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塩と運動:塩が運動に不可欠な理由

Salt and Exercise: Why Salt Is a Essential Part of Your Workout

https://www.fitnessfirst.co.uk/より   2022.04.06

 

 塩はここ数年、熱い議論の中心となっている。塩の摂り過ぎは体に悪いということは誰もが知っている。これについては、後ほど詳しく取り上げる。また、推奨される1日の塩摂取量を超えると危険になることはますますよく知られるようになっているが、体内の塩分が少なすぎると危険になる可能性があることに気付いていない人は多くいる。

 塩と運動について情報に基づいた判断を下せるよう、当社の常駐栄養士兼パーソナル・トレーナーに、塩がトレーニング計画で果たすべき役割と、塩について伺った。では、塩に関する確かな事実を早速見ていこう…

 

なぜ塩は体に悪いのか?

 塩分を摂り過ぎると、体や細胞内に余分な水分が蓄えられる、血圧が上昇する。塩分を多く摂れば摂るほど、血圧は高くなる。高血圧は心臓に大きな負担をかけるだけでなく、動脈、腎臓、脳にも影響を及ぼす。高血圧が長距離続くと、脳卒中、心臓発作、腎臓病、さらには認知症につながることもある。

 

しかし、塩分はなぜ体に良いのか?

 ナトリウムは罠に陥ることになる体の機能にとって非常に重要であり、塩はナトリウムの重要な供給源である。塩は、常に微妙なバランスで保たれている体液の濃度を調節するのに役立つ。塩は、細胞が必要なすべての重要な栄養素を吸収するのを助け、また、健康な筋肉と神経の活動にも必要である。しかし、過剰摂取を避けるために、塩摂取量を注意深く監視する必要がある。

 1日に摂取すべき塩の量は、年齢によって異なる。以下は国民保健サービス(NHS)の推奨ガイドラインである:

  成人(および11歳以上の子供)は、1日に6 gを超える塩を摂取しない。これは約小さじ1杯に相当する。

  710歳の子供は1日に5 g以下の塩分を摂取すべきである

  46歳の子供は1日に3 g以下の塩分を摂取すべきである

  13歳の子供は1日に2 g以下の塩分を摂取すべきである

  1歳未満の赤ちゃんは1日に1 g以下の塩分を摂取すべきである。母乳で育てられた赤ちゃんは必要な塩分を摂取でき、粉ミルクにも同僚の塩分が含まれている。

 

塩と運動:この2つはどのように関連しているか?

 ジムに定期的に通う人であれば、ハードなトレーニング後に汗の塩辛い味を味わったことがあるであろう。トレーニング中に塩分が失われることは分っているが、それは単に体を冷やすための賢い方法以上のものである。DWの常駐健康栄養専門家であるCarly Tierneyは、体内の塩分濃度が低いとトレーニングにどのような影響が及ぶかを次のように説明している:

 「塩は我々の体にとって重要な役割を果たしている。筋肉の収縮、神経機能、血液量の調節に役立つ。また、体内の水分量も調節する。」

 「ナトリウム濃度が低いと、脱水症状、筋肉の痙攣、さらには臓器不全を引き起こす可能性がある。」

 「アスリートが大量に汗をかき、大量のナトリウムを失っている場合、塩分の多い食物やスナックと電解質が豊富な飲み物を組み合わせると、ナトリウム濃度を高く保つことができる。」

 トレーニング中、そしてジムを出た後にも水分をしっかり補給するだけでは不十分であるとしたら、Carlyのコメントは体内の塩分濃度を調節することも重要であると強調している。

 

塩分摂取量と運動

 我々が毎日摂取すべき推奨ナトリウム量はあるが、Carlyは、人々が摂取すべき塩分量を一般化することは危険であると強調している。これは、運動中に失われた塩分を補給するために、より多くの塩分を摂取する必要がある可能性のあるアスリートに特に当てはまる。

 人それぞれ異なり、体型や大きさは異なり、人によっては他の人よりも多くの塩分を必要とする。とはいえ、原則として、激しい運動の後は塩分を補給しておくことが重要である。

 「平均的なジム通いの人は、1時間の運動で約1リットルの汗をかく。激しいトレーニングをしている場合は、2リットルに増えることもある。」とCarlyは続ける。

 「例えば、多くのランナーはトレーニングや競技で大量の塩分を失う。当然のことながら、運動後に塩分が欲しくなる。私のアドバイスとしては、塩分を欲しがるのを我慢して、塩分の多いスナックやスポーツ・ドリンクを飲んで失った塩分を補給することである。約200 mgのナトリウムが理想的である。」

 

運動中の塩分と痙攣:ナトリウム摂取量が鍵?

 Eddy Digetはマスター・トレーナーであり、栄養の専門家である。彼は多くのハイパフォーマンス・アスリートと仕事をしているが、彼等は皆、すべての栄養素を適切な量で厳密にバランスの取れた食事を維持する必要がある。科学を実際のケーススタディーで裏付けたいなら、ここにあなたにぴったりのケーススタディーがある:

 「私は、100マイル以上走ることが求められる「ウルトラ・トライアスロン」の選手を指導してきた。」とEddyは語った。「彼はトレーニング中の痙攣」に悩まされていたので、トレーニングの約4時間前に体重1ポンド当り約23 mlの水を飲むよう提案した。彼は体重が68 kgであったので、約300450 mlの水を飲んでいた。トレーニングの15分後には、塩をひとつまみ混ぜたコップ1杯の水を飲んでいた。それ以来、痙攣や頭痛に悩まされることはなくなった。」

 それだけでは不十分であるとすれば、国民保健サービスは、体内の水分量が少ないと塩分供給が低下し、ご想像の通り、筋肉痙攣を引き起こす可能性があるとアドバイスしている。

 

賢明な低ナトリウム食を維持する方法

 塩は食生活に欠かせないものであり、塩と運動は我々が考えていた以上に密接に関係していることは明らかであるが、摂取量を制限する必要があるという事実から逃れることはできない。

 1日の推奨塩摂取量の最大75%は日常の食品から摂取されると推定されているため、気付かないうちに塩分を摂取している可能性がある。しかも、食卓で塩を加える人は多く、多くの場合は習慣的に塩を加えている。もちろん、塩は思いもよらないところに潜んでいるため、摂取しすぎることはよくある。

 

意外な高ナトリウム塩食品5

  パン2011年の調査では、パンの中には1切れ当りにポテト・チップス1袋と同じ量の塩分が含まれているものがあることが示唆されている。

  シリアル:シリアル・ブランドの中には糖分が多いものもあると予想されるが、最も人気のあるシリアルの多くには、信じられないほど高い塩分も含まれていることが分かっている。

  缶詰スープ:多くの人が健康的なランチの選択肢であると考えているが、そうではないかもしれない。缶詰スープの中には、テイクアウトのピザ2切れと同じ(またはそれ以上)の塩分が含くまれているものがあることが研究で示唆されている。

  チェダーチーズ:すでに飽和脂肪が多く含まれているが、チーズ製品の95%は1食分当りの塩分が、塩味のポテト・チップス1袋よりも多く含まれていることが分った。

  ストックキューブ:風味を加えるために使われるこの無害な小さなキューブがこのリストに載るとは誰が想像したしたでしょう。しかし、中には塩分が50%も含まれているものもある。

 

塩摂取量を減らすためのヒント

 栄養の専門家であるCarlyは塩摂取量を抑えるためのヒントをたくさん持っている:

  ソース、特に醤油は塩分が非常に高いので、控えめにする。

  ポテト・チップスなどの塩分の多いスナックは控え、ドライフルーツ、野菜スティック、無塩ナッツなどの低塩スナックを選ぶ。

  ベーコン、チーズ、ピクルス、燻製魚、既製の食品は、ナトリウム含有量が高いので控える。

  調理の際には塩を控える。調理の際にはハーブやスパイスを使って風味を加える。

  自分でスープを作るか、塩分の少ないスープキューブを選ぶ。

  食卓で余分な塩を加える習慣を止める。まずは食物を味見する。そうすれば、塩を加える必要がないことがよく分る。

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