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中国はリチウムからの脱却を目指し、世界最大の

ナトリウム・イオンBESSを稼働開始

World’s Largest Sodim-Ion BESS Comes Online in China as It Seeks to Diversify Away from Lithium

By Cameron Murray

https://www.energy-storage.news/      2024.07.04

 

 中国で世界最大のナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の第一フェーズが稼働を開始した。

 湖北省銭江市でのプロジェクトの最初の50 MW/100 MWh部分が完成し、稼働を開始したと、国営メディアのYical Globalと技術プロバイダーのHiNa Batteryが今週発表した。その容量は最終的に100 MW/200 MWhに倍増するが、両発表で主張されているように、そでに世界最大のナトリウム・イオン・プロジェクトとなっていることはほぼ確実である。185 Ahのナトリウム・イオン電池を搭載したBESSコンテナ42個、電力変換システム・ユニット21個、110 kVブースター・ステーションで構成される。

 Energy-Storage.news1月にこのプロジェクトを報道した際に報じたように、このプロジェクトは国有の国務院資産監督管理委員会の一部である大唐湖北エネルギー開発によって開発および運営されている。このプロジェクトの展開は、リチウム以外の技術を使用して大規模な貯蔵プロジェクトを構築する国家レベルの取り組みの一環である。

 ナトリウム・イオン:高い潜在性があるが、商業化への道は険しいこの技術は、電気自動車とBESS用途の両方で主流の電池化学であるリチウム・イオンのサプライチェーンのボトルネックを緩和し、大規模に商業化するのに最も適した電池化学と一般的に考えられている。その一部は、リチウム・イオン生産ラインに「ドロップ・イン」しやすくする類似の設計である。

 ナトリウム・イオンはエネルギー密度が低く、規模が小さいため、一般的にはリチウム・イオンよりもコストが高いが、BYDによると、2025年までにリチウム・イオンよりも1530%安くなる可能性がある。しかし、Yicai Globalによると、商業化とコスト削減は予想よりも遅れている。

 HiNa Batteryによると、技術的にも利点があるという。1つは極度の温度での往復効率とサイクル寿命が優れていることである。また、鍼灸や衝撃耐性のテストでも、一般的な電池よりもはるかに優れた性能を発揮すると、プロジェクト・マネージャーは述べた。

 Energy-Storage.newsは、中国がナトリウム・イオン技術に多額の投資をしている理由の1つは、長期的にはリチウムのサプライチェーンから排除されるかもしれないと言う懸念のためであると逸話的に聞かされている。中国は現在、電池製造とリチウム精製の両方の面でサプライチェーンを支配しているが、HiNaの発表では、採掘可能なリチウム埋蔵量は世界の約6%に過ぎないのに対し、ナトリウム・イオン電池用の鉱物の埋蔵量は豊富であると指摘されている。

 HiNa Batteryのゼネラル・マネージャーLi Shujunは、2030年までにテラワット時ナトリウム・イオン電池産業が徐々に形成されると主張したとYicai Globalは付け加えた。