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ナトリウム・イオン電池の開発が加速

Sodium-Ion Battery Development Gathers Pace

https://www.emobility-engineering.com/    

 

 ファラデー研究所の後援の下、次世代のナトリウム・イオン電池技術を開発する学術・産業界共同のNexgennaの取り組みを率いるJon Irvine教授によると、ナトリウム・イオン電池は多くの用途で鉛-酸電池に代わる可能性があるという。

 E-Mobility Engineeringに独占的に語ったところによると、安全性とコストの面でも利点を提供しながら、エネルギー密度と出力密度の点でリチウム・イオンと競争できるようになるという。

 しかし、リチウム・イオン電池は当初の交換対象ではない。Irvine教授は、リチウム・イオンと競合する前にコストが最優先される用途では、ナトリウム・イオンが鉛蓄電池に取って代わると考えている。

 初期のターゲットとなる電気自動車用途の中には、開発途上国の小型二輪車や三輪車があり、同氏はこれを非常に強力な市場であると説明しており、船舶、電車、バスなど、重量や体積の制約が少ない用途も含まれる。

 「コストが最も重要である。」と彼は言う。「我々は、リチウムがナトリウムに比べて高価であるいう前提に基づいて取り組んでいる。我々は同じく高価なコバルトの使用を避けることができ、遷移金属としてマンガンと鉄を含む地球に豊富に存在する電極に注目している。」

 もう1つの大きなコスト上の利点は、ナトリウム・イオン電池がより高価な銅の代わりにアルミニウム集電体を使用できることである。リチウムはアルミニウムと反応するため、リチウム・イオン電池ではこれは選択できない。

 Arvine教授はまた、コバルトやニッケルよりもマンガンや鉄を使用した方が環境に優しいと主張しており、これは電極に対する考慮事項でもある。

 「負極にはグラファイトではなく硬質炭素を使用する傾向があり、これらは一般にバイオマス由来の炭素である。」

 ナトリウム・イオン電池は完全に放電できるため、輸送中に爆発の危険がなくなるという点で、リチウム・イオン電池に比べて安全面での利点もあるが、リチウム・イオン電池を空にするのは非常に困難である。

 Irvine教授は、ナトリウム・イオンはおそらく熱暴走の傾向が低いが、それに関してはさらなる研究が必要だと述べている。「まだ初期の段階だよ。これまでの所、ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池ほど高い電流率で性能を発揮していないため、その意味では熱暴走に陥る可能性は低い。

 「電解質を開発する必要がある。それは安全性にも役立つ。」

 最近の電解質は、リチウム・イオン電池で一般的な化学的性質を反映する傾向があるが、電解質を通る大きなナトリウム・イオンの輸送はまったく異なるため、Arvine教授はそれが変わると予想している。

 「現時点では、塩として6フッ化リン酸リチウムの代わりにナトリウムを使用する現在のリチウム技術に従っているが、ナトリウムには代替塩が有効であると予想している。これにより、化学的危険性の点でより安全な塩を提供するための扉も開く。」

 同氏は、Nexgennaの電解質研究開発のもう1つの方向性は、高温でより安定し、ナトリウムにより適した溶媒を見つけることであるが、依然として炭化水素ベースである可能性が高いと付け加えた。

 ナトリウム・イオン電池は性能面で大きな進歩を遂げている。例えば、2021年のナトリウム・イオン・ロードマップのRagoneプロットによれば、ファラディオンは比出力で約1000 W/kg、比エネルギーで約170 Wh/kgを達成している。

 現時点では、ファラディオン・セルはNMC/グラファイト・セルとLFP/グラファイトが導入されているほとんどの用途の代替として検討できるロードマップには記載されている。

 Nexgennaの取り組み以外でも、Arvine教授は7月下旬に第一世代ナトリウム・イオン電池を発売したCATLの斬新なアプローチに代表される、中国での急速な進歩を指摘している。160 Wh/kgの比エネルギー、室温で15分で容量の90%まで充電できる能力、および自動車の安全要件を超える「優れた」熱安定性を主張する。

 現在のリン酸鉄リチウム電池よりもわずかにエネルギー密度が低いにもかかわらず、CATLは特に電気自動車などの極低温に大きな利点があると主張している。これを利用して、同社のAB電池は単一のBMSの制御下で単一のパックにナトリウム・イオン・モジュールとリチウム・イオン・モジュールを組み合わせている。

 CALTは、第二世代のナトリウム・イオン電池は200 Wh/kgを超えるだろうと述べている。