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CALT次世代のナトリウム・イオン電気自動車電池を全面的に

組み込む

CALT Goes All in on Next-Gen Sodium-Ion EV Batteries

By Takashi Kawakami

https://asia.nikkei.com/       2021.08.26

 

広州-産業情報技術省が将来の電池となる可能性のある物用の基準を作成すると発表した後、電気自動車市場をナトリウム・イオン電池にシフトすると言う中国の電池製造者CALTの探求は水曜日に中央政府から後押しを受けた。電気自動車用電池の世界最大の供給者であるCALTは先月のオンライン・ブリーフィングで、2023年にナトリウム・イオンの代替品を完全に発売することにより、リチウム・イオン電池から業界を遠ざけるという野心的な計画を発表した。

 これは「我々の若い科学者達の最新の業績」であると、Robin Zengとしても知られているZeng Yuqun会長は語った。さらに、ナトリウム・イオン電池は「リチウム・イオン電池と互換性があり、補完的である。」と彼は付け加えた。CALT2023年にナトリウム・イオン電池の基本的なサプライチェーンを形成することも計画していると、CALT研究所の副所長であるQisen Huangはプレゼンテーションで述べた。

 ナトリウム・イオン電池は次世代の電気自動車用電池として有望である。CALTによると、セルはリチウム・イオンの従兄弟よりも速く再充電できるだけでなく、低温でも十分に機能する。ナトリウム・イオン電池のエネルギー密度は1 kg当たり160 Whで現在、リチウム・イオン電池よりも低い。しかし、CALTはメートル法で1 kg当たり200 Whに引き上げる計画であると述べている。CALTはこの問題に触れていないが、ナトリウム・イオン電池の最大の利点は希土類金属を使用しないことである。

 みずほ銀行の主任研究員であるTang Jinは「原材料の安定調達や低コストなど、様々な綿でメリットがある。」と語った。リチウム・イオン電池は電極にリチウムと希土類金属ではなくコバルトを使用している。リチウムの生産は南アフリカとオーストラリアに集中している。中国は特に青海省でリチウムを独立して生産しているが、需要を満たすには元素の輸入が必要である。

 世界中の政府が脱炭素化を推進し始めるにつれて、世界の自動車製造者は電気自動車の生産を拡大している。これにより、最近、中国で炭酸リチウムの価格が急騰した。今月の炭酸リチウム1トンの価格は15,400ドルを超え、1年前の2倍以上になった。ナトリウムは海水から低コストで抽出できるため、より安価な代替品である。ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池に比べて原材料費を約30%削減できると推定されている。CALTはリチウム・イオン電池製造装置を変更しないでナトリウム・イオン電池に再利用できると述べている。

 正式にはContemporary Amperex Technology C., Ltdとして知られているCALTは、競争上の優位性を築き上げてきたリチウム・イオン電池の生産を引き続き拡大することが期待されている。同様に、同社は1回の充電で長距離を走行しない手頃な価格の電気自動車にナトリウム・イオン電池を供給する可能性がある。2025年のCALTの電池生産能力は、昨年のレベルから5倍になると予想されている。混合物中のナトリウム・イオン電池のより大きなシェアは収益への悪影響を和らげるであろう。

 中国の他の場所で、SVOLT Energy Technologyは先月、コバルトを含まないリチウム・イオン電池の大量生産を開始したと発表した。昨年、世界のコバルト生産量の約70%がコンゴ民主共和国からのものであり、リチウムよりも供給地域は偏っている。

 原材料の供給に対するコストと制限は別として、企業は安全上の懸念から次世代電池を開発してきた。リチウム・イオン電池は耐衝撃性が低く、火災は長年の問題であった。中国の電気自動車製造者であるNioは衝撃に耐えるタイプの全固体電池を搭載する予定の自動車を来年発売すると発表した。電気自動車が全ての自動車のシェアを拡大するにつれて、自動車の生産コストの相対的な部分を占める重要な電池は潜在的な責任にさらされるようになる。韓国のLG Chemからの電池を入手しているゼネラル・モーターズは電池火災のリスクがあるため、一連の大規模なリコールを発行した。Chevy Boltsの最新のリコールは約10億ドルかかると見積られている。LG Chemはタブーの一部を拾うことを余儀なくされる。代替電池の開発はリコールによるフォールアウトを制限することも目的としている。

 Everbright Securitiesによると、CALTの他に世界中で約30社がナトリウム・イオン電池の商品化を試みている。中国の証券会社によると、電池は工業化の初期段階にあるという。しかし、ナトリウム・イオン電池は、原材料を安全に管理するための高度な技術が必要になる。電池はエネルギー密度の点でまだリチウム・イオン電池を下回っている。

 日本、韓国、欧米諸国のライバルが次世代電池の開発を競っている。トヨタ自動車は2020年代初頭に全固体電池の商品化を目指している。現代自動車とフォルクスワーゲンは開発提携で電池製造者とペアを組んでいる。