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ドイツ政府はナトリウム・イオン電池の研究に資金提供を

行なっている

German Government Funds Research into Sodium-Ion Batteries

By Carla Westerheide

https://www.electrive.com/    2025.02.08

 

現在開始されているプロジェクト「ドイツ・ナトリウム・イオン電池研究-SIB:DE FORSCHUNG」は、欧州のエネルギーとモビリティの転換におけるナトリウム・イオン電池技術の適合性を評価し、迅速な産業導入を実現することを目指している。

 

 フラウンホーファーIFAMの発表によると、この目標達成のため、科学界と産業界の21ヶ国のパートナーが、電池材料開発から大型セルの製造に至るまで、専門知識を結集し、研究成果を迅速に実用化することを目指している。

 ナトリウム・イオン電池がなぜ興味深いのかは明白である。リチウムとは異なり、ナトリウムは重要度の低い原材料とみなされ、入手しやすく、安価で、非常に安全であると考えられている。特にリチウムの場合、サプライチェーンの大部分はアジア企業によって支配されているが、ナトリウム・イオン電池は、欧州の電池需要を持続的に満たし、供給を確保する上で重要な役割を果たすことができる。しかし、中国で最初のナトリウム・イオン電池メーカーが既に市場に参入している。

 「SIB:DE FORSCHUNG」プロジェクトは、「スケラブルな方法で製造でき、競争力のあるセル性能を提供する」活物質を特定する。また、可能な場合は既存のリチウム・イオン電池製造プロセスに統合可能なデモセルの開発も行なう。フラウンホーファーIFAMは、「リチウムとナトリウムは電気的特性が類似しているにもかかわらず、単純に置き換えることはできない。」と説明している。「これらの元素の化学的性質の違いが、現在、ナトリウム・イオン電池の劣化を早め、性能を低下させる技術的な課題につながっている。」

 SID:DEは、ドイツ連邦教育研究省の資金提供を受けている。フラウンホーファー製造技術・先端材料研究所によると、総資金は約1,400万ユーロである。

SIB:DE FORSCHUNG」プロジェクト・コンソーシアムは、7つの産業界パートナーと14の学術パートナー、そして現在42の産官連携パートナーで構成されている。プレス・リリースには、「これにより、このテーマにおけるドイツ最大のコンソーシアムとなる。BAFSがプロジェクト全体の調整役を務めている。」と記載されている。プロジェクト全体の調整はBASFが担当する。フラウンホーファーIFAMは、「研究成果を迅速に産業スケールアップに転換し、ナトリウム・イオン技術を迅速に市場浸透させるには、学術と産業界の専門知識を緊密に連携させる必要がある。」と述べている。

役割分担はシンプルである。学術パートナーが材料科学とセルテクノロジーのテーマに取り組む一方で、産業界のパートナーは材料のスケールアップと産業向けセルフォーマットの開発に注力する。2027年のプロジェクト終了までに、産業的に実現可能なプロセスの実現可能性に関する提言が得られる予定である。その後、計画されているフォローアップ・プロジェクト「SIB:DE FORSCHUNG」において、これらの知見を用いて生産研究を実施する。