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ナトリウム･イオン対リチウム・イオン電池：

より良い代替品はどれか？

Sodium-Ion vs. Lithium-Ion Battery: Which Is a Better Alternative?

By Sanket Chipade

https://www.gep.com/      2023.02.02

〇　ナトリウムは、いくつかの国で入手可能なリチウムよりも500倍以上豊富に含まれている。

〇　ナトリウム･イオン電池は、リチウム・イオン電池よりも充電が速く、ライフサイクルが3倍長くなる。

〇　しかし、ナトリウム･イオン電池には確立された原材料のサプライチェーンが不足しており、この技術はまだ開発の初期段階にある。

リチウムは電池製造において最も一般的な元素であり、中国が世界のリチウム・イオン電池サプライチェーン(全リチウム・イオン電池の79％)を支配している。中国はまたは、蓄電池や電気自動車に使用される世界のリチウム精製能力の61％を支配している。

次の大きな供給国はアルゼンチンで、世界の鉱床の21％を占め、原料採掘に絶大な力を与えており、13件のプロジェクトが提案され、さらに数十件が進行中である。

リチウム・イオン電池は、コバルトやリチウムなどの希少で高価な元素から作られている。電池需要の高まりを受けて、リチウム価格は2021年以降700％以上上昇した。リチウム・ベースの電池も同様に、送電網のエネルギー貯蔵に対する増大する需要を満たすことが困難になるであろう。技術企業は、従来のリチウム・イオン電池に代わる代替品を探している。

ナトリウム･イオン電池技術対リチウム・イオン電池技術

　ナトリウム･イオン電池は、現在、最も広く使用されているタイプの充電式電池であるリチウム・イオン電池の有望な代替品である。どちらのタイプの電池も、使用するイオンの種類が異なる。

　リチウム・イオンおよびナトリウム･イオン電池のコンポーネントを調べると、2つの電池の主な違いは正極材料の性質であることが分る。原料から正極を作製するコストはどちらのタイプの電池技術でも同じであるため、ナトリウム･イオン電池の主なコスト削減は原料によるものである。

　ナトリウム･イオン電池はさまざまな利点があるため、エネルギー業界の大手企業はこれらの技術の取得と開発に投資している。例えば、イギリスの電池技術会社であり、ナトリ

ウム･イオン電池のイノベーターであるFaradionは、最近、Reliance Industriesの子会社であるReliance New Energy Solarに1億3,500万ドルで買収された。

ナトリウム･イオン電池への挑戦

　このような利点にもかかわらず、ナトリウム･イオン電池の製造は、リチウム・イオン電池の代替品として広く採用される前に、いくつかの課題を克服する必要がある。

〇　電池に使用される材料の確立されたサプライチェーンの欠如。

〇　これらの技術はまだ初期段階であるため、この分野で事業を展開している企業はほとんどなく、電池のコストが高くなっている。

〇　ナトリウム･イオン電池を製造する技術はまだ開発の初期段階にある。

〇　ナトリウム･イオン・ベースの電池は、角形、円筒形などのさまざまな形状に加工できないため、柔軟性に限界がある。

〇　これらはリチウム・ベースの電池に比べて密度が低く、貯蔵容量が小さくなる。

〇　既存のナトリウム･イオン電池のサイクル寿命は5,000回で、市販のリン酸鉄リチウム・イオン電池のサイクル寿命である8,000～10,000回に比べて大幅に低い。

ナトリウム・ベース電池はリチウム・イオン電池に置き換えられるか？

　ナトリウム･イオン電池を使用することには、リチウム・イオン電池に比べて多くの潜在的な利点があるが、代替品として広く採用される前に克服する必要のある課題も幾つかある。

　ナトリウム･イオン電池がエネルギー貯蔵産業の基幹となるには、その技術的性能を向上させ続けなければならない。研究者は電池の性能と安定性の向上、およびコストの削減に取り組んでおり、企業は電池に使用される材料のサプライチェーンの確立を目指している。