塩は健康に良いのか悪いのか?塩に関する大論争を探る
Is Salt Good or Bad for Your Health Exploring the Great Salt Debate
https://www.alexisfitcocoaching.com/ 2024.05.28
このブログ記事を作成するために、数ヶ月前から記事や研究調査を集めていたが、その後、執筆を先延ばしにしてきた。そして今になって…(ブログの下部にTLDRがある)
まずは塩とは何かを定義しよう。塩は塩化ナトリウム、つまり食塩でできている。塩は40%がナトリウム、60%が塩化物である。ナトリウムはグルタミン酸ナトリウム、重曹、防腐剤として硝酸ナトリウムによく含まれている。
人体のすべての生きた細胞にはナトリウム-カリウム・ポンプと呼ばれる細胞タンパク質があり、これらのポンプはナトリウム・イオンとカリウム・イオンを細胞内外に押し出して「活動電位」と呼ばれるものを作り出す。これらの活動電位はカルシウム・イオンを細胞内に送り込み、心臓と骨格筋の両方の筋肉収縮や消化管を通した消化運動を引き起こすこともできる。十分なナトリウムとカリウムがなければ、体はこれらの活動電位を生成することが難しくなり、頭痛、脳のもや、エネルギー不足、筋肉痛/痙攣、脱力感などの症状を経験する可能性がある。
ナトリウムとカリウムは、体内の水分バランス、ひいては全身の水分補給状態を調節するのにも重要である。飲む水が少ないほど、体内に保持できる塩分が多くなり飲む水が多いほど、尿中に排出され塩分(およびその他の電解質)が多くなる。注目すべきその他の重要な電解質は、マグネシウム、カルシウム、塩化物、リン、重炭酸塩である。
脱水症は、体から失われる水分の総量と定義され、深刻な損失は体から失われる水分の5%を占めるが、1%でも臨床上問題となることがある。脱水症の症状には、喉の渇き、尿の色が濃くなる、皮膚の乾燥や唇のひび割れ、頭痛、気分のむら、脳のもや、疲労、筋肉痙攣、便秘、吐き気、めまい、低血圧、心拍数の上昇などがある。
「成人の正常な生理学的恒常性を維持するために必要な塩分量は1日当たり1.25 g未満であることは十分に立証されている。」しかし、これは身体活動の増加、日常的な動き、仕事の要求、社会的要求、現在の食事制限/制限などを考慮したものではない。「ナトリウム・イオンは必須の非カロリー栄養素であるため、塩摂取量をどの程度減らすべきかについては、この分野で議論が続いている。」
塩分は、高血圧、腎臓病や肝臓病、心臓病のリスク増加など、健康に悪影響を及ぼすと長い間非難されてきた。疾病管理予防センター(CDC)によると、アメリカ人は1日平均3,400 mg以上のナトリウムを摂取しており、これは1日2,300 mg未満という国の推奨量を上回っている。慢性腎臓病や糖尿病を患っている場合は、総ナトリウム摂取量を1日1,500 mg未満に減らすよう推奨されこともある。あるブランドは「なぜ我々は現代の生活に浸透している砂糖の多い食品の摂取過剰と運動不足について語らないのだろうか。ナトリウムは便利で分かりやすいスケープゴートであるからである。政府が砂糖業界に年間40億ドルもの補助金を出しているからである。多くの人が頻繁に運動する必要があると聞きたくないからである。」と主張している。
慢性的な健康上の懸念がない人にとって、ナトリウムと水分の保持は、体がこの2つをうまく調整するため、通常は問題にならないが、CDCは、心血管疾患のリスクを減らすために、ナトリウムの摂取量を1日当たり2,300 mgに制限することを推奨している。ただし、十分な塩分を摂取しないと、問題が発生する可能性がある。十分なナトリウム摂取量がないと、体は血圧上昇ホルモンを刺激して、ナトリウムの損失を回避しようとする。そのため、十分なナトリウムがないと、血圧が実際に上昇する可能性がある。また、バランスを維持するために体が骨から電解質を引き出さなければならない場合、骨密度が低下するリスクが高くなる。
一方、塩は健康分野では、我々が十分に摂取していない必須電解質として注目されてきた。では、塩はどちらなのか?制限する必要があるのだろうか、それとももっと摂取する必要があるのだろうか?栄養に関する推奨事項はどれも、個人によって異なる。それでは、いくつかの研究が何を言っているのか、そしてそれが誰に当てはまるもかを見てみよう。
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研究1:1988年に実施された古い研究では、20歳から59歳の男女10,000人以上を対象に、24時間の尿中電解質排泄と血圧との関係を評価した。この研究では、尿中ナトリウム排泄量害が多い人ほど、体格指数(BMI)とアルコール摂取量を考慮に入れても収縮期血圧(p<0.001)と拡張期血圧(p<0.05)が上昇することが分った。週300 mLを超えると定義される大量のアルコール摂取量も、血圧上昇と強く関連していた。
この研究から、特にBMIが高い人や1週間に300 mL以上のアルコールを摂取する人の場合、ナトリウム摂取量を減らすと血圧に良い影響があるかもしれないと推測できる。
研究2:2018年の比較的新しい研究。心不全患者の塩摂取量を減らすこととその潜在的な利点について検討した9件の研究の体系的レビュー。この研究では、心不全患者479人を対象に、食事中の塩摂取量を減らすことを裏付けるか無効にするかの証拠があるかどうかを判断した。心不全とは、心臓が体の他の部分に血液を送り出すのに十分な力を持たない状態である。これにより、体液貯留、つまりナトリウム貯留が起こり、最終的には心膜液貯留が起こる。心膜液は、心筋を取り囲む体液によって心筋の機能にさらに影響を及ぼす。
入院患者については結論を導き出すのに十分なデータがなかったが、外来患者集団については、2件の研究では塩摂取量制限によって心不全が改善されなかったが、他の2件の研究では大幅な改善が見られた。この研究では、結論や推奨事項を導き出すのに十分な結果は得られなかった。
研究3:空腹時の尿中ナトリウムおよびカリウム排泄量(このブログではナトリウムについて取り上げているため、カリウム排泄量については取り上げない)と、心血管疾患また糖尿病の患者における心血管疾患のリスクについて調査した。これは、合計28,880人の個人を含む2つのコホ-トを調べた56ヶ月の追跡調査を伴う観察研究であった。
この研究では、尿中ナトリウム排泄量が1日7 gを超える心血管疾患による死亡リスクが高まり、尿中ナトリウム排泄量が1日3 g未満の場合は心血管疾患による死亡や鬱血性心不全による入院リスクが高まることが分かった。
なお、尿中ナトリウム排泄量は、十分な腎機能、水分摂取量、ナトリウム摂取量、および体内の全体的な電解質バランスに大きく依存する。
この研究から、尿中ナトリウム排泄量が多すぎる(7 g)または少なすぎる(3 g)と、心血管疾患または糖尿病と診断された人の心血管疾患による死亡および心不全による入院の増加と関連していることが推測できる。
研究4:2018年に実施され、30歳から64歳の正常血圧の被験者2,632人を対象に、16年間の追跡調査で食事中のナトリウムが血圧に及ぼす長期的な影響について調査した。
この研究では、「16年間の追跡調査の結果、収縮期血圧と拡張期血圧値が最も低かった人(それぞれ129.5 mmHgと75.6 mmHg)は、ナトリウムとカリウムの両方の摂取量が多かった人であり、収縮期血圧と拡張期血圧値が最も高かった人(それぞれ135.4 mmHgと79.0 mmHg)は、両方の摂取量が少なかった人であった。ことが判明した。
この研究は、健康な個人におけるナトリウム摂取量を1日2300 mg未満の推奨値まで下げることを支持するものではないと結論付けられた。
研究5:2017年に発表された研究で、65歳以上の高齢者920名を対象に、尿中ナトリウム排泄量、心血管疾患、死亡率の関連性を調査した。これはコホート研究であり、研究者は共通の特徴を持つ個人のグループを長期にわたって観察したが、何も制御されていない。
この研究では、尿中ナトリウム排泄量が多いことがこの高齢者集団の悪影響と関連しておらず、ナトリウム排泄量が少ないことが、特に虚弱な参加者の死亡率増加と関連していることが分った。これは、ナトリウム制限が高齢者集団に役立たない可能性があることを意味する。
研究6:2024年に発表されたこの研究では、塩代替品が正常血圧の成人における高血圧と低血圧の発生率に与える影響を調査した。この研究では、2年間にわたり中国人の高齢者介護施設48ヶ所を調査し、通常の塩を代替品に置き換えると高血圧の発生率が低下し、低血圧の発生率は増加しないことが分った。平均血圧値は塩代替品群ではベースラインから増加しなかったが、通常の塩群では増加した。
この研究は、正常血圧の中国高齢者の高血圧の発生率を減らすために塩代替品を使用することを支持している。
記事7:2023年に公開されたこの記事は、心不全患者の場合、ナトリウムを現在の推奨値(2300 mg/d)以下に減らすと逆効果になる可能性があると述べている。「平均的なアメリカ人は1日当たり3.4 g以上のナトリウムを摂取している。」一方で、メタ分析では「1日当たり2.5 g未満のナトリウム摂取目標の食事をしている患者は、「1日当たり2.5 g以上のナトリウム摂取目標の食事をしている患者よりも死亡する可能性が80%高かった」ことが分った。
2022年に公開されたこの研究では、合計1705人を対象として17件のランダム化比較試験をレビューし、ナトリウム制限によって心不全患者の全死亡率、入院、または死亡/入院の複合リスクが軽減されないことが判明した。ナトリウム制限によりニューヨーク心臓協会クラスが改善したことを示したランダム化比較試験は2件(データの2/3を占める)あった。
研究8:2023年に発表された研究では、食品への塩分添加とそれが慢性腎臓病の発症率に与える影響について調査した。これはコホート研究であり、被験者は食品に塩分を添加する頻度について自己申告のデータを提供した。被験者は研究開始時点で心血管疾患に罹患していなかった。食品に塩分を多く添加した被験者は、ベースラインで体格指数が高く、現在喫煙者であり、糖尿病または心血管疾患を患っていることが判明した。このことと、自己申告のデータであるという事実を知った私は、患者やクライアントに塩摂取量について教育する際にこの研究結果を利用する可能性は大幅に低くなる。
この研究では、性別、年齢、人種、民族、体格指数、タウンゼント貧困指数(失業状態、自動車非保有者、ホームレス、その他のSES値を含む)、喫煙、飲酒、定期的な身体活動、高コレステロール、心血管疾患、および糖尿病をベースラインで調整し、「食品に時々塩を加えると回答した人、食品に通常塩を加えると回答した人、食品に常に塩を加えると回答した人と、食品に塩をまったくまたはめったに加えないと回答した人を比較した場合、関連性は弱まったものの依然として有意であった」ことが判明した。ベースラインで高血圧、感染症、免疫疾患、およびネフローゼ薬を調整した後でも、関連性は同じであった。これは何を意味するのか。「食品に時々塩を加える」ことは、特に糖尿病患者、心血管疾患患者または体格指数が高い場合、慢性腎臓病を発症するリスクを高める可能性があるということである。
この研究は、既存の併存患者があると、塩摂取量の増加に敏感になり、現在の状態が悪化したり、他の病状を発症したりする可能性があるという重要な事実を強調している。
研究9:2012年に発表され、心不全の食事中のナトリウム摂取量を調査した。「興味深いことに、そして逆説的に、一般集団に推奨される1日のナトリウム摂取量1500 mgは、ほとんどのガイドラインで心不全患者に提案されている制限よりも少なく、矛盾しているように見える。」
「症状のある心不全患者であっても減塩を遵守するのは困難で、3日間の食事日記によると遵守率はわずか33%と推定されている。」
以下の表は、特定の組織が推奨する比較的最近の減塩ガイドラインの概要である。
動物実験では、食事中のナトリウムを制限すると、心拍出量(心臓機能)が減少し、血管抵抗が増加し、その結果、レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系が活性化され、血圧が上昇し、ナトリウムが保持されることが分った。
高ナトリウム食(2760 mg/d)と1 Lの水分制限は、腎機能に大きな影響を及ぼさなかった
年 |
ガイドライン名 |
ナトリウム制限 |
2010 |
アメリカ人の食事ガイドライン |
全成人で2.3 g以下、50歳以上のアフリカ系アメリカ人、高血圧、糖尿病、または慢性腎臓病者は1.5 g/d以下 |
2013 |
世界保健機関 |
全成人で2 g/d以下 |
2020 |
アメリカ心臓協会 |
全成人で1.5 g/d以下 |
2010 |
アメリカ心不全協会 |
全ての心不全患者で2-3 g/d、中程度のから重症の心不全患者で2 g/d以下 |
2019 |
アメリカ糖尿病協会 |
糖尿病患者で2.3 g/d以下、糖尿病患者と高血圧者で1.5 g/d以下 |
2016 |
ヨーロッパ心臓病学会 |
全成人で5 g/以下 |
2017 |
カナダ心臓血管学会 |
全成人で2 g/d以下 |
2015-2020 |
アメリカ人の食事ガイドライン |
全成人で2.3 g/以下 |
2012 |
腎臓病:世界的な結果の改善 |
腎臓透析してない慢性腎臓病患者で2 g/d以下 |
(血清クレアチニンおよび尿素態窒素値を見ると)、その逆が真実であり、低ナトリウム食は腎臓の血液マーカーを増加させることが示され、これは好ましくない。
この研究のために、「ナトリウム摂取量は「非常に低い」(1日230~800 mg)、「低い」(1日1610~2000 mg)、「中程度から高い」(1日2300~5750 mg)の食事摂取量に分類される。いくつかの研究では、心不全または心不全以外の再入院率および死亡率として定義される有害事象率は、低ナトリウム食で高くなった。3つの研究では、中程度から高いナトリウム摂取量グループの方が、低ナトリウム食と比較して死亡率が低かった。」この研究では、水分摂取制限が食事中のナトリウム摂取量と再入院率の違いに部分的に影響している可能性があることも判明した。
2つの観察研究で、心不全患者が1日当たり2,800 mgを超えるナトリウムを摂取した場合、摂取量が少ない患者と比較して心不全による入院が多くなることが判明した。1日当たり3 gを超えるナトリウムを摂取した場合、症状の改善が見られたが、再入院や死亡率の増加につながった。
要約すると、検討した3つの大規模ランダム化比較試験では、ナトリウム摂取量が少ないと結果が悪くなる(死亡率と再入院率の増加)ことが示されたが、偏りがないわけではなかった。「現在、ナトリウム摂取量の特定のレベルを確実に支持するにはデータが不十分であり、さまざまな心不全サブグループ間の違いは不明である…医師はステージCおよびDの心不全患者に対してある程度のナトリウム制限を検討する必要があるが、特定のナトリウム摂取量を裏付けるにはより多くのデータが必要である。」
研究10:2023年に発表されたこのレビュー記事では、食事中の塩分が代謝とエネルギー・バランスに果たす役割について検討した。
エネルギー・バランスに関しては、塩分を多く摂取するとグレリンの生成が促進され、それが食物摂取の増加につながる。また、塩分を多く摂取すると、アディポネクチンとグルカゴン様ペプチド1のレベルが低下し、体重増加につながることが示されている。
「心不全に対するナトリウム制限の有益な効果は、収縮期血圧と拡張期血圧、酸化ストレス、動脈硬化、炎症、アルドステロン量の低下によって達成されると考えられている。」しかし、いくつかの研究では、減塩によってLDLレベル、総コレステロール、トリグリセライドが上昇する可能性があることが示されている。これはまさに、心臓の健康にとって望ましくないことである。
観察研究では、「心不全患者のナトリウム制限(2.5 g/d以下)は、ナトリウム制限食を摂取していない患者と比較して、死亡または入院のリスク増加と関連していることが実証された。」また、ナトリウム摂取量が少ないと、心不全患者の全身性炎症が悪化することも分かっている。
したがって、ナトリウム摂取量が2500 mg未満でも心臓の健康に有害である可能性があるが、多すぎると食欲にも影響し、長期的には体重増加を引き起こす可能性がある。
研究11:DASHダイエットの遵守が血圧に及ぼす影響を調べた系統的レビューとメタ分析。この研究では、DASHダイエットの推奨事項の遵守度が高いほど大きいことが示された。また、心臓の健康全般に良い影響を与える可能性がある(総コレステロールとLDLコレステロールを調査)。DASH(高血圧を予防する食事療法)ダイエットは、果物、野菜、ホールフード、全粒穀物、低脂肪乳製品で構成されており、全体的なナトリウム摂取量の低下に役立つ。この研究では、DASHダイエットを遵守している人は、塩摂取量を減らすことで血圧が改善/低下する可能性があることが示されている。
研究12:2018年に発表されたこの研究では、心血管疾患を患っていない35~70歳の168,000人以上を対象に、朝一番の尿中ナトリウム排泄量、血圧、心血管疾患リスク、死亡率を調査した。これらの人々は、3,6,9の期間にわたって追跡調査を受けた。
● ナトリウムの3分位は次の通りである。低=4.43 g/d未満、中=4.43~5.08 g/d、高=5.08 g/d以上。
● 369ヶ所のコミュニティの平均ナトリウム摂取量は4.77 g/d(範囲:3.22~7.53)であったが、中国ではそれより高く(5.58 g/d)なっている。中国では、ナトリウム摂取量と脳卒中に強い関連性が見られた。
● ナトリウム摂取量が最も高い3分位では、収縮期血圧とナトリウム摂取量の間には正の相関があり有意であった(つまりナトリウム摂取量が多いと収縮期血圧が上昇する)が、中位および下位3分位ではナトリウム摂取量との間に逆の相関があり有意ではなかった。
● ナトリウム摂取量が1 g増加するごとに、全体的な心血管疾患発生率と正の相関関係が見られた。つまり、ナトリウムが1 g増加するごとに、全体的な心血管疾患発生率が上昇したということである。
● ナトリウム摂取量の最低3分位では心血管疾患との関連は逆相関で有意(P=0.0497)、中三分位では関連はなかった(P=0.8391で有意でない)、一方、最高3分位では関連は正であったが有意ではなかった(P=0.0712)。つまり、1日4~6 gのナトリウムを摂取している人は心血管疾患(CVD、脳卒中、心筋梗塞、全死亡率を含む)と関連がなく、4 g未満の摂取者は有意な正相関があり、5~6 gを超える摂取者は正相関があったが有意ではなかった。
● ナトリウム摂取量が1g増加するごとに脳卒中と関連があった(P=<0.0001)。正の関連はナトリウム摂取量が最も高い3分の1のコミュニティでのみ見られ、中間または最も低い3分の1では有意な関連は見られなかった。
この研究は、「ナトリウム消費量の減少(1日4 g未満)は(有意に)心血管疾患リスクの増加と関連している」と結論付けている。つまり、血圧、心血管疾患リスク、死亡率を最適化するには、ナトリウム摂取量の中間値である1日4.43~5.08 gがより最適な範囲であったようである。
TLDR:
併存疾患のある患者の場合:すでに心不全、糖尿病、腎臓および肝臓疾患のある患者の場合、加工食品をほとんど含まない食事(揚げ物、包装済み食品、保存食を含まない)を摂取しない限り、食事中のナトリウムを減らすことはある程度有益であると私は考えている。しかし、2000 mg未満は、どんな病気の人にとっても不健康であると私は思う(疾病管理予防センターの推奨である2300 mg未満でも)。研究によると、ナトリウム制限は高齢者には役に立たない可能性がある。高齢者は十分な食事も水分も摂取していない可能性が高いため、ナトリウムをさらに制限すると、食事制限や電解質異常にもつながり、高齢者にとって有害で致命的になることもある。
一般的に健康な人の場合:ナトリウム制限は不要であるが、6000 mgを超えると、ナトリウム摂取量が増えて空腹感が増すと、心臓の健康、心血管疾患のリスク、さらにはウエストラインに悪影響を与える可能性がある。一般的に健康な人とは、食べ過ぎず、定期的に運動し、人口統計上健康的な体重を維持している人である。これらの人々は80-90/10-20の方法で食事をする。つまり、食事は主に未加工の食品で、水分と繊維が十分に含まれている。栄養価の低い食品を時々食べるが、それが食事の大部分ではない。ナトリウム摂取量を1日当たり最大4~6 gに制限することは有益であると思う。
アスリートの場合:トレーニングの要求、トレーニングやライフスタイル中に失われる電解質の量、すでに食事に含まれているナトリウムの量に基づいて、追加の電解質(ナトリウムを含む)を追加することは有益であると私は考えている。ナトリウム摂取量を1日当たり最大4~6 gに制限することは有益であると私は考えている。