ノースカロライナ州に14億ドルのナトリウム・イオン電池
ギガファクトリーが建設される
North Carolina Is Getting a $1.4B Sodium-Ion Battery Gigafactory
By Michelle Lewis
https//electrek.co より 2024.08.16
Natron Energyはアメリカ初のナトリウム・イオン電池ギガファクトリーをノースカロライナ州に建設すると発表した。
カリフォルニア州サンタクララに本社を置くナトリウム・イオン電池技術会社は、ノースカロライナ州エッジコム郡にナトリウム・イオン電池ギガファクトリー
を建設し、フル稼働時には年間24 GWのナトリウム・イオン電池を生産する予定である。
エッジコム郡の工場は、Natronの現在の生産能力を40倍に拡大することを可能にする。同社はすでにミシガン州ホランドに工場を構えており、フル稼働時には1,000人以上の雇用を支えることになる。
437エーカーのキングスボロ巨大施設にある約120平方フィートの工場は、Natron Energyからの総額約14億ドルの投資となる。このプロジェクトは、ノースカロライナ州商務省の雇用開発助成金によって部分的に促進されており、この助成金は、企業が雇用を創出し、州に投資した場合に、企業に直接現金助成金を与えるものである。助成金の12年間の期間中、このプロジェクトはノースカロライナ州の経済を34億ドル成長せせると推定されている。
しかし、着工、オンライン化、フル生産能力に達する時期はまだ決まっていない。Natronの電池は現在、市場で唯一のUL認定ナトリウム・イオン電池である。これらの電池は、電力を大量に消費するデータ・センター、マイクログリッド、通信、EV急速充電などに提供される。
Natronは同社のナトリウム・イオン電池は、他の電池技術に比べて、より高い電力密度、より多くのサイクル、アメリカ国内のサプライチェーン、独自の安全特性を備えていると主張している。
同社によると、特許取得済みのプルシアン・ブルー電極は、現在市販されているどの市販電池よりも速く、内部抵抗が低く、ナトリウム・イオンを貯蔵・移動される。同社の電池は、充電・放電時に歪みがなく、従来のリチウム・イオン電池よりも10倍速くサイクルし、5万回以上のサイクル寿命を実現する。Natronのサプライチェーンでは、リチウム、コバルト、ニッケルは一切使用されていない。
ナトリウム・イオン電池は、主にコスト効率と原材料の豊富さから、EV用リチウム・イオン電池の潜在的な代替品として注目を集めている。ナトリウムはリチウムよりも入手しやすく、安価であるため、EV生産の拡大にとって魅力的な見通しとなっている。
しかし、ナトリウム・イオン電池はエネルギー密度の点ではまだリチウム・イオン電池に遅れをとっており、この電池を搭載した自動車の走行距離は短くなる可能性がある。EV市場でリチウム・イオン電池と真っ向から競争できるようになるには、ナトリウム・イオン電池はさらなる開発が必要である。現在、ナトリウム・イオン電池を搭載したEVは市販されていない。