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ナトリウム・イオン電池材料

Sodium-Ion Battery Materials

https://www.batterydesign.net/      2023.01.29

 ナトリウム・イオン電池とリチウム・イオン電池の電池コンポーネントの多くは、2つの技術の類似性により類似している。この記事ではナトリウム・イオン電池材料の概要を説明する。

 

陽極材料

  ポリアニオン・タイプの材料:リン酸鉄リチウム電池と構造が似ており、構造安定性があり、望ましい作動電位で優れたサイクル性能を備えている。しかし、導電性が低いため制限がある。研究者達は、表面導電性の修飾、ドーピング、形態の最適化など、導電性を向上させるための数多くの戦略を研究している。

  プルシアン・ブルー類似物:ナノ多孔質のオープン・フレームワークを採用し、迅速なイオン伝導性を提供する、高度に調整可能なファミリーのシアノ配位ポリマーである。プルシアン・ブルー類似体はナトリウムの()インターカレーション中に結晶構造の変化が最小限に抑えられ、長いサイクル寿命をもたらす。しかし、プルシアン・ブルー類似体は比較的低いエネルギー密度を提供する。

  ナトリウム層状酸化物:NaxMO2の一般式を持つリチウム層状酸化物と同様の構造で、Mは金属の混合物と考えることができる。正確な組成によって、材料の構造とその特性が決まる。主要な層状酸化物は、高い理論比容量とエネルギー密度を提供する。しかし、サイクル中には重大な構造変化が一般的であり、界面劣化や大幅な容量低下につながる。

 

陰極材料

  硬質炭素:高容量かつ低コスト。しかし、充電反応電位は金属ナトリウムの析出電位に非常に近いため、安全性の問題がある。より高い容量を実現するための研究開発が進行中である。

  軟質炭素:硬質炭素よりも電圧が高いが、容量が低いという欠点がある。

  プルシアン・ブルー類似物:これらの材料は、陰極材料と陽極材料の両方として使用できる。高電流と長いサイクル寿命が特徴である。しかし、エネルギー密度はさまざまな候補の中で最も低くなる。

金属陰極もナトリウム・イオン電池用に研究されているが、商業用途としてはまだ検討されていない。

 

電解質とセル成分

 ナトリウム・イオン電池の電解質は通常、有機溶媒に溶解した金属塩で構成されている。NaClO4NaPF6などのナトリウム塩を使用できる。しかし、NaClO4には爆発の危険姓があり、NaPF6には水と反応して有毒なフッ化水素が発生する危険性がある。ナトリウム・イオン・システムで使用される有機溶媒(例:ジメチルカーボネイト)を使用できる。

 他のセル構成要素であるセパレーターは、リチウム・イオン・システムで使用されるものと類似している。ナトリウムは低電圧ではアルミニウムと合金化しないため、アルミニウムは陰極と陽極の両方の集電体に使用できることに注意する。