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塩は乳ガンには推奨されない

Salt Is Not Recommended for Breast Cancer

https://foodforbreastcancer.com/     2023.10.30

 

 塩(塩化ナトリウム)は必需品であるが、アメリカの消費者が塩分やナトリウムが不足することはほとんどない。我々の食事には塩分が多く含まれており、その大部分は加工食品、ファーストフード、レストランでの食事に由来する。塩摂取量の増加は、大多数の人において血圧上昇と相関しており、その結果、心臓病や脳卒中が促進される。

 塩の摂取はインスリン抵抗性やメタボリック・シンドロームの原因とも疑われており、それ自体が乳ガンのリスク増加と関連している可能性がある。塩摂取量が多いと、膵臓ガンのリスクが高まることが分っている。中国では、塩分濃度の高い食品(発酵大豆製品、野菜の漬物、保存塩漬け野菜、塩辛魚など)の摂取も、卵巣ガンや前立腺ガンのリスク増加と関連していることが分っている。塩漬け魚の摂取は、胃ガンだけでなく鼻咽頭ガン、結腸直腸ガンのリスクを高めることがいくつかの研究で示されている。ある南米の研究では、塩摂取量が増えると食道ガンのリスクが高まることが分かった。

 

塩摂取によるガン関連の影響

 調味料、スナックを摂取するときに発生する。これらの食品は消化管に直接作用し、胃ガンを引き起こすことが多くの研究で示されている。関係する食品には、干物および塩蔵の魚介類、発酵/漬物、魚醤、キムチ、塩蔵保存野菜、塩蔵発酵味噌、塩蔵魚の保存食、塩蔵魚卵、塩蔵肉、塩蔵エビペースト、塩味スナック、塩味スープが含まれる。上記の食物の多くはアジア料理である。アジアでは胃ガンの発生率が比較的高いため、その原因の究明に大きな関心が寄せられている。しかし、ヨーロッパと南米の研究でも、塩分の多い食品と胃ガンとの関連性が発見されていることに注意する。

 

塩摂取による乳ガン関連の影響

 ある研究では、塩分の多い食事は思春期の早期発症をもたらし、その後の乳ガンのリスクが増加する可能性があると仮説を立てた。別の研究では、ホルモン受容体陽性およびトリプルネガティブの乳ガン細胞が、高濃度の塩に曝露されるとより高い腫瘍原性を発揮することが報告された。同じ研究では、高塩分が乳ガン細胞の化学療法薬タキソールに対する耐性を誘発することが分った。2020年のある研究では、塩分の多い食事が乳ガンの転移を促進し、その進行を加速させる作用機序が説明されている。

 2023年の研究では、乳ガンの動物モデルにおいて高塩食が腫瘍開始幹細胞の増加を誘導し、それによって乳ガンの進行が促進されたことが報告された。

 

追加コメント

 亜硝酸ナトリウムとその関連化合物は、加工肉やその他の塩辛い食品の鮮度や色を保つために日常的に添加されている。亜硝酸ナトリウムは胃の中で化学物質と反応して、発ガン性があることが知られているニトロソアミンを生成することが分っている。しかし、塩摂取によるガン関連の影響は亜硝酸ナトリウムの存在に依存しない。この発ガン物質は、それを含む塩辛い食品のガン・プロファイルを悪化させるだけである。

 ヨード欠乏症は、世界中で見られる予防可能な精神遅滞の主な原因である。ヨード添加塩は、この欠乏症を防ぐように設計されている。