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「重要なブレークスルー」:この新しい海塩電池は

リチウムの4倍の容量を持っている

‘Significant Breakthrough’: This New Sea Salt Battery Has 4 Times the Capacity of Lithium

By Charlotte Elton

https://www.euronews.com/     2022.12.14

 

あなたの電子機器はすぐに超安価な海塩電池で動くことができる。研究者達はリチウムの4倍のエネルギー貯蔵容量を備えた新しい安価な電池を構築した。海水から処理できる溶融塩の一種であるナトリウム硫黄から構築されたこの電池は、既存のオプションよりも低コストで環境に優しい電池である。これは再生可能エネルギーの「ブレークスルー」になる可能性があると、シドニー大学の主任研究者であるShenlong Zhao博士は述べている。「我々のナトリウム電池は「リチウムの」4倍の貯蔵容量を提供しながら、コストを劇的に削減する可能性を秘めている。」と彼は言った。「これは再生可能エネルギー開発にとって重要なブレークスルーであり、長期的にはコストを削減するものの、参入にはいくつかの財政的障壁があった。」

 

なぜ電池は再生可能エネルギーにとって重要なのか?

 気候が暑くなるにつれて、風力や太陽光などの再生可能エネルギー源に切り替えることが急務となっている。しかし、再生可能エネルギーは他の電源と常に一貫しているとは限らないため、後で使用するためにこの電力を貯蔵する電池が必要である。多くの電池は、リチウム、グラファイト、コバルトなどの希土類金属で作られている。

 気候の影響を受けないことを達成するために、EU2030年までに現在使用している量の18倍、2050年までに約60倍のリチウムを必要とする。EUUrsula von der Leyen委員長は9月、「リチウムと希土類はまもなく石油とガスよりも重要になるだろう。」と述べた。しかし、これらの金属にはコストがかかる。リチウム抽出は、水不足、生物多様性の損失、生態系機能への損傷、および土壌劣化を引き起こす可能性がある。例えば、蒸発池を使用して金属を生産する場合、1トンを生産するのに約220万リットルかかる。また、大規模な採鉱には経済的にもコストがかかる。これは、海塩電池が代替手段を提供できる場所である。

 

溶融塩電池とは何か、そしてそれらはスケールアップが可能か?

 溶融塩電池は新しい概念ではない。それらは50年前から存在しているが、エネルギー・ライフサイクルが短い「劣った代替品」であった。しかし、この新しい電池は違う。科学者達は電極を変更して、硫黄の反応性を改善した。これは貯蔵容量を決定する重要な要素である。結果として得られた製品は、「室温で超大容量と超長寿命」を示したとシドニー大学の研究者達は助言している。

海塩は何処にでもあるため、リチウム・イオン電池に代わるスケールアップ可能な代替品となる可能性がある。「太陽が輝いておらず、そよ風が吹いていないときは、地球に負担を掛けず、ローカルまたは地域レベルで簡単にアクセスできる高品質の貯蔵解決策が必要である。」とZhao博士は述べている。「海水から処理できるナトリウムのような豊富な資源を使用して製造された貯蔵装置は、より広範なエネルギー安全保障を保証し、より多くの国が脱炭素化への移行に参加できるようにする可能性を秘めている。」

 研究者達は現在、新しい電池を改善して商品化することを計画している。