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研究者達は高血圧患者に対する塩代替品の使用に関する

正式な指針を求めている

Researchers Call for Formal Guidance on Salt Substitute Use for People with Hypertension

By Regina Schaffer

https://www.healio.com/      2024.01.31

 

重要なポイント

  新しいレビューでは、高血圧症のほとんどの人がカリウムを豊富に含む塩を使用することを推奨している。

  研究者達は、塩代替品の使用に関する正式な臨床ガイドラインを求めた。

Hypertension」誌に掲載されたレビューによると、カリウムを強化した塩代替品は、高血圧の人が長期的にナトリウム摂取量を減らすための実行可能な方法であるが、塩代替品の使用に関する臨床ガイドラインが不足しているという。

「カリウムを豊富に含む塩の利点については強力な証拠があるが、使用されことは非常にまれである。」とオーストラリア・ジョージ・グローバル・ヘルス研究所の医学教授でエグゼクティブ・ディレクターであるBruce NealHealioに語った。「臨床医が患者に推奨していないことが、摂取問題の重要な部分である。このレビューの根拠は、現在のガイドラインのアドバイスの概要を臨床医に提供し、アドバイスをどのように更新する必要がある科を特定し、ガイドラインの更新に推奨される標準的な文言を策定できるようにし、ガイドラインの更新の可能性を強調する機会を提供するものであった。カリウムを豊富に含む塩を臨床試験界に提供する。

 

高血圧の簡単なスイッチ

 カリウムが豊富でナトリウムが削減された塩代替品、またはカリウムが豊富な塩は、食品の味付け、保存、製造に通常の塩の直接の代替品として使用できる製品である。カリウムが豊富な塩は、通常の塩の塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに置き換えることによって作られる。

 「場合によっては、硫酸マグネシウムなどの他の非カリウム代替品も添加されることもある。」と研究者達は「Hypertension」に書いている。「カリウムを豊富に含む塩のナトリウム含有量は0100%の範囲である。」

 研究者達は、高血圧患者において通常の塩をカリウムの豊富な塩に置き換えることを裏付ける証拠があり、誤用のリスクを管理できる一部の人々に塩代替品を推奨する「根拠もある」と指摘した。

 このレビューによると、現在の臨床ガイドラインでは、カリウムを豊富に含む塩代替品の使用や、食事によるナトリウム摂取量の削減と食事によるカリウム摂取量の増加について、不完全で一貫性のない推奨事項が示されている。

 「ほとんどの心臓病患者はナトリウム摂取量を減らすことで恩恵を受けるであおる。」とNealHealioに語った。「多くの人は減塩するようにアドバイスを受けるが、食事から塩分を減らすのは非常に難しいため、減塩を達成できる人はほとんどいないことを心臓専門医は知っている。なぜなら、塩味の少ない味を受け入れるだけでなく、調理、購入、食事の習慣を変えるだけで済むため、長期的に継続することができる。患者は同じ量を同じ方法で使用でき、見た目もまったく同じである。ほとんどの人は味の違いに気付かないであろう。

 心臓専門医は、患者が遵守できる可能性が高く、血圧を下がり、将来の心血管リスクが低下する可能性が高い減塩介入を始めて実現した。」とNealHealioに語った。

 

塩代替品は誰にでも適しているわけではない

 Neal博士は、心臓専門医は進行した腎臓病の患者や、血中カリウムを上昇させる他の薬を服用している患者には、カリウム富化塩の血圧降下効果が高カリウム血症のリスク増加によって相殺される可能性があるため、カリウム富化塩を推奨すべきではないと警告した。

 このレビューの中で研究者達は、食事における塩代替物の使用に関するガイダンスとして、「推奨される標準的な文言」を提供している。「進行した腎臓病がある場合、カリウム・サプリメントを使用している場合、カリウム保持性利尿薬を使用している場合、または別の禁忌がある場合を除き、塩化ナトリウム75%、塩化カリウム25%の組成を持つカリウムが豊富な塩をすべての高血圧患者に推奨する必要がある。」と述べられている。

 Nealは、カリウムを豊富に含む塩が血圧や厳しい臨床転帰に及ぼす影響は「ほぼ照明されており」、すでに数万人が参加している大規模試験が完了していると述べた。

 「現在、主要な研究課題は、どのようにして研究を実践に移し、世界中で大規模に普及させるかということに関係している。とNealHealioに語った。「一般集団における高カリウム血症のリスクに関連する安全性の懸念にどのように対処するかを定義する研究は、ナトリウム摂取量を減らすと、加齢に伴う血圧上昇が緩和され、高血圧ではない患者の高血圧の発症を防ぐことができる可能性があるので、カリウム富化塩の使用を一般集団に拡大するのにも役立つ。

 Healioが以前に報告したように、2021年のヨーロッパ心臓病学会で発表された塩代替品と脳卒中研究のデータは、中国農村部の脳卒中既往歴または脳卒中リスクの高い成人を対象とした大規模試験で、通常の塩から塩代替品に切り替えると、脳卒中、主要な心血管イベント、死亡のリスクが減少したことを実証した。約21,000人の成人を平均4.74年間追跡調査した結果、通常の塩と比較して塩代替品を使用した場合の脳卒中発生率が14%低かった。