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新しい技術は廃水と海水から電気を発生させられる

New Technology Could Generate Electricity from Wastewater and Seawater

電気化学を使い、先行エネルギー供給を必要としない工程は廃水処理プラントに電力供給するに十分な電気を発生できる。

By Kevin Clemens

https://www.designnews.com/ より

2019.08.01

 

 スタンフォード大学の研究者達は淡水と海水の混合からエネルギーを発生させられる混合エントロピー電池”(MEB)を開発してきた。この方法で発生させたエネルギーはしばしば“ブルーエネルギー”と呼ばれる。スタンフォード大学のニュース・レリースによると、チームの目的は海岸の廃水処理プラントに対する技術を応用することと、プラントのエネルギーを要らなくし炭素排出を無くするために発生した電気を使うことである。“ブルーエネルギーは膨大で、更新できるエネルギーの未開発源である。我々の電池は膜、稼働部または入力エネルギーを必要としないでそのエネルギーを実質的に捕獲することに向けての大きな一歩である、”とクリスチャン・ドゥブロウスキーは言った。

 

電気化学

 スタンフォード大学の電池はブルーエネルギーを捕獲できる技術だけでなく、圧力または膜の代わりに電池の電気化学を使った最初である。現在の研究は塩分勾配を利用して発電させるスタンフォード大学の初期の研究に基づいているが、その努力は銀でできた高価な電極や工程をスタートさせるために初期のエネルギー供給を必要とした。新しいスタンフォード大学電池は塩のない水(流出廃水)を槽に注ぐ。槽には電極があり、そこから溶液中にナトリウム・イオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)を放出する。このイオンの動きはまた陰極から陽極に流れる電流を生じさせる。したがって、流出廃水と海水との急速な交換は電極にナトリウム・イオンと塩化物イオンを再び合体させるようにさせ、電流を逆流させる。淡水と海水の両方が流れている間にエネルギーが回収される。何のエネルギー供給も必要なく電池は絶えず充放電していることをこれは意味している。ACS Publications(アメリカ化学協会が発行している雑誌)の論文に報告されているように、先行エネルギー供給なしに淡水流入中(回収総エネルギーの43.6)と海水流入中(回収総エネルギーの56.4)の両方でエネルギーが回収される。

     

混合エントロピー電池(MEB)の開発は海水から安価な電極材料へ出入りするナトリウム・

イオンと塩化物イオンの移動に依存している。(イメージ出典:スタンフォード大学)

 

電極として高価な材料を使っていた以前の取り組みとは異なり、この新しいMEBはコスト効果的である。新しMEB中の電極は色素や医薬として幅広く使われ費用が1g当たり1ドル以下のプルシアン・ブルーと電池や他の器機で実験的に使われ費用がバルクで1 kg当たり3ドル以下で販売されているポリピロールで作られている。材料は比較的頑丈で、海水と接触するとき、ポリビニール・アルコールとスルホコハク酸被覆が腐食から電極を保護している。

 

廃水は良い出発点

 廃水はスタンフォード大学MEB研究の実用的な応用のためのより出発点である。水処理工程はアメリカの総電力負荷の約3%を占めるエネルギー集約的である。MEBシステムで十分なブルーエネルギーが発生すると、廃水処理プラントは自給自足でき送電網が要らないで稼働できる。

 スタンフォード大学のニュース・レリースによると、“研究者達は電池のプロトタイプをテストし、Palo Alto Regional Water Quality Control Plantからの流出廃水とHalf Moon Bay付近で集められた海水を1時間毎に相互交換で電池にフラッシュさせながらエネルギー生産をモニターした。180回以上、電池材料は塩分勾配エネルギーを捕獲することで97%の効率を維持した。”チームはまた、海水と混合される淡水1 m3は約0.65 kWhのエネルギー-平均しアメリカ家庭で約30分間の電力に相当-を発生させることも報告した。小さなプロトタイプのMEBで達成された68%の効率がフルスケールで達成されれば、エネルギー生産量は通常の廃水処理プラントに必要な電気エネルギーほとんど、または全てをまかなうのに十分である。

 “それは複雑な問題に対する科学的に優れた解決法である。拡大してテストする必要があり、地球規模でブルーエネルギーを利用すると言う挑戦-海に流れ込む川-に取り組んでいないが、これらの進歩に拍車をかけられる良い出発点である、”とドゥブロウスキーは言った。