次世代ナトリウム硫黄電池貯蔵:BASFとNGKによると
コストは20%削減される
Next-Generation Sodium-Sulfur Battery Storage: 20% Lower Cost, Say BAFS and NGK
By Andy Colthorpe
https://www.energy-storage.news/ 2024.06.12
世界で最も広く導入されている非リチウム電気化学エネルギー貯蔵技術の1つが、NGK
とBASF Stationary Energy StorageのNAS MODEL L24の発売によりアップグレードされた。
日本の工業用セラミックス会社である日本ガイシ(NGK)が20年以上前に初めて商品化したナトリウム硫黄(NAS)電池の新しい「先進的」バージョンは、同社とそのパートナーであるBASF Stationary Energy Storageによると、以前のモデルと比較して所有コストが20%低い。
また、セルの劣化率は年間1%未満で、熱管理システムが改善されているため、より長い連続放電が可能である。
両社は新製品を共同開発し、これによりコンテナ型システムの設置面積が小さくなり、メンテナンス・コストが削減されるとしている。
これまでに世界中で約720 MW/5,000 MWhのNAS電池システムが導入されている。最近発表された注文やプロジェクトには、ドイツ北部のバルト海沿岸のグリーン水素電解クラスター向けの230 MWh供給契約、東ヨーロッパでの電池技術初導入となるブルガリアの500 KW/2,900 KWh(持続時間5.8時間)プロジェクト、オーストラリアでの初のプロジェクト契約、エネルギー取引市場に参入する日本の70 MWhプロジェクトなどがある。
この電池は6時間以上の貯蔵を必要とする中期から長期のエネルギー貯蔵用途向けに大量の電気を貯蔵するように設計されている。動作温度は300℃で、硫黄陰極、ナトリウム陽極、独自のセラミック電解質を備えている。
劣化がないことは、長い間主張されてきた重要な特徴の1つであり、以前の反復では現場の予想寿命20年のうち最初の15年間は劣化が見込まれておらず、今週初め(6月10日)に発売された新しいMODEL L24製品ではさらに優れた劣化プロファイルが主張されている。
この新しいシステムは、UL1973およびUL9540を含む関連するエネルギー貯蔵業界の安全基準に準拠していることが認定されている。
BASFは2019年からNGKと提携してNAS技術の開発と販売を行なっており、ドイツの化学会社としては初のエネルギー貯蔵市場参入となり、その後すぐに子会社BASF Stationary Energy Storageを設立した。
NGKエネルギー貯蔵部門の副社長兼ゼネラル・マネージャーである武田龍悟は、この改善は両社の「緊密で効果的な協力」の成果であると語った。
「年間1%未満の劣化率は、エネルギー貯蔵業界にとって注目すべき成果である」と武田は述べた。
「NAS MODEL L24により、当社のお客様は電池貯蔵システムへの初期投資を削減できるだけでなく、プロジェクトの寿命全体で約20%の貯蔵プロジェクト・コストを節約できる」とBASF Stationary Energy Storageのマネジング・ディレクターであるFrank Prechtlは述べている。