韓国の研究者達はハイブリッド・ナトリウム・イオン電池の微調整中
Korean Researchers Are Fine-Tuning a Hybrid Sodium-Ion Battery
By Chris Randall
https://www.electrive.com/ 2024.04.23
韓国科学技術院の開発者は、わずか数秒で充電できる有望な新型ナトリウム・イオン電池を発表した。これは将来、電気自動車に使用される可能性がある。
研究機関の報告によると、この新開発は、改良されたアノード材料とスーパー・キャパシタに適したカソード材料を組み合わせたハイブリッド設計である。研究チームによると、この組み合わせにより、高い貯蔵容量と高速充放電速度の両方を実現できる。これにより、この技術は「リチウム・イオン電池の実現可能な次世代代替品」になる、と韓国科学技術院は述べている。
研究チームは、これまでの研究結果を3月末に国際誌「Energy Storage Materials」に「高性能ナトリウム・イオン・ハイブリッド・エネルギー貯蔵のための、低結晶性導電性多価鉄硫化物埋め込みSドープ・アノードと高表面積Oドープ・カソードを備えた3D多孔質Nリッチ・グラファイト・カーボン・フレームアーク」というタイトルで発表した。ナトリウム・イオン電池の具体的な性能値として、エネルギー密度247 Wh/kg、電力密度34,748 W/kgが示されている。研究チームを率いるJenng Ku Kang教授は、電気自動車を含むさまざまな電子機器でこの新開発が広く応用されることを期待する。
ナトリウム電池は近年再浮上したアプローチであり、電気自動車分野に明確なコスト削減をもたらすであろう。結局のところ、低コストのナトリウムは、現在、非常に高価になっているリチウムに取って代わるものである。しかし、欠点もある。従来のナトリウム・イオン電池はエネルギー密度が低いことが知られている。我々は最近、ミュンヘン工科大学の自動車工学教授であるMarkus Lienkampに、ナトリウム・イオン電池が電気自動車でまだどのような役割を果たせるかを尋ねた。彼の答は、ここで読むことができる。
中国の大手企業は、ナトリウム・イオン電池への注目を強めている。2023年末、BYDと淮海は、年間生産能力30 GWhのナトリウム・イオン電池工場を中国に建設する契約を締結した。CATLもナトリウム・イオン・セルの生産を計画している。2月には、JACブランドのYiweiがナトリウム・イオン電池を搭載した電気自動車を初めて輸出したというニュースも届いた。
一方、韓国科学技術院はナトリウム・イオン電池の研究だけを行っているのではない。同研究センターは韓国の電池メーカーLGエナジー・ソリューションと共同で、ホウ酸ピランをベースとした液体電解質を使用したリチウム金属電池の開発も進めており。