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青森が日本で最も寿命が短いと非難される塩と不活動

Salt and Inaction Blamed for Aomori Having the Lowest Life Expectancy in Japan

By J.J. O’Donoghue

The Japan Times  2019.11.29   https://www.japantimes.co.jpより

 

京都-住民の長寿で有名な県で-今年、日本の100歳以上の人口は初めて7万人を超えた-青森県は論外である。それは男女とも青森県は何時も平均寿命で下位にあるからだ。政府の一番最近の統計によると、県の男性の平均寿命は78.67歳、女性は85.93歳である。対照的に、滋賀県の男性は平均して日本一番の長生きで-北の対照県より3年以上長い。長野県の女性は87.68歳の最長寿命である。

 青森県は日本もメンバーである経済協力開発機構に所属している諸国の平均寿命と概ね一致している。しかし、県にある弘前大学の中路重之教授が指摘したように、見出しの数字-この場合、平均寿命-だけに焦点を当てると、全ての年齢層にわたって、県の本当の健康全体像が分らない。“統計値を注意深く見ると、各年齢グループの死亡率は青森県でかなり高い事が分るだろう、”と中路は言った。“これは老人だけに焦点を当てることに意味がない理由である、”と彼は付け加えた。

 少なくとも過去30年間、青森県は日本の他県に近づこうと努力してきており、公衆衛生と同様に幾つかの研究が進行中である。特に、保健当局は青森県人の極端な塩好き-醤油、味噌、バター-を切り離し、もっと運動、もっと野菜、もっと医療相談を含めた生活様式の方向に変えるように努力している。

 

氷山の一角

 中路教授は多分、青森県民の健康状態を一番知っていると思う。2005年に、中路教授はいわき健康促進プロジェクトの立ち上げに協力した。それは健康変数を追跡している情報源の幅広い範囲から抽出したデータを使っている。“我々がコレステロールまでに知っていることは氷山の一角に過ぎない;我々は問題全体の10%しか理解していない、”と中路教授は言った。中路教授によると、これまで研究が示してきたことは-予想されるように-生活様式が寿命と関係している。“我々がこれまでに分っていることは、喫煙、飲酒、運動不足、塩の過剰摂取を含め全ての不健康な生活様式が健康に影響を及ぼすことである。他の90%は気候、文化、教育、収入…に関する問題で、生活様式の習慣はこれらの問題の上位にある、”と中路教授は付け加えた。いわき健康促進プロジェクトを通して、中路教授はその90%をもっと理解するように努めてきた。

 青森県疾患予防に関連したガンと生活様式部のYukako Tatedaによると、県は男性喫煙者で二番目に高い喫煙率-36.5%-で、同様に男性の習慣的なアルコール摂取量でも最高である。また、人がどれくらい運動しているかの指標である1日当たり歩く歩数については男性で国の46位である。青森県を低位から浮上させるために、人々に禁煙するように言うほど簡単ではない、と中路は言った。“状況を変えることは難しく、我々にそんなことを言うことは無責任であろう。”

 

減塩

 政治家や保健当局が結束してきた1つの問題は、青森県人がどれくらい塩を使い、実際にどれくらい必要とするのかを考えるために青森県に人を集めることである。初めは青森市に住み、今では京都に住んでいる69歳のHisao Nishimuruは、大学のために関東地方に移住したとき、大学食堂で昼食中に彼は注目の的となったことを思い出す。“私はほとんどの料理に醤油を掛けて使った。とうとう友人が遠慮なく使い過ぎだと注意した。”青森で育ったNishimuraが説明したのは、彼の家族が使っていた2つの主な調味料は塩と醤油であった。“我々は何にでも醤油をかける-漬物のような塩辛い食品でも。”青森県の長く厳しい冬も理由を説明しているかも知れない。つまり、非常に塩分含有量の高い他の製品であるインスタント・ヌードルを食べるようになったとき、青森県は日本の他の地域を上回るようになった。

 しかし、住民に減塩するように納得させられたとき、青森県は進歩した。2006年から2010年の間に、男性の1日当たり平均塩摂取量は日本で二番目に高い13 gとなり、一方、女性は国で5番目に高い10.9 gとなった。国民健康・栄養調査によると、2016年に男性で11.3 g/d、女性で9.7 g/dに低下した。その値はまだ2015年の男性で8 g/d、女性で7 g/d以下にする国の目標値よりも高いが、青森県は正しい方向に向かっている。減塩により青森県の保健当局は心臓発作、脳卒中、ガンによる死亡や疾患を減らせると希望を持っている。

 

ビッグデータ

 弘前大学の健康加齢改革センターの中路教授とそのチームは青森県住民の総合的な健康の全体像を得て、健康状態を改善ずる方法として大きな意味でデータを調べた。いわき健康促進プロジェクトを通して、彼等は、趣味、他人との会話時間、腸内細菌、そしてゲノム解析さえも含めて、睡眠、食事そして作業習慣を含む数百件の変数にわたって数千人の青森県人を調査してきた。行う必要のあるデータを通してまだ著しい精査量があると中路教授は言ったが、結局、彼等に健康問題をより良く理解させるのに役立ち、痴呆や若くして起こる生活様式疾患のような疾患を検出するにも役立つと彼は信じている。青森県中に学校や職場は健康警告についての問題に取り組める領域であると中路教授は説明した。これまでに約100校の小学校と中学校が生徒に基本的な健康知識と言葉を教える保健教育クラスのために登録した。

 “基本的な事のように聞こえるが、寿命を長くするために、子供達は健康上の問題について知り、理解する必要がある、”と中路教授入った。意図が、青森県が実行する予定の計画を測定する尺度であれば、見通しは明るい。県内のビジネスと会社を引き寄せる健康への取り組みがあり、6月までに県内の40自治体全てが健康状態と健康警告を改善するために県内広く“健康宣言”に調印した。“協力を通して社会を変えていくことに私は真剣である。そうでなければ、人々は健康になれない。我々は青森県人が短命であると言う汚名を破れない、”と中路教授は言った。