研究は誤解されている栄養素である塩に新たな光を当てる
Research Is Shedding New Light on Salt, a Misunderstood Nutrient
貴方にとって塩は悪者か?一部の科学者達は証拠は明確でないという
過去40年間塩は北アメリカの食生活における脅威と見做されてきた。アメリカの公益科学センターは「おそらく我々の食糧供給において塩は最も致命的な成分」であると述べている。喫煙、アルコール摂取量、ストレス、肥満と同様に、高ナトリウム摂取量は高血圧の原因と見做されており、脳卒中、心臓病、腎臓病の危険率を高める。
ナトリウムが多すぎると、骨粗鬆症や胃ガンの危険率が高まり、喘息が悪化する。したがって、政府が減塩させるために我々に長い間キャンペーンを行ってきたのは当然のことである。カナダ政府は1日当たり2,300 mg以下のナトリウム摂取量を推奨している。我々は現在、平均して1日当たり約3,400 mgを摂取している。これは我々の体が必要とする量の2倍以上である。
それでも、The Nature of Thingsのドキュメンタリーである「塩を取って下さい」によると、塩は我々の食事の重要な部分でもある。それは我々が喜んで口に入れて飲み込む唯一の無機物である。我々はそれを欲求するように配線されている。そして一部の専門家達は、塩の科学は明確なものではないと言う。
これはしばしば誤解され、悪意のある栄養素について我々が学んだ幾つかのことである。
健康を維持するには塩が必要
我々が海水環境に住む生物から進化してきたので、我々が塩を切望する理論がある。生命が海(塩分が約3~4%)~陸地の新しい低塩分環境に移るにつれて、我々の体は毎日少しの海水を運ぶようになった。
そして今、人体は塩なしでは生き残れない。塩には電解質であるナトリウムが含まれている。ナトリウムは液体に溶解すると電荷を帯びるミネラルである。我々の血流ではナトリウムとカリウムの粒子が脳、筋肉、神経系に電力を供給する小さな電池の軍隊を作る。
塩が少なすぎると危険
体内のナトリウムが少なすぎると、「水中毒」としても知られる低ナトリウム血症につながる可能性がある。この潜在的に致命的な問題は運動中に汗をかいて電解質を失いすぎると、競技者に発生する可能性がある。そのため、医師は運動時に電解質を補給するためにスポーツ飲料を飲むことを推奨することがよくある。
塩摂取量が少なすぎると、人間の健康にも影響を与える可能性がある。「大量が有害であるという理由だけで、できるだけ少量にする必要があるとは想定できない。それはタバコにも当てはまるかもしれない。明らかにゼロが最適レベルである。しかし、栄養はそのようには旨く機能しない。」と研究者のアンドリュー・メンテは言う。
メンテは、摂取量が1日当たり5 gを超えない限り(カナダ人の1日当たり平均摂取量ははるかに上回っていない限り)、ナトリウムと心臓の健康との関連性を示さない20年間の研究を主導した。全ての栄養素には「適正値」がある、と彼は言う。データによると、塩摂取量が少なすぎると、血管系に損傷を与えることが知られている特定のホルモンの増加に関連している。
我々の中には塩に感受性のある人もいる
「塩を取って下さい」によると、我々の4人に1人だけが「塩感受性」である。これは我々の体が水分を保持し、塩摂取量は高すぎると血圧が上がり、塩摂取量が足りないと血圧が下がることを意味する。何千年も前、我々の食事には塩分が不足していたので、塩分を保持する能力が高いほど生き残るための利点があった。
遺伝学は、誰が塩感受性であるかを決定する上で役割を果たす。そして他の危険要因もある。女性、アフリカ系の人々、45歳以上の人々、および肥満の人々は食事中の塩分量を減らすための措置を講じることを検討することを勧める。
残念ながら、塩感受性を特定するための迅速で費用対効果の高いテストはないが、研究者達はそれに取り組んでいる。しかし、エジンバラの腎臓専門医であるマシュー・ベイリー教授のような一部の専門家達は、我々全員が毎日の必要量よりも多くを摂取している可能性があるため、とにかく削減するための措置を講じる必要があると言う。
我々の体は塩を蓄えており、我々はその理由をまだ学んでいる
2011年にMars500の調査により、我々が頭の中で塩について知っていると思っていたことが変わった。ヨーロッパ、中国、ロシア中の健康な男性がモスクワの疑似宇宙ステーションで18ヶ月間働くことを志願した。とりわけ、これにより研究者達は被験者が摂取および排泄したナトリウムの正確な量を制御および監視する実験を行うことができた。
チームは、被験者が摂取した全てのナトリウムを尿に排泄する代わりに、その一部が転用されて体内に保存されていることを発見した。「塩と水の関係は、我々が信じているものとは完全に異なっている必要がある。」と研究を主導したイェンス・マーク・ティッツェは言う。
塩と水はパートナーであり、反対ではないようである。貯蔵された塩は内側から適用される保湿剤のように水を引き付け、必要な場所に保持しているようである。
その後の研究では、高齢者はより多くの塩を貯蔵しているようであることが示された。我々が年をとるにつれて、我々の肌はそれほど多くの水分を保持できなくなる。塩は組織レベルで水分補給を維持する上で重要な役割を果たすことができるか?年齢も多くの病気の危険因子である。塩の貯蔵は原因または治療法の一部か?ティッツェのチームは調査に取り組んでいる。