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食卓塩中のマイクロプラスチック

Microplastics in Table Salt

By Eva Coles

https://amosinstitute.com/       2022.11.22

 

Plastic particles on a plate

 

 マイクロプラスチックはどこにでも存在する。プラスチックにとっての砂はガラスに相当するこれらの微小粒子は、陸と海の両方にほぼ遍在するようになった。2016年以来、毎年480万トンから1,270万トンのプラスチックが海に流入し、平均的な成人は年間2,000個のマイクロプラスチックを摂取している可能性がある。そうすれば我々が消費する魚を通してマイクロプラスチックが我々の食物連鎖に入り込んでいることを知っても驚くべきことではないであろう。さらに最近では、それらが食卓塩にも存在することが判明した。マイクロプラスチックが人体に及ぼす影響は依然として不明であり、マイクロプラスチックへの曝露の増加は避けられないため、マイクロプラスチックの起源と曝露を軽減する方法をより深く理解することは、我々の健康にとって極めて重要である可能性がある。

 

マイクロプラスチックとは何か?また何処から来たのか?

 「マイクロプラスチック」という用語は、サイエンス・マガジンの有名な2004年の記事で作られた。この記事の著者らは、海岸および海洋生態系で劣化したプラスチック粒子を初めて発見した。

 簡単に言うと、マイクロプラスチックは時間の経過と共に環境中で劣化および分解された、より大きなプラスチック製品(ボトル、容器、袋など)の直径5 mm未満の破片として分類される。プラスチックは完全に劣化するまでに最大600年間耐久できるが、この劣化プロセス全体を通じてマイクロプラスチックの形成と放出が発生する。海洋では、紫外線曝露による光劣化などの環境風化による物理化学的変化により、プラスチックの特性が変化し、酸化や粒子の放出につながる可能性がある。

プラスチックはいくつかの方法で海洋に流入する:

  プラスチックをリサイクルせずに通常のゴミ箱に捨てる:ほとんどのゴミは埋立地に送られるため、プラスチックは軽いため吹き飛ばされることが多く、最終的には皮や排水溝に流れ込み、通常は海につながる。

  ポイ捨て:プラスチックを地面に捨てると、ほぼ確実に小川、川、排水溝に流れ込み、最終的には海に流れ込む。

  排水管に流れる製品:ウェットティッシュ、綿棒、生理用品などの日用品は、分解されてマイクロプラスチックになる可能性がある。前述したように、ほとんどの排水溝は海につながっている。

  洗濯物から出るマイクロファイバー:これらは小さすぎるため、下水処理場のろ過塩システムで溝、川、海に流れ込むことができない。

 

なぜ心配する必要があるのか?

 マイクロプラスチックの化学的特性は、簡単には分解されないものである。その結果、マイクロプラスチックは生体内に蓄積する可能性があり、これはマイクロプラスチックが完全に排泄されずにさまざまな組織に蓄積することを意味する。これは海洋生物種で示されており、さらに最近では人間の組織でも示されている。そうは言っても、人がマイクロプラスチックを摂取することに関連する健康リスクについてはほとんど知られていない。ラットと魚を対象に行なわれた研究では、マイクロプラスチックが炎症反応を活性化し、細胞に損傷を与える可能性があることが示唆されている。

粒子サイズに応じてマイクロプラスチックは:

  血液脳関門を通過する可能性がある。これはアルツハイマー病などの神経変性疾患に劇的な影響を与える可能性がある。炎症がアルツハイマー病にどのように寄与するかについて詳しくは、炎症性アルツハイマー病に関する最近の記事を読んで下さい。

  胎盤を通過する可能性がある:これは妊娠中にマイクロプラスチックへの曝露が母親から子供に伝染する可能性があることを意味する。

  細胞膜を通過する可能性がある:これは、粒子が十分に小さければ、細胞の内外を自由に移動できることを意味する。

人体へのマイクロプラスチックの摂取を明確に調査した研究は存在しないため、健康への影響歯すべて推測されることを覚えておくことが重要である。

 

それでは、食塩にはマイクロプラスチックが含まれているか?

 結局のところ、いくつかの研究で世界中の食卓塩からマイクロプラスチックが検出されている。11件の台湾の塩製品を調査した最近の調査では、すべての製品に様々なレベルの汚染が発見された。別の論文では、世界中で100件以上のブランドからマイクロプラスチックが検出されたことを指摘し、食塩は、水と吸収と並ぶマイクロプラスチック曝露の3つの主要な発生源の1つであると述べている。さらに、39件の塩ブランドの調査により、アジアがマイクロプラスチックへの曝露のホット・スポットである可能性があることが明らかになった。

 塩は海、湖、岩の3つの供給源から得られる普遍的な家庭の必需品である。マイクロプラスチックが食卓塩に侵入する主な経路は2つあるようである。

1.    マイクロプラスチック粒子の形成と遍在につながる海のプラスチック汚染の結果としての環境汚染(すなわち、海洋または湖からの)。これは海塩や湖塩に入るマイクロプラスチックの主な発生源である。

2.    特定のプラスチック製品、工具、最終包装材料の使用から粒子が「漏出」する、加工および包装中の汚染。これは、岩塩中のマイクロプラスチックの発生源と考えられている。

 

それについて何ができるか?

 良いニュースとしては、ほとんどの研究者達が環境中のマイクロプラスチックの量が人間の健康に影響を与えるほどではないことに依然として同意しているということである。しかし、プラスチック廃棄物は2040年までにほぼ2倍になると予測されているため、これらの数値はさらに増加すると予想される。では、マイクロプラスチックへの曝露を減らすために取れる行動はどのようなことがあるか?

  購入する塩を変更する:高品質の塩または岩塩を購入する。理想的には、プラスチック以外のパッケージを選択する。

  再利用可能なウォーター・ボトルを入手する:ガラス製またはステンレス製のボトルは、プラスチック製のウォーター・ボトルを購入する意欲を失わせ、長期的にはお金を節約できる。

  プラスチック包装の食物や飲物を避ける:可能な限り、ガラスまたはステンレス・ボトルに入った飲物、バラの農産物を購入する。

  ガラス/木製のタッパーウェアを入手する:できればガラスまたは竹のカバーとシリコンの裏地がついたセットをオンラインで簡単に注文できる。

  食品や乾物はガラス容器/瓶に保管する:マイクロプラスチックがプラスチック容器から漏れる可能性があることが分ってきているので、これらをできるだけ最小限に抑える。

  従来のジップロックやその他のビニール袋の代わりに食品用のシリコン袋を使用する。これらの袋はオフラインまたはほとんどの食料品店で購入できる。

 

どの塩のブランドが最高か?

 ここでレビューした研究に基づくと、アジア産の塩が最もマイクロプラスチック汚染が多いと考えられ、次に太平洋海塩、ケルト海塩、ヒマラヤ岩塩が続く。では、マイクロプラスチックへの曝露を減らすことを考える場合、どのブランドがお勧めか?

  レドモンドの本物の塩:このブランドは、海にさらされていないユタ州の古代の塩鉱床から塩を調達している。実際、ある論文では、ユタ州の塩にはマイクロプラスチック量が最も低い塩が含まれていることが判明した。

  Jacobson Salt Co:同社の塩はオレゴン海岸から供給されている。太平洋にはより多量のマイクロプラスチックが含まれている可能性があるが、同社はこれらの粒子を0.55ミクロンのフィルターでろ過すると主張している。

ヒマラヤ岩塩についてのメモ:パキスタンの塩鉱床から供給されるこの塩は、その人気が高まっているため、言及する価値がある。岩塩であり汚染はほとんどないと思われるが、最近の研究では、あるブランドには最高レベルのマイクロプラスチックが含まれていることが実証された。これは加工方法や梱包方法が原因である可能性があるため、非プラスチック素材で梱包された高品質の製品を探すことが重要である。

念のため言っておくが、これは単にまだ十分な情報が得られていないため、多量のすべての食卓塩を避けるべきと言う勧告ではない。我々は皆、この学習プロセスに一緒に取り組んでいる。この記事の目的は、情報に基づいた購入の決定に役立つ最新の知識を提供することである。

 

結論:

 マイクロプラスチックはいたるところに存在しており、減速の兆しは見えない。人間の健康への影響をより深く理解するには、さらなる研究が切実に必要である。食塩などの海産物の汚染は今後も増加する可能性が高いため、曝露を軽減するための措置を講じることで、まだ説明できない方法であなたを守ることができる可能性がある。岩塩や高品質の塩を選択すると、環境と製造方法の両方からの汚染を軽減できる。これが認知機能にどのような影響を与えるか分からない場合は、機能医学の訓練を受けた医師または栄養士に相談すると、大きな違いが生じる可能性がある。今すぐアモス研究所に連絡して、健康に対する機能医学的アプローチの訓練を受けた栄養士との予約を取ろう。