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塩のパラドックス:なぜそれが不可欠であり、

環境への驚異でもあるのか

The Salt Paradox: Why It’s Both Essential and a Threat to the Environment

By Andrea Miller

https://www.cnbc.com/       2023.03.28  

 

Research Insightsによると、2021年の塩の世界市場は推定130億ドル以上の価値があった。この評価は塩を巡る戦争、商品のために建設された交易路、鉱物に対して化せられた税金、さらにはナトリウムの遺産にちなんで名付けられた都市を示す豊かな世界史の後に来ている。塩は世界経済を形作ってきた-そしてそれを使用する方法は歴史を通して劇的に変化した。

 「塩がなければ国際経済は成り立たなかった」と「塩:世界史」の著者であるマーク・カーランスキーはCNBCに語った。塩なしで輸出できる食物はほとんどなかった。野菜、肉、魚、肉製品。」

 今日、塩の一般的な用途は同じくらい多用されているが、あまり目立たない。

 

道路用塩

 アメリカ地質調査所によると、高速道路の融氷雪用塩は2022年に消費された総塩量の約42%を占めていた。しかし、現在、冷蔵や冷凍食品の台頭以来、塩は主に雪道や凍った道路や高速道路で運転可能にするために使用されている。「大多数が融氷雪用塩であることが分る。」とモーニングスターの株式アナリストであるSeth GoldsteinCNBCに語った。

 バーモント大学は、アメリカが道路で毎年2000万トンの塩を使用していると推定している。しかし、環境保護庁によると、塩分が多すぎて環境に浸透すると、それらの影響は危険な場合がある。冬の天候で道路を安全に保つ融氷雪用塩からの流出は、塩が環境に侵入すると最も明白な方法である。環境保護庁によると、1トン使用する毎に800ドルから3,300ドルの構造的損害が生じると推奨されている。「これは日常的に誰にでも影響を与える問題である。」とメリーランド大学の科学者兼教授であるSujay KaushalCNBCに語った。Kaushalは淡水塩類化症候群と、それが飲料水、生態系、インフラの腐食に及ぼす影響を研究してきた。「世界の主要な川や小川のいくつかは、これらの増加傾向を示していることが分った。」とKaushalは言った。

 

低塩化物製品

 塩化物は金属を腐食するため、塩は腐食性がある。しかし、塩の形態は塩化ナトリウムだけではない。ミネラル塩は豊富である。

 「駐車場、舗装、建物、その他すべて」とKaushalはミネラル塩の一種である炭酸カルシウムで作られたセメント構造について語った。「それらが分解すると、塩が環境に放出される。」これらの塩は、水が地面を移動するときに淡水源に到達する。これにより、環境保護庁が「塩化学カクテル」と呼ぶ物が作成され、飲料水源を汚染し、インフラストラクチャーに損傷を与える可能性がある。次に、塩分の多い水が流れる金属パイプは、壁から金属が浸出し、水に汚染物質を追加する可能性がある。

 一部の都市はこの問題に注目しており、解決策として市場に参入した低塩化物製品を選択している。「かなりの量の塩化物を含むストレート岩塩と比較して、より少ない塩化物で販売したアイス・メルターの量が大幅に増加した。」と塩配送者のHarvey Salt Companyの販売およびマーケティング・マネジャーであるBryon MazeCNBCに語った。