

 電池を活性化するために、溶融塩を融点まで加熱することでイオンの流れを促し、充放電を可能にする。

4.充放電

 充電時にはイオンが溶融塩電解質中を移動し、放電時にはイオンが逆方向に移動し、発電する。

用途:

送電網蓄電池:

 溶融塩電池は、太陽光や風力などの再生可能エネルギー源から生成される余剰エネルギーを貯蔵し、必要に応じて放出するのに適している。

再生可能エネルギー統一:

 溶融塩電池は、信頼性の高いエネルギー貯蔵手段を提供することで、断続的な再生可能エネルギー源を電力網に統合する上で重要な役割を果たす。

大規模エネルギー貯蔵:

 溶融塩電池は、その高い容量と堅牢性により、大規模なエネルギー貯蔵用途に特に適している。

例:

京都グループの4MW/18 MWhプロジェクト:

 デンマーク、オールボーのノルドユラン発電所における同社のプロジェクトでは、溶融水酸化物塩を用いてエネルギーを貯蔵する。

Hyme Energy社のプロジェクト:

 Hyme Energy社は、溶融塩技術を用いた大規模エネルギー貯蔵プロジェクトにも取り組んでいる。