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中国で大規模ハイブリッド・リチウム・ナトリウム・イオン蓄電池(BESS)が稼動開始

Large-Scale Hybrid Lithium-Sodium-Ion BESS Comes Online in China

By Cameron Murray

https://www.energy-storage.news/      2025.04.02

 

 雲南省文山県丘北県のプロジェクトが「フル容量の系統連系運転」を達成したと、技術プロバイダーのHiNa Batteryが昨日(41)発表した。

 このプロジェクトは、40 MWhのナトリウム・イオン電池と残りをリチウム・イオン電池と組み合わせたもので、中国最大規模、ひいては世界最大規模となる可能性が高いと同社は述べている。また、1時間持続のナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵システム・プロジェクトとしては初であり、この施設のリチウム・イオン電池部分は160 MW/360 MW2.25時間持続のシステムとなることを示唆している。

 「これは、ナトリウム・イオン電池が電力網の高レートと低レートの複合運用に大規模に参入する初の商用モデルである。」と同社は述べている。

 HiNaは、湖北省銭江市にあるナトリウム・イオンBESSに電池を供給した企業である。このBESSは昨年、部分的に稼動を開始した際に、この電池化学を用いた世界最大のBESSと謳われた。

 ナトリウムは、原材料の豊富さ、火災リスク低さ、動作温度範囲の広さ、そして高い放電深度といった点から、リチウム・イオン電池の代替としての可能性を秘めている。後者は、電池の劣化への悪影響を軽減しながら、フル充電または放電できることを意味する。しかし、サイクル制限を守れば、リチウム・イオン電池は寿命が長く、エネルギー密度もはるかに優れている。

 原材料の豊富さから、ナトリウム・イオン電池の理論上のコストはリチウム・イオン電池よりも低く、1 kWhあたり5ドルであるのに対し、リチウム・イオン電池は1 kWhあたり25ドルと、スタートアップ企業のMoonwattが先週のインタビューで引用した数値によると、これは妥当な価格設定と言える。しかし、それを実現するには、業界が規模を拡大する必要がある。

 世界最大の電気自動車メーカーであるBYDは昨年、ナトリウム電池を使用したBESSを発売したが、その反響とこの技術の長期的な可能性は、その後も多くの議論の的となった。