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CATLSuper Tech Day」で3つの画期的な電池技術を発表

CATL Presents Three New Battery Breakthroughs at ‘Super Tech Day’

By Chris Randall

https://www.electrive.com/    2025.04.22

 

CATLは、量産型ナトリウム・イオン電池「Naxtra」ブランド、新世代の「Shenxing」電池「Shenxing」、そして新型デュアルパワー電池「Freevoy」など、一連の代替技術革新を発表した。

 

 中国の電池メーカーCATLは、初開催となる「Super Tech Day」で電池技術の一連の開発成果を発表した。新開発の中には、Freevoyデュアルパワー電池、ナトリウム・イオン電池Naxtra、そして第二世代のShenxing超高速充電電池がある。さらにCATLは、大型トラック向けに24 Vスタート/ストップ機能付きNaxtra電池を開発した。

 第二世代Shenxing電池は、12 Cの充電レートを提供する。最大1.3メガワットのピーク充電電力で、毎秒最大2.5 kmの走行距離を充電できる。CATLはまたは、中国のCLTCサイクルを使用することで、わずか5分で520 kmの走行距離を充電できると明言している。比較対象として、BYD1メガワットの充電容量を導入し、5分で400 kmの走行距離を約束している。

 総走行距離出言えば、Shenxing電池は最大800 kmを走行できる。また、少なくとも充電速度に関しては、温度の影響をあまり受けないようである。-10℃の環境下でも5%から80%までの充電は15分で完了する。CATLによると、これは従来の主要システムの2倍の速度である。しかし、CATLの電池は、メガワット級の充電ステーションが必要となるため、どの充電ステーションでもこのような速度を実現できるわけではない。競合のBYDは中国にメガワット級の充電ネットワークを導入する予定であるが、両社の充電技術が統合されるかどうかは依然として不明である。CATLの最高技術責任者である        Gao Huanは今年中に様々なメーカーの67車種に新型Shenxing電池を搭載する計画があると述べた。

 

Freevoyデュアルパワー電池

 急速充電対応のShenxing電池に加え、CATLはイベントでさらに2つの革新的な電池を発表した。Freevoyデュアルパワー電池は、CATLのデュアル・エネルギー・アーキテクチャーと「自己形成型」アノード技術を組み合わせたものである。このアーキテクチャーは、2つの独立したエネルギー・ゾーンと、5つのデュアル機能(デュアル高電圧、デュアル低電圧、デュアル構造、デュアル熱管理、デュアル安全管理)を組み合わせる。これにより、CATLは特にレベル3およびレベル4の自動運転機能にとって重要な、安定的かつ安全なエネルギー供給の確保を目指している。

 デュアルパワー電池には、3つの異なる組み合わせがある。ナトリウムLFPデュアルパワー電池は、Naxtraと自己形成アノードを備えたリン酸鉄リチウム電池(LFP)を組み合わせたもので、長距離走行に加えて寒冷条件で最適な性能を提供するように設計されている。LFP-LFPデュアルパワー電池は、上記の第二世代Shenxing電池と自己形成アノードを備えたLFPの組み合わせを約束する。これにより、ホイール・ベース3 mのセダンで、最小限の運用コストで1,000 kmの走行距離が可能になる。そして最後に、NCM-LFP/NCM-NCMデュアルパワー電池がある。これは、NCMと自己形成アノードを統合している。そのため、20SOCでも12 Cでのピーク充電と1メガワット以上の電力が可能である。拡張バージョンは180 kWhを超える容量を達成し、1,500 km以上の走行距離を意味する。CATLは、このデュアルパワー原理を自動車だけでなく、トラック、バス、航空機、船舶、そして産業用途にも提供していく予定である。

 

Naxtraナトリウム・イオン電池

 そして最後に、CATLは同社初のナトリウム・イオン電池であるNaxtra電池を発表した。この電池は量産準備が整ったとされている。CATLは長らくこの技術を研究してきた。この技術は、ナトリウムがリチウムよりはるかに安価に入手できるため、リチウム・イオン電池よりもはるかにコスト効率が高く、サプライチェーンの安定性にも寄与する。

 製品ラインは、乗用車向けに電気自動車用Naxtra電池と商用車向け24 Vスタート/ストップ電池の2つのカテゴリーで構成されている。どちらも-40 ℃から+70 ℃までの全温度範囲で使用できる。CATLによると、乗用車用電池は-40 ℃でも使用可能電力の90%を維持し、充電率が10%でも性能に大きな低下は見られれない。Naxtra自動車用電池は、175 Wh/kgのエネルギー密度を誇り、ナトリウム・イオン電池としては世界最高値(リン酸鉄リチウム電池に匹敵)を達成し、500 kmの航続距離と1万回以上の充電サイクルを実現する。