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ヒマラヤのピンクソルトは本当に良いか?

Is Himalayan Pink Salt Really for You?

By Zoe Blarowski

care2 2019.03.14

 

通常の塩である精製された食卓塩よりもずっと良いと主張しているヒマラヤのピンクソルトの広告を見たことがあるかもしれない。これらの主張は真実か?単にどちらの塩を選べば良いか悪かよりももっと詳しい話をする。

 

ヒマラヤのピンクソルトとは?

 ヒマラヤのピンクソルトはヒマラヤ山脈の南にあるパキスタンの塩鉱山から採鉱された物であるこれらの塩鉱床は数百万年前に古代海洋の海底から形成された、と科学者達は信じている。ヒマラヤのピンクソルトについて多くの広告は84種のミネラルを含んでいると主張している。しかし、これら84種のミネラルのほとんどは非常に微量である。また、84種の全てが必ずしも有益なミネラルではない。ヒマラヤのピンクソルトは微量の毒物やヒ素、水銀、ウラン、プルトニウムのような放射性物質も含んでいる。

 ヒマラヤのピンクソルトが最も多く含んでいる2つのミネラルはナトリウムと塩化物である。これらは通常の食卓塩の主成分である。アメリカ人の食事ガイドラインは、成人は5.8 g/d以下の塩摂取量であることを勧めた。その量は茶さじ約4杯分に等しいヒマラヤ塩である。それ以上に摂取しても、ヒマラヤ塩に含まれる他のミネラルを意味のある量で摂取できない。

 

塩を摂取すべきか?

 ナトリウムは筋肉や神経を機能させると共に、身体が適正な体液バランスを維持するために重要である。事実、疾患管理予防センターは健康を維持するために少なくとも3.8 g/dの塩摂取量を勧めている。しかし、塩の摂取し過ぎは血圧を上昇させ、心血管疾患の危険率を上昇させることは確立されていた。高塩摂取量も肥満や腎臓疾患のような多くの他の健康状態と関係している。このことから平均的なアメリカ人は8.7 g/dを摂取していることを考えることに関心を持たれている。その量は勧められている最高量の5.8 g/dを既に50%以上になっている。

 通常の食卓塩をヒマラヤのピンクソルトで置き換えても、この問題は解決しない。我々全てが塩摂取量を確実に勧められている5.8 g/d以下にする方法を見つけ出す必要がある。十分なカリウムを摂取することは体からナトリウムを排泄し、悪い効果を減らすことに役立つことを研究は示してきた。新鮮な果物や野菜は自然にカリウムが多く、ナトリウムが少ない。それがより多くの野菜を食べ、どんな形でも塩を減らす別の優れた理由である。

 

ヒマラヤのピンクソルトを食べる証明された有益なことがあるか?

 ヒマラヤのピンクソルトの宣伝は、それには多くの健康利益があるとしばしば主張している。現在、これらの主張を証明するために行われた科学的研究はない。ヒマラヤのピンクソルトは通常の食卓塩よりも加工されていないことは本当である。ヒマラヤのピンクソルトは精製されておらず、採鉱された岩塩は塩として販売される前に粉砕されるだけである。一方、食卓塩は自然に存在するミネラルのほとんどを除く広範囲な精製工程を経ている。

 ヒマラヤのピンクソルトは通常の食卓塩よりも単位容量当たりナトリウム量は少ない。製造者の栄養データによると、ヒマラヤのピンクソルトには使用する6 g (1) 中に約677 mgのナトリウムがある。一方、通常の食卓塩には6 g当たり2325 mgのナトリウムがある。このことは食卓塩よりも約3.5倍少ないナトリウム量であることを意味している。同じ摂取量を維持しようとしている限り、これは良いことである。差を付けるためにもっと多くのヒマラヤ塩を使っても、食卓塩を使うよりも良い。

 

通常の食卓塩の代わりにヒマラヤのピンクソルトを購入すべきか?

 ヒマラヤのピンクソルトを使ったとき、味が良くなると言う人々がいる。食卓塩よりもナトリウムが少なく、痕跡ミネラルが多い。料理にユニークなエッセンスを加える精製された塩を少なくしようと思えば、ヒマラヤのピンクソルトを加えることが、価値があるかもしれない。しかし、大きな健康利益があると期待してはいけない。

 しかし、もっと安い塩で調理しようと思えば、通常の食卓塩が良い。食卓塩は一般的にヨードで強化されていることを忘れてはいけない。ヒマラヤのピンクソルトに代えることを決めれば、海藻、プルーン、卵、ライマビーンのような他の給源からヨードを確実に摂取する必要がある。