世界最大のナトリウム電池とAIベンチマーク:
今週のグローバル・イノベーション・ニュース
The World’s Largest Sodium Battery and AI Benchmarks :
This Week’s Global Innovation News
By Team IO
https://innovationorigins.com/ 2024.07.03
最新のイノベーション・ニュース、重要な投資、感動的なストーリーなど、この毎週のシリーズでは、世界中の最も興味深いイノベーション・ニュースを届ける。毎週、最も有望なスタートアップ、研究、テクノロジーのトレンドの詳細を掘り下げる。
1.世界最大のナトリウム・イオン電池が稼働開始
中国の国営企業である大唐集団は、100 MWhのナトリウム・イオン電池を送電網に接続し、稼働中の電池としては世界最大規模になったと発表した。湖北省銭江市にあるこの蓄電池は、ナトリウム・イオン電池蓄電システムの商業化における新たな段階を示すものである。このプロジェクトは、より大規模な200 MWhの設備の第一段階である。
ナトリウム・イオン電池の供給元であるHiNa Batteriesは、この電池は毎日1万2000世帯のニーズを満たし、年間1万3000トンのCO2排出量を削減できると述べた。プロジェクト・マネージャーのCui Yongleによると、ナトリウム・イオン電池は低温下での稼動効率が優れているという。
2.アメリカン航空が水素電気エンジンに投資
航空会社のアメリカン航空は、水素燃料飛行にさらに力を入れている。実際、アメリカン航空は今週初め、リージョナル・ジェット機に搭載されるZeroAvia水素燃料航空機エンジンを100台以上購入すると発表した。この航空会社は、ZeroAviaへの投資も増やし、シリーズCの資金調達ラウンドに参加した。
ZeroAviaは燃料電池で動く水素電気の商用航空機用エンジンの開発に取り組んでいる。現在、同社は20席の飛行機の試作品をテスト中である。さらに、アメリカン航空が一部の地域路線で使用しているボンバルディアのCRJ700などの大型飛行機用のエンジンも設計している。
3.新世代のAIベンチマークへの資金提供
生成AIモデルClaudeの開発元であるAnthropicは、自社のモデルを含むAIモデルの影響とパフォーマンスを評価するための新しいベンチマークの開発に資金を提供するプログラムを立ち上げている。このプログラムは、AI機能を効果的に測定できるサードパーティー組織に資金を提供する。「これらの評価への当社の投資は、AIの安全性の分野全体を向上し、エコシステム全体に利益をもたらす貴重なツールを提供することを意図している。」と同社は自社ウェブサイトのブログ投稿を描いている。
現時点では、AIシステムには効率的なベンチマーク・システムが欠けている。TechCrunchによると、現在のベンチマークでは、人がシステムをどのように試用しているかを効果的に把握しておらず、gen-AIのベンチマークでは、本来測定すべきパラメーターを測定できているかどうか疑問視されている。そのため、Anthropicは責任を持ってモデルの開発と展開を継続するために、AIのセキュリティと社会的影響に焦点が当てた高レベルで挑戦的なベンチマークを求めている。
4.グリーンディールからグリーン成長ディールへ
欧州人民党(EPP)は欧州議会で過半数の議席を獲得し、Ursula on der Leyenは欧州委員会委員長として2期目の任期を確保した。同党は過半数獲得に向けて取り組んでいるが、すでに新任期に向けた優先事項の草案では、同党は気候変動対策と自然保護への取り組みを継続しつつも縮小することも考えている。
5項目の計画は、化石燃料からクリーン・エネルギーへの移行という、現在の2030ネント2050年の脱炭素化目標に対するEUのコミットメントを再表現するものである。しかし、この文章は、グリーン・トランジッションの経済的競争力とエネルギー安全保障の側面を強調し、「グリーンディールを継続して実行し、グリーン成長ディールに変える」湖とを提案している。
さらに、この草案は技術中立の原則を強調しつつも、水素生産の拡大、小型モジュール原子炉に関する同盟、炭素回収への投資などの取り組みに言及している。EPPはまた、燃焼エンジンの禁止を改正する意向も表明している。
5.2024年上半期。スペインの電力のほぼ60%が再生可能エネルギーから発電
グリーン・トランジッションについて言えば、スペインの送電網運営会社
Redeiaの数字によると、スペインは昨年の51%から60%近く再生可能エネルギーから電力を発電している。具体的には、風力発電所の出力が総発電量の24.4%、太陽光発電所が16.3%、水力発電ダムが総発電量の15.9%を占めている。スペインは10年末までにエネルギーの80%を再生可能エネルギーから生産することを計画しており、原子力も総発電量の18.6%を占めており、今年の上半期に同国がほぼ80%の炭素フリー電力を発電したことになる。