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世界中の著名なナトリウム・イオン電池メーカーの詳細とともに

ナトリウム・イオン電池技術をレビューする

Review Sodium-Ion Battery Technology Along with details of Prominent SIB Manufacturers around the Globe

By Vijay Tharad

 https://www.linkedin.com/     2024.02.15

                          多くの図が含まれていたが、容量不足のため省略した。

なぜナトリウム・イオン電池なのか?

 携帯用電子器機や電気自動車の急速な発展に伴い、リチウム・イオン電池の生産は前例のない規模に達している。主要なリチウム電池メーカーはすべて、大きな市場に対するために生産能力を常に拡大している。それは必然的にリチウム資源の大量消費と価格上昇につながるであろう。実際、リチウムは豊富な元素ではなく、地殻中の含有量はわずか0.0065%である。分布も偏っており、70%が南米に分布している。現在、リチウム・イオン電池の用途が活況を呈しているが、数十年後にはリチウム資源が大幅に制限されるであろう。そして、リチウム・イオン電池が送電網スケールのエネルギー貯蔵に適用される場合、制限はさらに厳しくなる。しかし、同じ主要グループのリチウムと同様の物理化学的性質を持つナトリウムは非常に豊富に存在し、地殻中の存在量は第6位にランクされている。さらに重要なことは、ナトリウムは資源や地理にまったく依存せずに世界中に分布していることである。したがって、ナトリウム・イオン電池は、リチウム・イオン電池に比べ

 

て資源的に非常に大きな利点がある。一方、ナトリウム・イオン電池はナトリウム価格が安いため潜在的にコスト面で大きなメリットがあり、低速電気自動車や大規模エネルギー貯蔵装置に非常に適している。

ナトリウム・イオン電池の歴史の旅

1960年代:ナトリウムのデビュー

 ナトリウム・ベース電池のルーツは、1960年代の高温ナトリウム硫黄電池にまで溯る。これらの初期バージョンでは300℃に近い温度が必要であり、実用性が制限されていた。

1990年代:リチウム・イオンの台頭

 20世紀の終わりには、優れたエネルギー密度と長い寿命により、リチウム・イオン電池が携帯型電子器機のゴールドスタンダードになった。しかし、リチウムの資源制限とコストの上昇がすぐに懸念されるようになった。

21世紀:リチウム・イオンの台頭

 リチウムの持続可能性が疑問視され、拡張的なエネルギー貯蔵に対する需要が高まる中、21世紀はナトリウムへの回帰を示した。焦点は、リチウム・イオン電池の強力な代替品として、室温で使用できるナトリウム・イオン電池の完成に向けられた。

ナトリウム・イオン電池はどのように機能するのか?

 現在のナトリウム・イオン電池は、リチウム・イオン電池のエネルギー密度には及ばないかもしれないが、特に、寿命と手頃な価格がエネルギー密度を上回る送電網蓄電用途においてニッチな市場を開拓している。つまり、ナトリウム・イオン電池は、持続可能なエネルギー貯蔵への革新的なアプローチの先駆けとなる。

 研究が進むにつれ、再生可能エネルギー革命を支えるエネルギー貯蔵の展望を再定義しようとしている。ナトリウム・イオン電池は充電式電池の一種である。リチウム・イオン電池と同じである。しかし、電荷担体としてナトリウム硫黄電池を使用する。

電池の構造

 下の写真はナトリウム・イオン電池の概略図を示している。ナトリウム・イオン電池の構造はリチウム・イオン電池と似ている。

 動作原理やセル構造はリチウム・イオン電池タイプとほぼ同じである。しかし、リチウム化合物の代わりにナトリウム化合物が使用される。

 ナトリウム・イオン電池セルは、ナトリウム含有材料をベースとした陽極、陰極(必ずしもナトリウム・ベースの材料である必要はない)、および極性プロトン性または非プロトン性溶媒中に解離したナトリウムと塩を含む液体電解質から構成されている。

 充電中、電子が外部回路を通って移動する間に、ナトリウム・イオンが陽極から抽出され、陰極に挿入される。

 放電中は、逆のプロセスが発生し、ナトリウム・イオンが陰極から抽出される。そして陽極に再び挿入され、電子は外部回路を通過して有益な仕事をする。

 ナトリウム・イオン電池は、リチウム・イオン電池と同様に、電気化学の原理に基づいて

動作する。

 ナトリウム・イオン電池は、リチウム・イオン電池と同様に、電気化学の原理に基づいて動作する。基本的なプロセスには、電池の2つの主電極(陰極と陽極)の間でのナトリウム・イオンの移動が含まれる。段階的な内訳は次の通りである:

放電プロセス(電池を使用)

 電池が装置に電力を供給すると、ナトリウム・イオンが陰極から電解質を通って陽極に移動する。

 ナトリウム・イオンが陰極から出ると、電子が外部回路を通って移動し、接続された装置に電力が供給される。

 陽極に到達すると、ナトリウム・イオンは外部回路を通って移動してきた電子と再び結合し、電気回路が完成する。

 充電プロセス(エネルギーの貯蔵):電池が充電されると、外部電圧源がナトリウム・イオンを陽極から電解質を通って陰極に押し出す。

 ナトリウム・イオンが陽極から出ると、電子がそこから剥ぎ取られる、外部回路を通って陰極に戻る。

 陰極では、これらの電子がナトリウム・イオンと再結合し、その過程でエネルギーを蓄える。

1.イオン輸送:電解質は、陰極と陽極の間のナトリウム・イオンの輸送において重要な役割を果たす。これがなければ電池は機能しない。セパレーターは、イオンは電極間を移動できるが、電子は移動できないようにする。これは、電子を外部回路に強制的に移動させて電力を供給するために重要である。

ナトリウム・イオン電池のユニークな利点は何か?

価格の優位性

 Statistaの統計データの通り、リチウム電池の需要の増加に伴い、原料の炭酸リチウムの価格が高騰している。2021年末には、炭酸リチウムの価格は17.00ドルに達するであろう。

しかし、ナトリウムの価格は2000ドル/トンだけで済む。

 原材料の価格はクラストの含有量に関係する。試験と統合分析によると、ナトリウム含有量はリチウム含有量の1351(23000/17)である。リチウムの価格がナトリウムよりも高いのもそれが理由である。

 したがって、電池の最終的なコストは、リチウム・イオン電池と比較して、ナトリウム・イオン電池は3040%削減される。

 環境を汚染する重金属元素がほとんどなく、安全で環境に優しいナトリウム電池である。ナトリウム・イオン電池はあらゆる種類の用途において、リチウム・イオン電池に代わる持続可能な低コストの代替品となることが予想される。低速電気自動車や大規模エネルギー貯蔵装置などである。

 風力、太陽光、水力発電への移行が進んでおり、全天候型の中断のないパフォーマンスを実現するために電池のエネルギー貯蔵に依存している。

 イギリス、ファラディオンのJerry Bakerチームの研究によると、ナトリウム・イオン電池は実際に0 V(真の%完全放電)まで安全に放電できる。これにより、輸送中や保管中に電池が危険さらされる可能性が明らかに減少する。

 グラファイト・ベースのリチウム・イオン電池の過剰な放電は、電池のサイクル数を大幅に短縮する可能性がある。または、陰極への金属銅の析出による内部短絡により、火災/爆発を引き起こす可能性がある。しかし、ナトリウム・イオン電池の場合、陰極には軽量で安価なアルミニウム集電基板が使用されているため、安全に0 Vまで放電できる。

また、比エネルギーを向上させ、ナトリウム・イオン電池のコストを削減する。ナトリウム・イオン電池が0 Vまで放電できることは、消費者だけでなく、ナトリウム・イオン電池のメーカーにもさまざまなメリットをもたらす。

 

ナトリウム・イオン電池の構成部品と材料

 ナトリウム・イオン電池は広く使用されているリチウム・イオン電池の有望な代替品として浮上している。同様の作用メカニズムにより、ナトリウム・イオン電池には豊富で低コストのナトリウム資源を利用できるという利点がある。ナトリウム・イオン電池のコアコンポーネントを深く掘り下げ、各部品がその機能においてどのように重要な役割を果たしているかを理解する。

1.陰極

● 材料:硬質炭素、チタン・ベースの化合物、アンチモン・ベースの材料は、ナトリウム・イオン電池用に最も研究されている陰極材料の1つである。

● 機能:放電中、ナトリウム・イオンが陽極から陰極に移動し、陰極材料に蓄えられる。陰極材料の選択は、電池の容量と寿命にとって非常に重要である。硬質炭素構造における最近の進歩により、ナトリウム・イオン電池陰極に有望な結果が示されている。

2.陽極

● 材料:遷移金属酸化物(NaFeO2など)、リン酸塩(Na3V2(PO4)3など)、および層状酸化物材料が一般的な選択肢である。

● 機能:陽極は放電中にナトリウム・イオンを放出し、充電中にナトリウム・イオンを受け入れる。陽極材料は電池の電圧とエネルギー密度を決定する。研究者達はナトリウム・イオン電池の性能を向上させるためにこれらの材料を最適化することに焦点を当てている。

3.電解質

● 材料:液体有機溶媒、固体化合物、またはナトリウム塩を注入したゲルポリマー。

● 材料:電解質は充電および放電中にナトリウム・イオンが陰極と陽極の間を移動するための媒体として機能する。安定した電解質は安全性と寿命のために不可欠である。固体電解質は電池の安全性とエネルギー密度を向上させる可能性があるため注目を集めている。

4.セパレーター

● 材料:通常は多孔質ポリマー・フィルムで作られている。

● 機能:セパレーターは陰極と陽極の間に配置され、ナトリウム・イオンの通過を可能にしながら、直接の電気接触(短絡につながる可能性)を防ぐ。セパレーターの多孔性と熱安定性は、効率的なイオン輸送と電池の安全性にとって極めて重要である。

5.集電体

● 材料:通常、銅(陽極側)やアルミニウム(陰極側)などの金属箔でできている。

● 機能:これらは陰極と陽極から外部回路への電子の流れを促進する。電流コレクターと電池材料の適合性は腐食を防止し、電池寿命を長くするために不可欠である。

ナトリウム・イオン電池には何種類あるか?

NaMnO2

 Hina Energyは特別にNaMnO2電池を開発した。典型的なパラメーターは以下の通りである。

(1)動作電位:3.2 V

(2)使用温度:- 40℃~80

(3)サイクル寿命:≧4500サイクル@83%2C/2C

(4)エネルギー密度:≧145 Wh/kg

(5)レート性能:5C容量≧1C容量の90

(6)保存性能:定格容量の94%以上の充電保持率、定格容量の99%以上の充電回復率で室温で28日間保存。

Na3V2(PO4)2F3

 Alistore-European研究機関は、Na3V2(PO4)2F3陽極と硬質炭素陰極を使用して18650セルを構築した。そして、1Cレートで75 Wh/kgおよび4000サイクルを実証した。しかし、このナトリウム電池はまだ開発中である。

Na2FeFe(CN)6

 Alarch機関は、組成がNaxFe[Fe(CN)6](×>1.9)であるナトリウム・イオン電池を特別に開発した。この材料はナトリウム・イオン電池の高性能陽極として理想的であり、ナトリウムを含まない陰極材料と組み合わせることができる。

 長期にわたって品質を維持するには、不活性条件下で保管するのが理想的である。公称電圧は平均3.25 V、容量は160 mAh/g

Na2Fe2(SO4)3

ナトリウム・イオン電池用材料

 リチウム・イオン電池の場合と同様に、陽極材料はナトリウム・イオン電池の重要な成分である。陽極材料の組成は、セルの電圧と容量、ひいてはエネルギー密度を決定する。ナトリウム・イオン陽極材料は通常、挿入/脱インターカレーション化合物に基づいており、陽極によって提供されるナトリウム・イオンは、充電中にホスト格子(陰極)に挿入され、放電中に抽出され、ホスト材料の構造変化は最小限に抑えられる。

 リチウムとは対照的に、ナトリウムは地殻に最も豊富に存在する元素の1つである。そのため、ナトリウム・イオン電池は硬質炭素構造数年で大きな注目を集めている。特定の化学的性質を備えた陽極材料の選択は、セル電圧、容量、エネルギーと電力の能力、サイクル寿命、動作温度などのさまざまな要因によって決まる。

 ナトリウム・イオン物質のさまざまな組成には、次のようなものがある:

● ナトリウム・イオン陽極、陰極、電解質粉末

● ナトリウム・イオン陽極・陰極電極シート

ナトリウム・イオン電池用粉末

ナトリウム・イオン陽極、陰極、電解質粉末

 NEI社はナトリウム・ベースの陽極および陰極材料、それらに対応する炭素コーティングされた対応物(35wt%の炭素)、およびナトリウム・ベースの固体電解質を含む、さまざまなナトリウム・イオン電池材料を製造している。NEIは入手可能な材料の一次および二次粒子サイズ、組成、および表面特性(電子伝導性コーティング層など)をカスタマイズできるほか、ナトリウム・イオン材料をカスタム合成することもできる。

 

ナトリウム・イオン電池の用途

 ナトリウム・イオン電池は、主要なエネルギー貯蔵解決策として急速に注目を集めている。リチウム・イオン電池の競争相手としての可能性は、その人気の高まりから明らかである。この傾向の主な理由の1つは、ナトリウムが豊富で手頃な価格であることである。この記事では、ナトリウム・イオン電池のさまざまな用途を詳しく掘り下げ、ナトリウム・イオン電池が最も輝く部分を紹介する。

送電網エネルギー貯蔵

1.再生可能エネルギーの統合:太陽エネルギーと風力エネルギーは強力であるが、常に安定しているわけではない。例えば、太陽が常に輝いているわけではないし、風が吹いていない場合もある。これにより、電力生成に中断が生じる。ナトリウム・イオン電池は手頃な価格であり、大きくも小さくもできるため、解決策を提供できる。

2.ピークカット:電力会社はナトリウム・イオン電池を使用して、需要が低いときに余分なエネルギーを節約し、需要が高いときにそれを使用できる。こうすることで必要以上にエネルギーを生成する必要がなくなる。

電気自動車

 現在、リチウム・イオン電池が電気自動車市場を独占しているが、ナトリウム・イオン電池には魅力的な可能性がある。それらの利点は次の通りである:

1.持続可能性:ナトリウムはリチウムよりも豊富で世界中に均一に分布しているため、リチウム採掘に伴う地政学上および環境上の懸念が軽減される。

2.安全性:ナトリウム・イオン電池の特定の設計では熱安定性が向上し、電気自動車用途での過熱のリスクが軽減される可能性がある。

しかし、ナトリウム・イオン電池のエネルギー密度は現在、リチウム・イオン電池よりも低いなどの課題が残っている。これらの限界を克服する研究が続けられている。

家電

1.低コストの家庭用電化製品:ナトリウムが手頃な価格であるため、ナトリウム・イオン電池は、電卓、リモコン、特定の玩具などの低コストの電子機器に好まれる選択肢となる可能性がある。

2.ウェアラブル・デバイス:ナトリウム・イオン電池は柔軟で薄型の電池設計に可能性を示しており、形状ファクターと重量が重要なウェアラブル・デバイスの候補となっている。

遠隔地電力システム

 集中化された送電網から遠く離れた地域では、エネルギー貯蔵が重要になる。ナトリウム・イオン電池は以下を提供する:

1.長いサイクル寿命:特定のナトリウム・イオン電池の化学的性質は優れたサイクル寿命を示しており、電池の交換やメンテナンスが困難な設置場所に適している。

2.過酷な条件への耐性:予備研究では、ナトリウム・イオン電池がさまざまな環境条件で効果的に動作し、さまざまな地理的展開に最適であることが示されている。

 ナトリウム・イオン電池は商業利用の初期段階にあるが、多くの用途で大きい可能性を秘めている。研究が進歩し、技術が進化するにつれ、費用対効果が高く、持続可能で効率的な貯蔵解決策を提供すると予想されている。

 

課題と解決策

 ナトリウム・イオン電池は、持続可能なエネルギー分野において確立されたリチウム・イオン電池の有望な代替品として浮上している。それらは大幅な進歩を遂げてきたが、その先には技術的、商業的、環境的な課題が山積みになっている。

技術的な障害:

  エネルギー密度の制限:ナトリウム・イオン電池は、ナトリウムの原子サイズが大きいため、エネルギー密度の低下に対処している。しかし、ハイブリッド陰極材料と多成分電池設計に関する進行中の研究は、新しい電極材料と最適化された電解質と組み合わせて、エネルギー密度の向上が期待できることを示している。

  電極材料の互換性:ナトリウムのイオン半径が大きいため、特定の従来の電極材料と互換性の問題が生じ、電池の寿命に影響を与える。耐久性のあるフレームワークを提供するチタン・ベースの化合物、リン酸塩、硬質炭素を使用した革新が、適切な解決策として登場した。

  急速な容量低下:特定のナトリウム・イオン電池モデルでは、急速な容量低下が発生する。電解質組成の改良、セパレーター材料の進歩、最先端の陽極材料により、電池の回復力が強化され、一貫した性能が保証される。

商業上の課題

  生産のスケールアップ:プロトタイプから量産への移行は、特に品質とコストのバランスにおいて困難である。官民の協力的なパートナーシップは、研究開発と製造の専門知識を組み合わせることで効果的な救済策を提供する。

  市場の受け入れ:市場におけるリチウム・イオン電池の牙城を崩すには、教育的支援と組み合わせた積極的なマーケティングが必要である。実際のパイロット・プロジェクトは、ナトリウム・イオン電池の効率と利点を検証する証拠としてさらに役立つ。

  サプライチェーンの開発:商業的な成功には、応答性が高くコスト効率の高いサプライチェーンを構築することが不可欠である。原材料サプライヤーおよび流通ネットワークと提携または買収することにより、前方および後方統合を伴う戦略により、製品の品質とタイムリーな納品を確保できる。

環境と安全への懸念

  塩水抽出の影響:海水からナトリウムを抽出すると、海洋生態系が危険にさらされる可能性がある。海洋生物学の洞察に裏打ちされた環境に優しい抽出方法と、抽出場所の周囲の海洋保護区を組み合わせることで、潜在的な環境への影響を軽減できる。

  廃棄物管理:ナトリウム・イオン電池が世界的に普及すると、廃棄物管理に重大な課題が生じる可能性がある。設計段階でリサイクル可能性を奨励し、標準化された廃棄物管理プロトコルと組み合わせることで、再利用と削減を強調し、持続可能性を確保できる。

  製造における安全プロトコル:ナトリウムは揮発性であるため、細心の注意を払って取り扱う必要がある。包括的なワークショップ、高度な安全装置、AI主導の監視システムによってサポートされる安全中心の文化を構築することで、製品の品質と製造担当者の健康の両方を確保できる。

 結論として、ナトリウム・イオン電池の主流比への道のりには複雑さが伴うが、それぞれの課題は画期的なイノベーションの機会を提供する。研究、コラボレーション、持続可能性における協調的な取り組みを通じて、ナトリウム・イオン電池は確かにグリーン・エネルギー解決策の次の波を定着させる可能性がある。

ナトリウム電池を作っているのは誰か?上位3メーカー

Faradion

 Faradion Energyはイギリスの会社である。WhoJerry Barker博士、Chris Wright博士、Ashwin Kumaraswamyによって2011年にナトリウム・イオン技術の開発と市場投入を目的として設立された。

 ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池よりも安価で安全であることが判明した。しかし、他の電池よりもエネルギー密度が高く動作温度範囲が広い。このコスト、安全性、性能の組み合わせにより、ファラディオンのナトリウム電池は現在、当社のライセンスおよびパートナーによって製造されており、実際の用途における技術の利点を実証している。

Natron Energy

  ナトロン・エナジーはアメリカの会社である。これらの困難な産業用電力および送電網貯蔵用途に対する解決策は誰が提供するか。そのナトリウム・イオン・セルはプルシアン・ブルー電極をベースにしており、独自の電力、寿命、安全性を可能にし、完全な放電と再充電がわずか数分で完了する。また、不燃性のフォールト・トレラント・システムによる最大50,000回の深放電サイクルにも対応する。

 以下はナトロン・エナジーのパフォーマンスであるので、スペックを知ることができる。

CATL

 CATL2021年半ばに第一世代のナトリウム・イオン電池を発売した。2023年までに基本的な産業チェーンを確立する計画である。CATLは発表会でナトリウム・イオン電池電極用の材料の研究開発に長年取り組んで来たと述べた。同社によれば、第一世代のナトリウム・イオン電池は最大160 Wh/kgのエネルギー密度を達成でき、現在は200 Wh/kg以上を目標にしていると言う。

ナトリウム電池対リチウム対鉛蓄電池

電池性能

ナトリウム・イオン

 ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池と同様に作動し、どちらの化学反応もホスト構造間のイオンのインターカレーションに依存する。さらに、ナトリウム・ベースのセル構造は、商業的に普及している種類のリチウム・イオン電池のものとほぼ同じである。しかし、ナトリウム・イオン電池にはリチウム・イオンとのいくつかの基本的な違いがあり、

長所と短所の両方をもたらす。

利点:

  環境存在量:ナトリウムはリチウムの1000倍以上存在し、世界中に均一に分布している。

  安全性:ナトリウム・イオン電池は輸送時に0 Vまで放電できるため、リチウム・イオン電池を悩ませてきた熱暴走の危険を回避できる。

  低コスト:ナトリウム前駆体(Na2CO3など)は、同等のリチウム化合物よりもはるかに安価である。

  陽極化学オプションの材料の3つの主要なファミリー:

層状遷移金属酸化物

ポリイオン性化合物

  プルシアン・ブルー類似体

  陽極材料はFeCuMnなどのより持続可能な遷移金属から合成できる。

  短所:

  ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池よりも安価でエネルギー密度が低くなる。これは、ナトリウムがリチウムよりもかなり重くて大きいこと、およびNa+/NaLI+/Liよりも高い還元電位を持っているためである。

  ナトリウム・イオン技術はリチウム・イオンほど確立されていない。

ナトリウム・イオン電池材料

 ナトリウム・イオン電池とリチウム・イオン電池の電池コンポーネントの多くは、2つの技術の類似性により類似している。この記事では、ナトリウム・イオン電池の構成セル部品の概要を説明する。

ナトリウム・イオン電池の特性

  エネルギー密度は100160 Wh/kg、セルレベルでは290 Wh/L

  電圧範囲は1.54.3 Vである。セルは0 Vまで放電でき、0 Vで出荷できるため、出荷時の安全性が向上する。

  リン酸鉄リチウム電池よりもセルBOMコストが2030%低くなる。

  リチウム・イオン電池よりも広い動作温度(-20℃~+60)

  一般的なエネルギー密度はC/592%。

ナトリウム・イオン中の硬質炭素陰極

  新しい電池技術―現在、市販されているリチウム・イオン電池と比較して、コスト、安全性、持続可能性、および性能上の利点が約束されている。

  利点:広く入手可能な安価な原材料により、カーボン・ニュートラルなエネルギー貯蔵解決策に対する世界的な需要を満たす迅速に拡張可能な技術。

  金属を追加すると全体のエネルギー密度は増加するが、体積変化が生じて故障につながる。

ナトリウム・イオンの分解

  過電圧充電

  NaMnO2が不可逆的に劣化する。

  陽極原子構造の欠陥は、陽極材料の合成に含まれるステップ中に形成される。これらの欠陥は最終的に陽極の構造的な地震を引き起こし、その結果、電池のサイクル中に壊滅的な性能の低下を引き起こす。

ナトリウム・イオン電池パック

 この低コストの電池技術は、多くの発表とともに急速に近づいている。パウダーレベルで120 Wh/kgを達成。

 

ナトリウム・イオン対リチウム・イオン電池:より良い代替品はどれか?

  ナトリウムはいくつかの国で入手可能なリチウムよりも500倍以上豊富に含まれている。

  ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池よりも充電が速く、ライフサイクルが3倍長くなる。

  しかし、ナトリウム・イオン電池には確立された原材料のサプライチェーンが不足しており、この技術はまだ開発の初期段階にある。

リチウムは電池製造において最も一般的な元素であり、中国が世界のリチウム・イオン電池サプライチェーン(全リチウム・イオン電池の79)を支配している。中国はまた蓄電池や電気自動車に使用される世界のリチウム精製能力の61%を支配している。

 次の大きな供給国はアルゼで、世界の鉱床の21%を占め原料採掘に多大な力を与え、リチウムのサプライチェーンに影響を与えており、13件のプロジェクトが提案されており、さらに数十件が進行中である。

 リチウム・イオン電池は、コバルトやリチウムなどの希少で高価な元素から作られている。電池需要の高まりを受けて、リチウム価格は2021年以降700%以上上昇した。リチウム・イオン・ベースの電池は、電力網のエネルギー貯蔵に対する需要の増大に応えるこれまでのところ、も困難になるであろう。テクノロジー企業は、従来のリチウム・イオン電池に代わる代替品を探している。

ナトリウム・イオン電池技術とリチウム・イオン電池技術

ナトリウム・イオン電池は、現在、最も広く使用されているタイプの充電式電池であるリチウム・イオン電池の有望な代替品である。どちらのタイプの電池も、電気エネルギーの保存と伝達に液体電解質を使用するが、使用するイオンの種類が異なる。

リチウム・イオンおよびナトリウム・イオン電池のコンポーネントを調べると、2つの電池の主な違いは陽極材料の性質であることが分る。原料から陽極を作製するコストはどちらのタイプの電池技術でも同じであるため、ナトリウム・イオン電池の主なコスト削減は原料によるものである。

リチウム・イオン電池

ナトリウム・イオン電池

● ナトリウムはリチウムよりも500倍以上多くある。海水から低コストで抽出される。

● リチウム生産は2,3ヶ国に限られ、そのため2021年以来、価格が7倍以上に上昇している。

● ナトリウムは環境に優しく、0 Vで輸送できるため、安全性が高い。

● リチウムはナトリウムよりも環境に優しくなく、火災の危険性が増加するので、常に最小限の充電で貯蔵しなければならない。

● ナトリウム・イオン電池は銅よりも安いアルミニウムを使う。

● リチウム・イオン電池は銅を使用し、ナトリウム・イオン電池使われるアルミニウムよりも3,4倍高価である。

● ナトリウム・イオン電池はより高い温度範囲で作動できる。このことは熱暴走の危険性がなくより極端な温度でも使用できることを意味する。

● リチウム・イオン電池は動作温度範囲が狭く、高温で使用すると火災の原因となる事がある。

● ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池よりも早く充電でき、3倍長いライフサイクルを持っている。

● リチウム・イオン電池は充電速度が遅く、ナトリウム・ベースの電池に比べてライフサイクルが小さい。

 

 ナトリウム・イオン電池にはさまざまな利点があるため、エネルギー業界の大手企業はこの技術の取得と開発に投資している。例えば、イギリスの電池技術会社であり、ナトリウム・イオン電池のイノベーターであるファラディオンは、最近、Reliance Industriesの子会社であるReliance New Energy Solar13,500万ドルで買収された。

ナトリウム・イオン電池の課題

 このような利点にもかかわらず、ナトリウム・イオン電池の製造は、リチウム・イオン電池の代替品として広く採用される前に、いくつかの課題を克服する必要がある。

  電池に使用される材料の確立されたサプライチェーンの欠如。

  この技術はまだ初期段階にあるため、この分野で事業を展開している企業はほとんどなく、電池のコストが高くなっている。

  ナトリウム・イオン・ベースの電池は、角形、円筒形などのさまざまな形状に加工できないため、柔軟性に限界がある。

  これらはリチウム・ベースの電池に比べて密度が低く、貯蔵容量が値最適な組み合わせなる。

  既存のナトリウム・イオン電池のサイクル寿命は5,000回で、市販のリン酸鉄リチウム電池のサイクル寿命である8,00010,000回に比べて大幅に低い。

ナトリウム・ベースの電池はリチウム・イオン電池の代わりに使用できるか?

 ナトリウム・イオン電池を使用することは、リチウム・イオン電池に比べて多くの潜在的な利点があるが、代替品として広く採用される前に克服する必要のある課題もいくつかある。

 ナトリウム・イオン電池がエネルギー貯蔵産業の基幹となるのは、その技術的性能を向上させ続けなければならない。研究者達は電池の性能と安定性の向上、およびコストの削減に取り組んでおり、企業は電池に使用される材料のサプライチェーンの確立を目指している。世界のナトリウム・イオン電池市場は、研究開発努力の増加とナトリウム・イオン電池の商品化の増加により、予測期間を超えて上昇すると予想されている。ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池とはいくつかの点で異なるが、商業用途にはまだ広く採用されていない。予測期間中、電気自動車の需要の増加がナトリウム・イオン電池市場の拡大を促進すると予想される。燃料からの炭素排出量を最小限に抑えるために交通機関を電化する政府の取り組みにより、近年、電気自動車の需要が大幅に増加している。ナトリウム・イオン電池の使用の増加は、この技術が従来のリチウム・イオン電池よりも大きな容量を約束するため、環境への懸念が生じる可能性が最も高い。したがって、電気自動車需要の高まりが市場の拡大を促進すると予想される。予測期間中に新しい電池エネルギー貯蔵技術の需要の高まりにより、市場参加者に成長の可能性が提示されると予想される。

 Coherent Market Insightによると、ナトリウム・イオン電池市場は2021年に27,510万ドル相当と推定され、2022年から2030年にかけて15.3%の年平均成長率で成長すると予想されている。

 

アメリカ・カリフォルニア州、イギリス・シェフィールド、スエーデン・ウプサラおよびおよびイギリス・ウプサラ、フランスのアミアンのナトリウム・イオン電池業界のトップ5

1Natron Energy Inc.

 この企業は2012年に設立され、本社はアメリカ・カリフォルニア州サンタクララにある。Natron Energyと言う新興企業は、プルシアン・ブルーの電極材料を使用したナトリウム・イオン電池解決策を開発している。20225月、Natron EnergyAltrisはそれぞれアメリカとスエーデンに新しいナトリウム・イオン電池生産施設を開設し、生産開始日は2023年になると発表した。

2Faradion Limited

 このビジネスは2010年に設立され、イギリスのシェフィールドに拠点を置いている。技術開発サービスの提供や定置型蓄電池など電気自動車用材料の生産を行なっている。Reliance New Energy Solar2021年にファラディオン社の買収を発表した。ファラディオン社が製造した最初のナトリウム・イオン電池は、202212月にオーストラリアのニューサウスウェールズ州ヤラバレーの登山口に設置されることに成功した。

3. Altris AB

 このビジネスは2017年に設立され、スエーデンのウプサラに拠点を置いている。Altrisは豊富で持続可能な資源で完全に構成されたまったく新しいナトリウム・イオン電池の陽極材料を開発している。Altris AB202253日に同社初の産業規模の製造施設をサンドケビンに建設することでAB Sandvik Materials Technologyと合意に達した。Altris20214月にスエーデンの旅客輸送の電化を目指す非常に野心的な取り組みに参加することに選ばれた。

4AMTE Power PLC

 同社の本社はイギリスにあり、1997年に設立された。この事業ではリチウム・イオン電池を生産し、自動車、航空宇宙、防衛、石油およびガス、エネルギー貯蔵などのさまざまな業界にリチウム・イオン電池を提供している。AMTE Power plcは、顧客がテストのためにUltra Primeセルの最初のバッチを20233月に受け取るこれまでのところ、を発表できることを嬉しく思う。商業化目標の次の段階をサポートするために、AMTE Power202210月にコベントリーのUKBICに高出力セルを生産させる契約を締結した。

5TIAMAT SAS

 この企業は2017年に設立され、フランスのアミアンに本社を置いている。産業用電池メーカーとしてモビリティ用途に適したナトリウム・イオン電池セルの創出・開発・生産を行なっている。

 

2022年の世界のナトリウム・イオン電池企業トップ10

 さまざまな自動車会社や電池メーカーが上流の原材料価格の高騰とリチウム鉱山の採掘不能に不安を感じている中、ナトリウム・イオン電池の導入を始める企業が増えている。2020年頃から相当数のナトリウム・イオン電池事業を展開する企業が資金調達活動を行なっており、その多くは世界トップ10に入るナトリウム・イオン電池企業に属しており、多くのナトリウム・イオン電池起業プロジェクトが2020年の市場で評価され始めている。

 現在、中国では多くの企業がナトリウム・イオン電池を展開しているが、大きく2つに分類できる。1つは新興企業であり、もう1つはHiNa BATTERYCATL(リチウム電池トップ10企業の中で1位にランクされている)など、リチウム・イオン電池とその上流原材料の生産に長年従事している老舗サプライヤーであり、他の企業もナトリウム・イオン電池を量産しようとしている。

 中国のみならず、欧米企業を中心とした世界各国の企業もナトリウム・イオン電池の導入を積極的に行っている。より良く知られているのは、Faradion(イギリス)Tiamat(ヨーロッパ)Natron EnergyAquion Energy(アメリカ)などである。日本のパナソニックと三菱も関連する取り組みを行なっているが、進捗は比較的遅い。

 この記事は、上記トップ10のナトリウム・イオン電池企業の開発の歴史、中核事業、産業構造などの具体的な状況を詳しく紹介し、ナトリウム・イオン業界の最新の開発と、この分野の業界リーダーの関連する配置をより包括的かつ深く理解して貰うことを目的としている。

2022年の世界のトップ10ナトリウム・イオン電池会社

   CATL

設立日20111216

グローバル本社、中国福建省

市場総額13,0084,400万人民元

会社ウェブサイト https://www.ccatl.com/

会社概要:

 世界のナトリウム・イオン電池企業トップ10の中で第一位にランクされているCATLは、新エネルギー車両用動力電池システムとエネルギー貯蔵システムの研究開発は、生産、販売に注力する、世界をリードする新エネルギー革新技術企業である。そのコア技術には、電力およびエネルギー貯蔵電池、材料、電池、電池システム、電池リサイクルおよび二次利用の分野における産業チェーン全体の研究開発および製造能力が含まれる。CATLの最大の特徴は三元系リチウム電池の採用で、電池寿命が長くなる。

主要な製品と技術:

 電力およびエネルギー貯蔵電池、材料、電池、電池システム、電池のリサイクルおよび二次利用。CTP技術、CTC技術、高ニッケル技術などの最先端技術。

関連するレイアウト:

 CATL20217月に第一世代ナトリウム・イオン電池を発売し、同年8月に陽極片、陰極片、セパレーター、電解質を含むナトリウム・イオン電池の特許を取得した。エネルギー密度160 Wh/kgは世界最高レベルとして知られている。

   FARADION

設立時期2011

グローバル本社、イギリス、ヨークシャー

会社ウェブサイト https://faradion.co.uk/

会社概要:

 ファラディオンはナトリウム・イオン電池企業トップ10に入る企業で、ナトリウム・イオン技術を開発し、市場に投入することを目指している。ファラディオンは充電式電池内のナトリウム・イオンの可能性を特定し、活用した新世紀の最初の企業である。この分野で競合するナトリウム・イオン企業よりも多くの特許を取得しているファラディオンは、非水ナトリウム・イオン電池の市場リーダーとしての地位を確固たるものにすることができる。

主な用途と製品:

 定置型エネルギー貯蔵-ナトリウム・イオン電池;輸送用途-ナトリウム・イオン電池

関連するレイアウト:

 2021310日、電池メーカーAMTE Powerとファラディオンは、ファラディオンの知的財産とAMTE Powerの設計および製造能力を組み合わる提携を発表した。これらの提携により、ナトリウム・イオン電池技術を家庭用エネルギー貯蔵、商用マイクログリッド、風力タービン、潮力エネルギー貯蔵などのさまざまな再生可能エネルギー用途に組み込むことが可能になる。2021710日、AceOnは移動式太陽電池蓄電ユニットの開発を加速するためにイギリス・イノベーション・プログラムから100万ポンドの助成金を獲得した。AceOnの新設計製品にはファラディオンのナトリウム・イオン電池が使用される。これはファラディオンの技術で、イギリスで初の商用利用となる。サハラ以南のアフリカ;2021年末、ファラディオンはインドのReliance Industriesに買収された。

   Natron Energy

設立時期2012

国際本部、アメリカ、カリフォルニア州

会社ウェブサイト http?//www.natron.energy

会社概要:

 世界トップ10のナトリウム・イオン電池企業の1つであるNatron Energyは、重要な電力および産業用途向けの高出力、長寿命、低コストのプルシアン・ブルー・ナトリウム・イオン電池解決策を開発および供給する世界有数の企業で、データ・センターのUPSシステムや電動資材運搬装置などを持っている。2020年、Natronは電池製品としてUL 1973認証を取得した世界初のナトリウム・イオン電池となり、データ・センター、フォークリフト、電気自動車急速充電市場の顧客への商業出荷が始まった。

主な製品と技術:

 ナトリウム・イオン電池パック-Blue Tray 4000; Natronのプルシアン・ブルー-ナトリウム・イオン技術。

最近のニュースと関連レイアウト:

 20225NatronClarios Internationalは、大規模ナトリウム・イオン電池の生産で協力する戦略的合意を発表した。Natron Energyはおすらく10年以上にわたり、ナトリウム・イオン電池の開発を行ってきた。

   HiNa BATTERY

設立日201728

会社所在地、中国北京市

登記資本金30949500

会社ホームページ https://www.hinabattery.com

会社概要:

 HiNa BATTERYは、ナトリウム・イオン電池トップ10企業の中で、新世代のエネルギー貯蔵システムであるナトリウム・イオン電池の研究開発と生産に特化した企業である。同社はナトリウム・イオン電池の中核特許を多数保有しており、ナトリウム・イオン電池の中核特許と技術を保有する世界でも数少ない電池企業の1つである。HiNa BATTERYは、低コスト、長寿命、高安全性、高エネルギー密度のナトリウム・イオン電池製品を中心に、各種電気自動車、低速電気自動車、通信基地局、データ・センター、家庭用エネルギー貯蔵、および大規模エネルギー貯蔵をカバーしている。一方、HiNa BATTERYはナトリウム・イオン電池の陽極材料と陰極材料および電解質を供給できる。

主な製品:

エネルギー貯蔵システムのナトリウム・イオン電池。

関連するレイアウト:

 現在、HiNa BATERYは陽極、陰極、電解液、電池パックなどの生産を管理し、独自に研究開発を行ったり、他の企業や政府と合弁会社を設立したりしている。HUA YANG GROUPはまた、HiNa BATTERYやその他の企業と協力して、陽極および陰極材料の生産ラインとナトリウム・イオン電池セルの生産ラインを構築した。今年初めに陽泉市でセル生産ラインの建設が始まったが、これらの生産ラインはまだ生産屋量産には至っていない。

 生産ラインに関しては、HiNa BATTERYは三峡グループや地方政府からも支援を受けている。2021年末、三峡エネルギーは、三峡再生可能エネルギーと三峡キャピタル、HiNa BATTERY、安徽省撫陽市政府が共同でナトリウム・イオン電池生産ラインに関する協力協定を締結したと発表した。

   RONBAY TECHNOLOGY

設立日2014918

国際本部、中国浙江省

市場総額631.29億人民元

会社ウェブサイト http://www.ronbaymat.com

会社概要:

 RONBAY TECHNOLOGYは、リチウム電池用陽極材料の研究開発、生産、販売を専門としている。同社はCATLBYDLG ChemTianjin LishenFuneng Technologyなどの顧客と長期的な協力関係を確立している。最先端の高エネルギー密度製品で、安定した製品性能と成熟した製品と技術を備えた準備を備えた三元陽極材料の提供をサポートしている。RONBAY TECHNOLOGYは、中国で初めてNCM811の量産を実現した陽極材料メーカーである。RONBAY TECHNOLOGYは、動力電池の陽極材料の世界有数のメーカーであることに加えて、ナトリウム・イオン電池企業のトップ10にも属している。

主な製品:

NCM523NCM622NCM811

最新のレイアウト:

 RONBAY TECHNOLOGYは、ナトリウム・イオン電池用のフェロマンガン・プルシアン・ホワイトおよび層状酸化物陽極材料の技術研究開発および生産ライン構築を進めている。関連情報によると、2022年にはトンレベルの生産量を達成できる可能性がある。

   ZOOLNSH

設立日2021121

グローバル本社、中国江蘇省

登記資本金13074960万人民元

会社ウェブサイト http://www.zoolnash.com/

会社概要:

 ZOOLNASHは、ナトリウム・イオン電池の新興企業である。同社は独自の技術ルートで低コスト、ロングサイクルのナトリウム・イオン電池の電気化学システム、構造、システム開発を徹底的に研究。ZOOLNASHは、優れた研究開発能力により、ナトリウム・イオン電池の研究成果の変革において、トップ10のナトリウム・イオン電池企業の最前線に位置している。

主なソルーション:

 新しいエネルギー貯蔵-電気エネルギー貯蔵、通信エネルギー貯蔵、家庭用エネルギー貯蔵、ポータブル・エネルギー貯蔵。光電力-電動二輪車、電動三輪車、電動モペット、電動スクーター。エンジニアリング力-フォークリフト、大型トラック、高所作業車。乗用車-乗用車およびゴルフカート。

関連するレイアウト:

 ZOOLASHの製品は硫酸鉄ナトリウム電池で、高性能陽極材料を調製するための特許取得済みの方法は、多くの下流顧客との戦略的協力に達していると言われており、第一世代の製品は年内に納入される予定である。

⑦ NATRIUM

設立日201858

会社所在地、中国浙江省

資本金1411,700万人民元

会社ウェブサイト http://natriumenergy.cn/

会社概要:

 NATRIUMはナトリウム・イオン電池の技術革新とエンジニアリングに焦点を当てており、市場の需要に導かれて、スマートグリッド・エネルギー貯蔵、電気自動車、分散型エネルギー貯蔵、および化学向けの新世代の電力およびエネルギー貯蔵電池システムの開発、製造、販売を行なっている。特別な目的に使用される電源であり、グリーンで持続可能なエネルギー解決策を提供する。

主な用途と製品:

 ナトリウム・イオン電池前駆体および陽極材料、ナトリウム・イオン電池用電解質、ナトリウム・イオン電池およびナトリウム・イオン電池応用システム製品。

関連するレイアウト:

NATRIUMの主な事業は、ナトリウム・イオン電池用の陽極材料と電解質の研究開発と生産に焦点を当てている。SODIUMは今年、3,000トンの陽極材料と5,000トンの電解質を生産し、今後35年間で段階的に8万トンの陽極材料とサポート電解質の生産ラインを建設する計画である。下流の顧客には、Honeycomb Energyなどが含まれる。陽極材料は製品および技術検証のために複数の企業に供給される可能性がある。

⑧ KISHIDA CHEMICAL

設立日192411

会社所在地、大阪府

資本金5,000万ドル

会社ホームページ http://www.kishida.co.jp

会社概要:

 KISHIDA CHEMICALは日本に本拠を置く化学会社で、同社の事業内容には化学製剤の製造が含まれる。

主な用途と製品:

 研究用薬品、ファインケミカル、分析用試薬、ライフサイエン用試薬、ビルディング・ブロック、イオン液体、有機微量分析用試薬、リチウム・イオン電池グレード、電気二重層キャパシタ・グレード、マグネシウム・イオン電池グレード

⑨ Panasonic Est

設立日1918313

グローバル本社、大阪府

時価総額188,5000億ドル

会社ホームページ https://www.na.panasonic.com/

会社概要:

 パナソニックは、20世紀後半に世界最大の家庭用電化製品メーカーとなり、さまざまな電気製品や電子製品の開発、生産、販売、サービスを行なっている日本の大規模な多国籍複合企業である。パナソニックは、充電式電池、自動車および航空電子システム、産業用システム、住宅改善および建設など幅広い製品とサービスを提供している。その製品は家庭用電化製品、住宅、B2B、自動車に使用されている。車載用リチウム・イオン電池のパイオニアの1つであり、現在、電気自動車用電池メーカーのトップ3に入るパナソニックは、車載用電池事業で新たな段階に入りつつある。

主な製品とサービス:

 リチウム・イオン、ニッケル水素、鉛酸、コイン、ニッケル・カドミウム、リチウムおよびアルカリ技術を含む充電式および非充電式電池。さらに、アモルファス・シリコン太陽電池と民生用電池も提供している。

最近のレイアウト:

 20226月、パナソニックは、テスラに新しい4680円筒型リチウム電池セルのサンプル納入を開始し、量産の準備を開始したことを正式に明らかにした。パナソニックはすでに今年5月に4680個の電池セルの小規模試作を開始しており、202341日に量産稼働を開始し、テスラの予想年間容量10 GWhに供給できるようになる。

⑩ MITSUBISHI CHEMICAL

創業時期1970

グローバル本社、東京、日本

時価総額449,140億ドル

会社ホームページ https://www.m-chemical.co.jp/

会社概要:

 三菱化学グループは、ナトリウム・イオン電池企業トップ10に入る総合企業であり、次の3つの主要部門を通じて幅広い製品を提供している。機能性材料およびプラスチック製品(情報・エレクトロニクス、特殊化学品、医薬品を含む);石油化学製品;炭素と農産物。

主な製品:

 機能性材料およびプラスチック製品(情報・エレクトロニクス、特殊化学品、医薬品を含む);石油化学製品;炭素と農産物。

関連するレイアウト:

 三菱化学は、全固体電池と同様の高エネルギー密度エネルギー貯蔵技術であるナトリウム電池の工業化を精力的に推進している。

 

中国のナトリウム・イオン電池メーカートップ10

 現在、中国では多くの企業がナトリウム・イオン電池を展開しているが、大きく2つに分類できる。1つは新興企業、もう1つはリチウム・イオン電池やその上流原材料の生産に長年携わってきた老舗サプライヤーである。具体的な有力企業とは、以下の中国のナトリウム・イオン電池メーカートップ10(ランキング順不同)である。

1CATL

会社概要:CATLは中国のナトリウム・イオン電池メーカートップ10で第一位、リチウム・イオン電池メーカートップ10のリーディングカンパニーとして20111216日に設立された。同社が発売するナトリウム・イオン電池セルは160 Wh/kgに達し、室温で15分間充電でき、電力は80%以上に達する。-20℃の低温環境下でも90%以上の放電維持率を実現し、システム統合効率は80%以上に達する。

 同社は2023年のナトリウム・イオン電池の工業化促進に取り組んでいる。また、同社は今年第2四半期にQilin電池を正式に発売する予定である。

市場総額:13,2964,300万人民元

会社ウェブサイト:http://www.catl.com//

2Great Power

会社概要:

 Great Power2001年に設立され、登記資本金は42,000万人民元であった。同社は20年以上にわたりリチウム・イオン電池の生産、製造、研究開発に注力しているハイテク企業である。

 同社の事業範囲は、デジタル民生用電池、新エネルギー車両用電池、エネルギー貯蔵電池および光パワー電池、電動工具電池およびその他の分野をカバーしている。新エネルギー産業チェーンの完璧なカバーを完全に実現し、大規模生産の実現を先導し、独立した知的財産権を有し、主要な技術指標は国際先進レベルにある。

 同社はナトリウム・イオン電池(リン酸ナトリウム陽極と硬質炭素系陰極を使用)のサンプルを作成し、ナトリウム・イオン電池の試験段階に入っており、年末までに量産される予定である。

市場総額:406,190億人民元

会社ウェブサイト:http://www.greatpower.net

3Dynanonic

会社概要:

 2001年に設立されたDynanonicは、さまざまな電池および電力用途の開発、生産、販売を行なう、新エネルギーおよび省エネ技術の分野のハイテク上場企業である。

 鉛蓄電池モデルの総数は700を超えている。自動車、建設機械、船舶、二輪車、通信、電気、照明、電気自動車、太陽エネルギー貯蔵などの分野をカバーしている。Dynanonicの主な製品は、オートバイおよびスクーター用の鉛蓄電池スターター電池である。

 昨年、18650個の円筒型ナトリウム・イオン電池の少量の納入が完了し、同社は間もなく量産に協力する予定である。

登記資本金:56740万人民元

会社ウェブサイト:http://www.dynavolt.net.cn

4Greatwall

会社概要:

 China Great Wallは、China Electronics傘下の「安全で先進的で環境に優しい自律型コンピューティング・ハードウェア業界の専門サブグループ」である。2017年、中国万里の長城は、中国長城コンピューター深圳有限公司、長城情報産業有限公司、武漢中原電子集団有限公司、北京盛飛電子システム技術開発有限公司によって設立された。同社は大規模な国有企業であり、中国のインターネットおよび情報産業の技術革新における主導的企業である。

 子会社は2016年にナトリウム・イオン電池産業の展開を開始し、現在、ナトリウム・イオン電池陽極材料の合成・加工技術

やナトリウム・イオンの製造プロセス技術などのキーテクノロジーをブレークスルーしている。電池の発明特許を4件取得している。

市場総額:325,810億人民元

会社ウェブサイト:thhps://www.greatwall.com.cn/

5Sacred Sun

会社概要:

 同社は1991年に設立され、2011年に深圳証券取引所に上場した。現在の支配株主は山東国匯投資有限公司である。市場での地位は中国産業の最前線にあり、同業界では世界的に有名な企業の1つである。

 同社は全国的に認められたエンタープライズ・テクノロジー・センターを備えた国家レベルのハイテク企業であり、50以上の国家および業界標準の策定を主導し、策定に参加している。

 同社は世界市場に向けて電池製品、エネルギー貯蔵システム、統合されたスマート電源ソリューションを顧客に提供している。同社は国際的に有名な中国有数のグリーン・スマートエネルギー統合サービス・プロバイダーである。

市場総額:53.38億人民元

会社ウェブサイト:https://.sacredsun.cn/

6Sunwoda

会社概要:

 Sunwoda1997年に設立され、中国トップ10に入る蓄電池企業の1つで、主にリチウム電池セルとモジュールの研究開発、設計、生産、販売に従事している。

 20年以上を経て、同社はリチウム・イオン電池分野の世界的リーダーに成長し、3C民生用電池、インテリジェント・ハードウェア、電気自動車用電池、エネルギー技術、インテリジェント製造、産業用インターネット、およびサードパーティーのテストサービスの6つの主要産業グループを形成している。

 Sunwodaは、ナトリウム・イオン電池の補充、ナトリウム・イオン電池とその製造に関する多数の特許を所有しており、南開大学と協力して学識者用ワークステーションを設置している。

市場総額:568,010億人民元

会社ウェブサイト:https://www.sunwoda.com/

7CFH Co

会社概要:

 深圳CFH新能力源材料有限公司は深圳証券取引所のGEMに上場されている会社である。同社は20096月に設立され、広東省深圳に本社を置いている。同社はリチウム・イオン電池用のハイエンド・グラファイト、シリコン・カーボン陰極材料、グラフェンおよびその他の新しい炭素材料の研究開発、生産、販売を統合するハイテク企業である。

 この製品は、天然黒鉛や人造黒鉛などの従来の黒鉛陽極材料、グラフェンや炭素繊維などの新エネルギー材料をカバーしている。製品は、新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵発電所、家庭用電化製品、電動工具、電気自動車、その他多くの分野で広く使用されている。

 主な顧客には、トップ10に入る固体電池企業BYDLG New EnergyGuoxuan Hi-TechSamsung SDICATL、その他多くの世界的に有名なリチウム電池企業が含まれる。ナトリウム・イオン電池用に、同社は高性能硬質炭素陰極材料を開発し、現在、関連顧客によってテストされている。

市場総額:69.22億人民元

会社ウェブサイト:http://www.xiangfenghua.com

8Rpnbay Co

会社概要:

 Ronbay Technologyは、リチウム電池陽極材料の研究開発、生産、販売を専門とするハイテク新エネルギー材料業界の多国籍グループ会社である。

 リチウム電池陽極材料業界で20年以上の成功した起業経験を持つ中国と韓国の2つのチームが共同で設立した同社は、2019722日に上海証券取引所科学技術革新委員会に上場し、低コストで優れた電気化学的性能のナトリウム・イオン電池システムと陽極材料を開発している。

市場総額:508,860億人民元

会社ウェブサイト:http://www.ronbaymat.com/

9Dingsheng

会社概要:

 Dingshengは江蘇省鎮江市京口経済開発区に位置している。20038月に法人化され、敷地面積は700,000平方メートルである。20184月にA株に上場した。現在、従業員数は2,600名を超えている。新素材技術をベースとしたアルミニウム加工業の製造、販売を行う民間企業である。

 2020年の電池箔販売量は24,049トン、動力電池電極用アルミ箔の投資能力は5万トンとなる。2020年の年次報告書によると、プロジェクトの建設進捗率は71.17%完了した。

市場総額:308,560億人民元

会社ウェブサイト:https://www.dingshengxincai.com/

10Nanshan Aluminium

会社概要:

 南山アルミニウムは、19991223日に上海証券取引所への上場に成功した。同社は、熱電、アルミナ、電解アルミニウム、溶解、アルミニウム加工を行い、世界で同じ地域で最短距離にある唯一の完全なアルミニウム加工産業チェーンを構築した。鋳造、アルミ形材・熱間圧延・冷間圧延・箔圧延・鍛造、アルミスクラップのリサイクルを行なっている。

 ターミナル製品は、航空、自動車、鉄道輸送、船舶、エネルギー、石油化学製品、コンテナ、工業用プロファイル、高級民生用プロファイル、ハイエンド・システムのドアと窓、コンテナと缶、食品包装、電池フォイル、アルミニウムの深加工、および他の分野。

市場総額:445,750億人民元

会社ウェブサイト:http://www.600219.com.cn/

11Contemporary Amperex Technology Co. Limited

 このビジネスは2011年に設立され、中国福建省寧徳市に拠点を置いている。この事業は、エネルギー貯蔵システム、電気自動車、電池管理システム用のリチウム・イオン電池の製造を専門としている。CATL2022年にハンガリーのデブレツエンに新しい電池施設を建設すると発表した。

12NGK Insulators Ltd.

 この企業は1919年に設立され、本社は日本の名古屋にある。電子部品、工業用セラミックス、環境システム、電気絶縁体の製造・販売を行なっている。日本ガイシの20231月の発表によると、物流実証は26日から名古屋中央卸売市場本店で開始される予定。

 

以下の内容は省略。

 

熱安定性と安全性を高めるナトリウム・イオン電池のトップメーカー

AGM Batteries Ltd

HiNa Battery Technology Co. Ltd

 

BYD, 初のナトリウム・イオン電池工場に着工

 

CATL2023年にナトリウム・イオン電池を量産へ

 

中国企業が電気自動車市場を揺るがす可能性のある革新的な新しい「ナトリウム・イオン」電池を発表

 

Northvolt、新しいナトリウム・イオン電池の画期的な進歩

 

KPIT、リチウム・イオン電池の代替としてインド初のナトリウム・イオン電池技術を導入

 

電池供給者の種類

  リチウム・イオン電池

  非リチウム・イオン電池

 

Thomasで注目の電池メーカーとサプライヤー

会社概要

 Dantona Industries, Inc.

  Tenergy Corporation

  Motion Industries, Inc.

  Hello Bom

  Hollingsworth & Vose Co.

  Airmatic

 

アメリカの売上高トップの電池メーカーとサプライヤー

会社概要

 Motion Industries, Inc

  Hollinasworth & Vose Co.

  Navico Group

  OFS

 Joseph Fazzio, Inc.

  Win Source Electronic Technology Ltd.

  Fastenal

  Marquardt Switches, Inc.

  Graybar Electric Co., Inc.

  U.S. Materials Handling Corp.