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血液中のナトリウム濃度は老人の認識力に影響を及ぼすらしい

Blood Sodium Levels May Affect Cognition in Older Adults

Science Daily

Source: American Society of Nephrology   2018.02.08

 

 新しい研究は、血液中の低いナトリウム濃度…低ナトリウム血症として知られている…は加齢に伴う認識機能の低下と関係していることを明らかにした。その結果はClinical Journal of the American Society of Nephrology(CJASN)の最近号に述べられており、問題となっているナトリウム濃度はそれぞれの年齢における認識力の維持に役立っているらしい可能性を提起した。

 

 血液中のナトリウム濃度が135 mmol/L以下に低下すると、低ナトリウム血症が起こる。軽症の低ナトリウム血症はかつて無症候性と考えられたが、最近の研究は、それは注意力不足、歩行障害、転倒、心血管疾患、若死にさえも起こす高い危険性と関係しているらしいことを示唆している。重症の低ナトリウム血症は認識力欠陥や神経障害と関係しているが、老人の血清ナトリウム濃度の違いと認識力との関係は不確定であった。

 調査するためにクリステン・ノワクと彼女の同僚(コロラド大学アンシュッツ医療キャンパス)は中央値4.6年間続けた無症候性の社会に居住している65歳以上の男性5,435人に関する情報を調べた。全部で100人の男性が低ナトリウム血症の血清濃度を示した。

 血液中のわずかに低いナトリウム濃度は認識障害と時間経過による認識機能の低下の両方に関係していることを研究者達は明らかにした。141- 142 mmol/Lのナトリウム濃度の男性と比較して、126 – 140 mmol/Lのナトリウム濃度の男性は基準ラインで30%以上の認識障害を持っているらしく、37%以上は経過時間で認識力低下を経験しているようであった。研究者達は高い血清ナトリウム濃度(143153 mmol/L)と経過時間による認識力低下との関係も明らかにした。

 “血液中の僅かに低いナトリウム濃度は臨床診断では気付かないようだ。僅かに低い血清ナトリウム濃度と認識機能における軽い変化の両方は加齢に伴って普通に起こることで、この話題に関するさらなる研究は…低いナトリウム濃度を修正することは認識機能に影響を及ぼすかどうかを決定することを含めて重要である、”とノワク博士は言った。