「世界最大」のナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵
プロジェクトが中国で稼働開始
‘World’s Largest’ Sodium-Ion Battery Energy Storage Project Goes into
Operation in China
By Phate Zhang
https://cnevpost.com/ 2024.07.02
中国では、ナトリウム・イオン電池を使用した新たなエネルギー貯蔵プロジェクトが稼動を開始した。この新しい電池がエネルギー貯蔵で広く使用され始めている。
国営電力会社、中国大唐公司は6月30日に中国中部の湖北省でナトリウム・イオン電池を使用した100 MWhのエネルギー貯蔵ステーションを稼動させたと、電池の供給元であるHiNa BATTERYが昨日発表した。
HiNa BATTERYによると、これは現在、世界最大のナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵プロジェクトであり、ナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵システムの商業運用における新たな段階を示すものである。エネルギー貯蔵ステーションは200 MWhプロジェクトの第1フェーズであり、42の電池ベイで構成されている。
HiNa BATTERYによると、1回の充電で100,000 kWhの電力を貯蔵でき、ピーク時に電力を放出して約12,000世帯の1日のニーズを満たし、年間13,000トンのCO2排出量を削減する。
HiNa BATTERYは、ナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵技術の商業利用に注力しており、2019年に世界初の100 kWhナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵ステーションの建設を完了したと述べた。
2021年、HiNa BATTERYは世界初の1 MWhナトリウム・イオン電池エネルギー貯蔵システムの試運転を支援した。
同社は2023年末に中国南方電力網にナトリウム・イオン蓄電池を大量に納入し、このセルを使用した世界初の10 MWhナトリウム・イオン電池蓄電所が今年5月に稼動を開始したよHiNa BATTERYは発表した。
中国南方電力網の蓄電部門である中国南方電力網エネルギー貯蔵は5月11日、10 MWhナトリウム・イオン電池蓄電所が中国南西部の広西チワン族自治区南寧市で5月11日に稼動を開始したと発表した。
南寧エネルギー貯蔵ステーションは100 MWhプロジェクトの第1フェーズであり、プロジェクト全体が完成すると、年間7,300万kWhのクリーンな電力を供給できるようになり、35,000世帯の電力需要を満たすことになる。
HiNa BATTERYは2017年に設立され、同年にナトリウム・イオン電池を発売した。2021年12月18日、HiNa BATTERYは中国三峡集団の2つの子会社と阜陽市政府と提携し、世界初の大規模ナトリウム・イオン電池の量産ラインを構築した。
2022年12月1日、HiNa BATTERYは世界初のGWh規模のナトリウム・イオン電池生産ラインで最初の製品が生産ラインから出荷されたことを発表した。
現在、リチウム・イオン電池は主に電気自動車とエネルギー貯蔵ステーションで使用されている。
リチウム・イオン電池と比較すると、ナトリウム・イオン電池は原材料の埋蔵量が豊富で、コストが低く、低温での性能が優れていると考えられている。