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カリウムと酸素は低コスト電池を作る

Potassium and Oxygen Make a low-cost Battery

高価で希少原料に依存しない新しい電池化学を発展させることは電池開発に新しい方向を提供するかもしれない

By Kevin Clemens

https://www.designnews.com/ より

2019.05.23

 

 オハイオ州立大学からの最近のニュースによると、低コストのカリウムと空気からの酸素を使った新しい電池設計は約束を示している。リチウム・イオン電池は携帯電話から電気自動車や再生可能エネルギー用の電力網サポートまで何に対しても標準となってきたが、電池を製造するために使われる高価格の原材料とそれらの材料の入手可能性から関心を持たれるようになってきた。世界中の研究者達は安くて多くある材料から実行可能な電気エネルギー貯蔵装置を作る方法を探している。

 

2013年に最初に開発

 金属-酸素または金属-空気電池で化学反応によって発生したエネルギーを蓄積する電池の陽極の構造にオハイオ州立大学研究センターの研究は重点を置いた。カリウム-酸素電池は2013年に発明された。その時、化学教授Yiying Wuが指導するオハイオ州立大学の研究者チームは、その電池は既存のリチウム・イオン電池の約2のエネルギーを同時に蓄えながらリチウム-酸素電池よりもより効率的であることを示した。しかし、多くの新しい電池化学と同様に、カリウム-酸素電池は充放電回数の問題を持っていた。電池は充電毎に劣化し、5-10回の充電以上には続かなかった。電力を蓄積するために電池を低コストにするために必要な充放電寿命からはほど遠い。

 電池陰極に酸素が入り込むために劣化が起こることが分った。酸素は陰極を破砕するので、電池はもはや充電できなくなった。この現象を解決するために、オハイオ州立大学の博士候補者のポール・ギルモアは酸素から陰極を守れるようにするために陽極にポリマーを組み込み始めた。酸素を陰極に拡散できないように酸素を電池に運び込む方法を発見することが鍵である、とギルモアは言った。

 

人間の肺に似せて

 オハイオ州立大学のレリースによると、“この設計は人の肺のように少し働く:空気は炭素繊維層を通して電池に入ってきて、その後、わずかに孔の少ない第二層に入り、最後にほとんど孔のない第三層で終わる。伝導性ポリマーで出来た第三層は陽極を通り抜けてカリウム・イオンを移動させるが、陰極に到達することから酸素分子を制限する。電池は少なくとも125回充電出来ることを設計は意味している-これまで低コスト電解質の電池の寿命を12倍以上にするカリウム-酸素電池ができる。”

 オハイオ州立大学の機械と航空宇宙工学教授のVishnu-Baba Sundaresanは、有望であるが、実用的な電池開発が実行可能となる前に、この研究はまだもっと研究が必要であることを素早く指摘した。ギルモアは次のように述べた、“酸素電池は比較的高いエネルギー密度を持っており、例えば、カリウム-酸素電池がこれらの応用で実行可能になる前に、他の課題を解決しなければならないが、エネルギー密度が高いことは電気自動車の範囲や携行電子器機の電池寿命を改善できることを意味している。”

 

経済的な材料から作る

 それでもなおもっと容易に入手できる材料を使うもっと低コスト電池を作り出すことに本当の関心がある。リチウム-酸素電池-田の可能なエネルギー貯蔵法は高価で、ほとんどの設計はコバルトを含む希少な資源を使う。オハイオ州立大学によると、多くの電気自動車の電源となるリチウム・イオン電池は材料費レベルで約100 ドル/kWhである。このカリウム-酸素電池は約44 ドル/kWhのコストとなると研究者達は推定した。

 “電力網用に全て更新できるオプションにしたいと思えば、過剰な電力を貯蔵でき、直ちに作動する電源がなければ、その電力を取り戻す経済的なエネルギー貯蔵装置を必要とする。このような技術が鍵であり、装置を安くするために、特殊な材料は一切使えず、どこでも作れて、地方経済を促進させる、”とSundaresanは言った。