Mengが固体陽極フリー・ナトリウム・イオン電池の
最新情報を発表
Meng Publishes Update on Solid-State Anode-Free Sodium-Ion Batteries
By battery power Online Staff
https://www.batterypoweronline.com/ 2024.07.09
7月3日、シカゴ大学のShirley Meng研究室がカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者と共同で行なった研究が、Nature Energy誌に掲載された。
Mengが国際電池セミナーおよび展示会で初めて結果を発表した後、この春の初めにこの研究の大部分を報じた。この研究で、Mengと同僚達は数百回のサイクルを実行するアノード・フリーの固体ナトリウム・イオン電池の開発に成功したことを説明している。
出版を発表するプレス・リリースで、ナトリウム・イオン電池が望ましい理由を次のように説明した。「アメリカを1時間稼動させるには、1テラワット時のエネルギーを生産する必要がある。」その大きな需要を満たすには、低コストの電池を迅速に大量に生産する必要があると彼女は言う。地殻中のナトリウムはリチウムの約1,000倍豊富であるため、入手が容易で安価であり、この需要を満たすのに役立つことが十分に期待できる。液体電解質と従来のアノード材料を使用するナトリウム・イオン電池は、残念ながらリチウム・イオン電池に比べてエネルギー密度がはるかに低いが、固体設計とアノード・フリーのアーキテクチャを組み合わせることで、実際にリチウム・イオン技術と競合できる。論文の計算によると、理論上のエネルギー密度は700 Wh/L(350 Wh/kg)に達する可能性がある。
この形式で成功を収めるために、Mengと同僚達は集電体と電解質の密着性を高めるために特別な努力をし、最終的に高密度のペレット化アルミニウムを集電体として使用することにたどり着いた。筆頭著者のGrayson Deysherは、この高密度アルミニウムがどのようにして優れた電池性能を実現したかについてさらに詳しく述べている。「アノード・フリーの電池では、電解質と集電体の間に良好な密着性が必要である。」と同氏は述べる。「液体電解質に使用すると、液体がどこにでも流れてあらゆる表面を濡らすことができるため、これは通常非常に関係である。固体電解質ではこれができない。」ここでペレットの高密度化が役立った。レポートの集束イオンビーム走査型電子顕微鏡実験では、ペレットが十分に高密度化されていない場合など、集電体に細孔が存在すると、ナトリウム金属が閉じ込められ、放電時に剥がれないことが示された。アルミニウム・ペレットの柔らかさにより、最終的にペレットをしっかり押し付けて空隙を制限し、繰り返しのサイクルを可能にするために必要な緊密な界面を維持できた。
最終刊行物でも、これまで作成された電池のエネルギー密度が低いことは事実であり、これは主に利用可能なナトリウム陰極液のイオン伝導性が限られているためであり、伝導性を向上させるための取り組みが進行中である。この研究は、有用なナトリウム・イオン電池に向けた重要な一歩である。