革新的なナトリウム電池はリチウム・イオン電池の4倍の容量を持っている
Revolutinonary Sodium Battery Has Four Times the Capacity of Lithium-Ion Batteries
https://www.innovationnewsnetwork.com/ 2022.12.29
エネルギー貯蔵技術の画期的な進歩において、国際的な研究達のチームは、リチウム・イオン電池の4倍のエネルギー容量を誇る高度なナトリウム電池を開発した。
シドニー大学の専門家達が率いるこのプロジェクトはリチウム電池と比較してエネルギー貯蔵容量が大幅に増加しているだけでなく、はりかに安価な新しいナトリウム電池を設計した。電池の革新は、脱炭素経済への移行において極めて重要な役割を果たす可能性がある。
研究「高性能室温ナトリウム硫黄電池のための記録的な高硫黄質量負荷を伴う原子分散デュアルサイトカソード」がAdvanced Materialsに掲載された。
エネルギー貯蔵のニーズは指数関数的に増加している
地球が気候中立を達成するためにより環境に優しいエネルギー源を採用することを目指して努力するにつれて、高度なエネルギー貯蔵技術の開発が重要になる。クリーン・エネルギー評議会からの最近の報告によると、2021年のオーストラリアでは、国の電力の32.5%がクリーン・エネルギー源からであった。オーストラリアの電池市場に関するさらなるレポートも、家庭用エネルギー貯蔵が増加していることを示唆しており、2021年には記録的な33,000個の電池が設置された。
これまでで最も強力なナトリウム電池を開発
この新しい電池は、海水から処理できる溶融塩であるナトリウム硫黄を使用して製造されているため、リチウムを調達するよりもはるかに安価である。ナトリウム硫黄電池は50年以上前から存在しているが、エネルギー容量が低く、ライフサイクルが短いため、広く使用されることはなかった。これらの制限を克服するために、研究者達は単純な熱分解プロセスと炭素ベースの電極を使用して、硫黄の反応性と硫黄とナトリウムの間の反応の可逆性を高めた。これにより、常温での超大容量と超長寿命を誇るナトリウム電池を実現した。
ナトリウム電池は、ほとんどの電子機器で使用されており、製造とリサイクルに費用がかかるリチウム・イオン電池の、よりエネルギー密度が高く、毒性の低い代替品である。この電池は、送電網を含む運用コストを削減する大規模な再生可能エネルギー貯蔵システムの高性能な代替品として設計されている。
同大学の化学・生体分子工学部の研究リーダーであるShenlong Zhao博士は「当社のナトリウム電池は4倍の貯蔵容量を提供しながら、コストを劇的に削減する可能性を秘めている。これは再生可能エネルギー開発にとって重要なブレークスルーであり、長期的にはコストを削減するものの、参入はいくつかの財政的障壁があった。
「太陽が輝いておらず、そよ風が吹いていないときは、地球にコストをかけず、地域または地域レベルで簡単にアクセスできる高品質の貯蔵解決策が必要である。コストを削減する技術を提供することで、クリーン・エネルギーの地平線に早く到達できることを願っている。脱炭素化が早ければ早いほど、温暖化を迎える可能性が高くなる。
「海水から処理できるナトリウムなどの豊富な資源を使用して製造された貯蔵解決策も、より大きなエネルギー安全保障をより広く保証し、より多くの国が脱炭素化への移行に参加できるようにする可能性を秘めている。」
ナトリウム電池はシドニー大学の化学工学施設でのテストに成功しており、チームはAhレベルのポーチセルの改良と商品化を目指している。