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脱水と塩分の摂取に対する生理学的反応についての新たな理解

New Understanding of the Physiological Response to Dehydration and Salt Intake

By RI-MUHC

https://healthenews.mcgill.ca/     2023.11.24

 

 Journal of Neurocscienceに掲載された新しい研究で、マギル大学ヘルスセンター研究所の科学者達はNaXと呼ばれるイオン・チャネルタンパク質が、抗利尿ホルモンバソプレシンを放出するニューロン内で生理学的ナトリウム・センサーとして機能していることを明らかにした。

 脳修復統合神経科学プログラムのCharles Bourque博士率いるチームは、ナトリウム・イオンの血中濃度が上昇すると、NaXタンパク質がこれらのバソプレシン放出ニューロンの電気的興奮を引き起こすことを発見した。血液中のナトリウム濃度の上昇は、脱水中、または大量のナトリウムを摂取した後に発生する。これらの条件下でNaXによって引き起こされるバソプレシン放出ニューロンの興奮は、重要な恒常性反応として腎臓に水を節約するように指示する。

 「ナトリウムを介したバソプレシンの放出は十分に確立された生理学的反応であるが、これが実際に起こるメカニズムは不明であった。」とBourque教授は言う。「これまでの研究では、NaXタンパク質が脳の他の部分でナトリウム・センサーとして機能できることが示されていた。この研究では、NaXチャネル・タンパク質が視索上核のバソプレシン放出神経分泌細胞で発現しているかどうか、またそれが細胞外ナトリウム濃度の増加に応じた細胞の電気的興奮を媒介する役割を果たしているかどうかを調べたいと考えた。

 バソプレシンは血液中のナトリウム濃度が上昇すると分泌される。塩辛い食事や汗をかいたトレーニング後は、バソプレシンが体内の電解質バランスを維持する鍵となる。腎臓による水の再吸収を促進し、血中ナトリウム濃度を希釈して平衡化し、血液浸透圧を望ましい範囲に維持する。浸透圧調節として知られるこの重要な生理学的反応は、バソプレシンの過剰な放出によって混乱する可能性があり、血圧の上昇、さらにはナトリウム依存性高血圧を引き起こす可能性がある。

 「この研究では、NaXタンパク質がバソプレシン・ニューロンによって発現されることを示した。」とこれらの出版物の筆頭著者であり、この研究当時はBourque教授の研究室の博士課程の学生であったSandra Salgado-Mozoは述べている。「また、血液中のナトリウム濃度が上昇したときに、NaXタンパク質がこれらの細胞の興奮を媒介する重要な役割を果たす高血圧、糖尿病、または心臓疾患も示した。」

 研究結果は、NaXチャネルがバソプレシン・ニューロンにおいてナトリウム・センサーとしてどのように機能するかだけでなく、これらのニューロンの内因性感覚特性が生体内での恒常性活性化に寄与していることも明らかにした。

 「今後、さらなる研究でヒトにおけるNaXチャネル・タンパク質の役割を検証する必要がある。」とBourque教授は付け加えた。「我々の研究は、体液の電解質バランスと高血圧、特にナトリウム依存性高血圧の原因に興味ある研究者や医師にとって興味深いものになると期待している。」