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WHO、年間190万人の死因となる一般的な台所用品に警鐘を鳴らす

WHO Raises Alarm on Common Kitchen Ingredient Linked to

 1.9 Million Deaths a Year.

By Faye Brennan

https://bestlifeonline.com/    2025.02.03

WHOは世界的な健康危機の原因となっている塩の使用を減らすための新しいガイドラインを発表した。

 

 塩はほとんどの台所で定番で愛用されている必需品である。お湯を早く沸かす、肉を柔らかくする、料理の味をつける、食品を発酵させるなど、あらゆる用途に使用できる。しかし、世界保健機関(WHO)は、この一般的な調理補助食品が実は世界的な健康危機の根源であると警告している。

 2025127日に発売された新しいガイドラインでは、WHOは、高血圧を減らし、非感染性疾患による年間数百万人の死亡を防ぐため、世界中の人々に通常の塩を低ナトリウムの代替品に置き換えることを推奨している。この新しいガイドラインを理解し、それがあなたにどのような影響を与えるかについては、以下を読んで下さい。

 

WHOはなぜ塩代替品を推奨しているか?

 塩は、WHOが回避可能であると考えている世界的な健康危機の一因となっている。「世界中で毎年190万人が過剰なナトリウム摂取が原因で死亡している」と、WHOは新しいガイドラインの要約で述べている。

 過剰なナトリウムを多く含む食事は高血圧のリスクを高め、心血管疾患、脳卒中、慢性腎臓病、その他の致命的な病状につながる可能性がある。

 2019年の最新統計によると、世界のナトリウム摂取量の平均は1日4.3 gである。これは、WHOが成人に推奨する1日2 g2倍である。このガイドラインは2012年から実施されており、「子供のエネルギー要件に基づいて下方調整」する必要がある。

 「2030年までに国民のナトリウム摂取量を30%削減するという世界目標を達成するために加盟国が努力しているにもかかわらず、進展は遅い」とWHOは述べている。塩化ナトリウムは依然として「消費者と食品製造の両方で食品に添加される最も一般的な塩」であることを認めている。

 世界中で過剰に摂取されているナトリウムに対抗し、関連する病気のリスクを減らすため、WHOは現在、平均的な台所の料理人から大手食品メーカーまで、すべての人に「緊急かつ迅速な行動」を推奨し、低ナトリウム塩の代替品を採用し始めている。

 

低ナトリウム塩の代替品とは?

 「低ナトリウム塩代替品は、消費者が調理中や食事中に食品に加える塩として任意で使用する場合と加工食品やレストランやその他の家庭外の場所で提供される食品に含まれる成分として任意ではない使用の両方で、通常の塩の代替品である」とWHOは説明している。

 店頭では、「低ナトリウム塩」、「ハートソルト」、「ミネラル・ソルト」、「減塩塩」などのラベルで見つけることができる。WHOが推奨する主な低ナトリウム塩代替品は、塩化ナトリウムを塩化カリウムに置き換えたカリウム強化塩で、味は似ており、健康上の利点がいくつかある。

 カリウムは、豆、エンドウ豆、ナッツ、緑の野菜などの食品に含まれる必須ミネラルで、血圧を下げ、心血管疾患のリスクを減らす効果がある。WHOは1日3.5 gのカリウム摂取量を推奨しているが、ほとんどの人はその量を摂取できていない。

 通常の塩をカリウム強化塩に置き換えることで、世界中の人々が毎年何十万人もの心血管疾患による死亡を防ぐことが研究で示されている。

 

より健康的な塩代替品を採用することの課題

 しかし、カリウム強化塩がまだ広く普及していないのにはいくつかの理由がある。WHOは、「血中カリウム濃度が高すぎると(高カリウム血症)、特に腎機能障害のある人にとって有害となる可能性があるため、その安全性について懸念が生じている」と報告している。

 研究によると、これは世界の人口ごく一部に当てはまるが、それでも彼等はWHOの新しいガイドラインの対象外となっている。さらに、The Conversionによると、低ナトリウム塩代替品は高価で、広く入手できるわけではない。例えば、カリウム強化塩は47ヶ国でしか販売されておらず、通常の塩の15倍の値段がすることもある。

 WHOはこれらの制限を認め、次のように述べている。「消費者にとっての主な障壁は、低ナトリウム塩代替品の入手のしやすさ、価格の高さ、認知度の低さ、味の悪さ、健康上の利点の認識不足などである。低ナトリウム塩代替品のコストの高さと、腎臓病患者における高カリウム血症のリスク増加の可能性に関する懸念は、政府が低ナトリウム塩代替品を推進するのを妨げる潜在的な障壁である。」

 

塩摂取量を制限する方法

 妊娠しておらず、カリウム排泄を阻害する可能性のある腎機能障害のない成人というWHOの説明に当てはまる場合は、低ナトリウム塩代替品への切り替えを検討できる。

 塩摂取量を減らす他の方法としては、新鮮な果物、野菜、赤身のタンパク質を多く食べることなどがある。これらは自然にナトリウム含有量が低いからである。同時に、隠れたナトリウムを過剰に含んでいる加工食品は避ける。

塩摂取量をコントロールするために、自宅で食事を作ろう。缶詰や保存食品を輸入する場合は、「減塩」または「無塩」のオプションを探す。外食するときは、注文時に塩分を控えるように頼んだり、塩分がたっぷり含まれている揚げ物よりも、グリル、蒸し、ローストのメニュー・オプションを選ぶ。

 このような小さな変化を加えることで、ナトリウム摂取量を大幅に減らすことができ、高血圧、心臓病、脳卒中のリスクを軽減できる。