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塩水電池

A Salt Water Battery

By Martin Grolms

https://www.advancedsciencenews.com/    2018.02.22

 

 将来に向けて安全で低コストの電池を見つけるために、最終的には自分自身に問いかける必要がある。単に水を電解質として使用しないのは何故か。水は安価で、何処でも利用でき、不燃性で、イオンを伝導する可能性がある。しかし、水には1つの大きな欠点がある。それは1.23ボルトの電圧までしか化学的に 安定しないということである。言い換えれば、水セルは3.7ボルトの通常のリチウム・イオン・セルの3分の1の電圧しか供給しないため、電気自動車での用途にはあまり適していない。しかし、費用効果の高い水ベースの電池は定置型のデータ蓄積用途にとって非常に興味深い物になる可能性がある。

 Empaのエネルギー変換材料部門の

研究者であるRuben-Simon Kühnel David Reberはこの問題を解決する方法を発見した。塩を含む電解質は液体である必要があるが、同時に、非常に高濃度である必要がある。

彼等の実験のために、2人の研究者は特別な塩ナトリウムFSIを使用した。この塩水は非常に溶けやすく、7 gのナトリウムFSI1 gの水が透明な食塩水を生成する。この液体では、すべての水分子が水和物の殻の正に帯電したナトリウム陽イオンの周りに集まっている。結合していない水分子はほとんど存在しない。

研究者達はこの食塩水が最大2.6ボルトの電気化学的安定性を示すことを発見した。これは他の水性電解質のほぼ2倍である。この発見は安価で安全な電池の鍵となる可能性がある。

このシステムは実験室での一連の充放電サイクルに既に耐えており、研究者達はその結果を発表した。しかし、これまで研究者達はテスト電池の陰極と陽極を別々にテストしてきた。次のステップは2つの半電池を1つの電池に結合する。