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ナトリウム・イオン電池対リチウム・イオン電池 - 

ナトリウム・イオン電池がより良いか?

Sodium Ion vs Lithium Ion Battery – Are Sodium Batteries Better?

By Grepow

https://www.grepow.com/ より   2021.09.01

 

 最近、「ナトリウム・イオン電池」のニュースが再び我々の視野に入り、電池業界に新たな熱狂の波を引き起こした。ナトリウム・イオン電池は将来の希望であるとある人々は言い、これはテクノロジー詐欺であると他の人々は言う。何が起こっているのか?ナトリウム・イオン電池が既存のリチウム・イオン電池やリチウム・ポリマー電池と置き換わるか?今日は、その理由を説明しよう。

 

ナトリウム・イオン電池とは何か?

 事実として早くも1980年代にナトリウム・イオン電池に関する研究は既に始まっていた。例えば、MoS2TiS2NaxMO2のような初期に設計開発された電池材料は優れた電池化学的性能を持っておらず、開発は非常にゆっくりである。

  この回路図はナトリウム・イオン電池の機能を示す。リチウムの高コストと希少性

  は特にエネルギー貯蔵の将来のニーズを満たすために、リチウム・イオン電池の

  代替品を開発するための研究を推進している。(Purdue University image/Vilas Pol)

 ナトリウム・イオン電池は二次電池の一種で、リチウム・イオン電池の作動原理と同様に作動するために陽極と陰極間のナトリウム・イオンの移動に主として依存している。私が述べたように、ナトリウム電池もリチウム電池も過去2年間に発見されなかった。これら2つの電池は1980年代には等しく人気があると言われたが、様々な理由のために何時しかナトリウム電池は消えた。人々の展望を改善するために。

 元素周期表でナトリウムとリチウムは同じグループで近接した金属原子であり、それらの化学的性質は非常に似ている。電池の最外殻層で使われる電子数は全く同じである。充放電反応でリチウム・イオン電池とナトリウム・イオン電池の輸送能力も同じである。

 どうして「ナトリウム・イオン電池」は直接販売から消えたのか?技術が未熟だからか?実際にはそうではない。ナトリウム・イオン電池の技術的な原理は長い間に成熟してきて、当時、完全なシステムが形成された。これら2つの電池技術の両方とも電化輸送体として金属イオンを使っている。この輸送工程で、電荷は金属イオンを運び、電池の充放電を実現させるために陽極と陰極間を移動する。2つの移動効率の観点から、充放電反応で運ばれる電気量は同じであるから、移動効率も同じである。

 

ナトリウム・イオン電池の利点

 ナトリウム・イオン電池で使われる電極材料は主にナトリウム塩で、それはリチウムよりも多くあって安い。ナトリウム・イオンはリチウム・イオンよりも大きいので、重量とエネルギー密度が高い要件ではないときに、ナトリウム・イオン電池はコスト効果のある代替物となる。リチウム・イオン電池と比較して、ナトリウム・イオン電池は次のような利点がある:

1. ナトリウム塩の原料は豊富で、価格は安い。リチウム・イオン電池の3成分陽極と比較して、鉄-マンガン-ニッケル・ベースの陽極材料が使われ、原材料費は半減する;

2. ナトリウム塩の特性のため、コスト低減のために低濃度電解質(電解質と同じ濃度で、ナトリウム塩の導電率はリチウム電解質のそれよりも約20%高い)を使える;

3. ナトリウム・イオンはアルミニウムと合金を作らないで、アルミニウムホイルが陰極用の電流収集器として使え、そのことはさらにコストを約8%減らせ、重量を約10%減らせる;

4. ナトリウム・イオン電池は過充電特性がないので、ナトリウム・イオン電池は0ボルトまで放電できる。ナトリウム・イオン電池のエネルギー密度は100 Wh/kgよりも高いので、そのことはリン酸鉄リチウム電池に匹敵するが、そのコスト・メリットは明らかで、大規模でエネルギー貯蔵の従来の鉛蓄電池に置き換えられると期待される。

 現在、新エネルギー自動車の主要コスト源の1つは電池である。ナトリウム・イオン電池の幾つかの利点はコストに関連している。将来、新エネルギー自動車の総合コストを減らすことが期待されており、その利点も非常に明らかである:低エネルギー密度

 

エネルギー密度:ナトリウム・イオン電池対リチウム・イオン電池

 同じ重量条件下でナトリウム・イオンとリチウム・イオンの体積と質量に関しては、ナトリウムの体積はリチウムの3倍以上であり、つまり、ナトリウム・イオンの直径の方が大きく、エネルギー密度はリチウム・イオン電池のそれよりもずっと低い。

 データから我々はインターネットで見たが、現在のナトリウム・イオン電池のエネルギー密度は約80 – 100 Wh/kgである。2017年に150 Wh/kgのナトリウム・イオン電池が開発された。最近、様々な空間圧縮法が使われてきて、新しいエネルギー自動車計画用のナトリウム電池とリチウム電池の直列および並列結合のハイブリッド設計は電池のエネルギー密度を約160 Wh/kgまで上手く減らせた。正直なところ、リン酸と比較される。リン酸鉄リチウム電池(LiFePO4)に匹敵し、エネルギー貯蔵分野で鉛蓄電池市場に置き換わると期待されている。

 それにもかかわらず、リチウム・イオン電池はナトリウム・イオン電池よりもエネルギー密度が高く、小型軽量である。これが、ナトリウム・イオン電池がリチウム・イオン電池より本質的に劣っているところである。

 

リチウム・ポリマー電池の利点

エネルギー密度

 対照的に、Grepowのリチウム・ポリマー電池は268 Wh/kgの単一エネルギー密度に達し、その三成分リチウム電池(NMC811)275 Wh/kgに達した。回数は500回のレベルに達した。

超高速充電技術

 ナトリウム電池の技術革新の観点と充電の観点から、ナトリウム・イオン電池は室温でわずか15分で80%以上充電できる。現在のGrepowのリチウム電池技術で、ポリマー・リチウム電池は最大5Cの超高速充電レベルに達することもできる。それはナトリウム電池の充電時間と同じではなく、高速リン酸鉄リチウム電池は約20分で充電できる。80%以上は全く問題ない。

 

形状を自由に設計

 さらに、ソフトパック・ラミネート法で製造されたポリマー・リチウム電池には、重量、形状、サイズの点で利点がある。

 現在の市場状況から判断すると、ナトリウム電池の実際の用途はリチウム電池よりはるかに劣っており、市場志向のため、ナトリウム電池はリチウム電池に遅れを取っており成熟した産業チェーンを欠いている。初期費用はリチウム電池よりもはるかに高くなる。

GREPOW shaped batteries

        GREPOW型電池

 

結論

 これらの長所と短所とは対照的に、ナトリウム電池には巨大な市場があり、新エネルギー車やエネルギー貯蔵産業の人気により、従来の鉛蓄電池市場に取って代わることが期待されている。コバルト、ニッケルおよび炭酸リチウムの価格は絶えず上昇している。市場条件の台頭下では、ナトリウム塩は大きな利点と言える。しかし、リチウム電池の特性と利点を否定することはできない。少なくともこれから30 – 50年内にリチウム電池はドローン、スマートウェアラブル、医療および産業業界の主流電池の1つである可能性がある。