塩に関する科学は分極化されている、と研究は指摘
塩が健康に悪いとの考えは論文のわずかに半分以上で支持されている
Science on Salt Is Polarized, Study Finds
Slightly More Than Half of Papers Support the Idea That Salt Is Bad for Your Health
Science Daily
Source: Columbia University’s Mailman School of Public Health 2016.02.18
塩辛い食事の健康効果に関する科学的報告書やコメントを分析すると、全集団の減塩は良い健康と関係しているとの仮説支持者とそうではないとの支持者との間で分極化している。結局、54%が仮説支持者;33%が支持しない者、13%が結論を持っていない者であった。
国際疫学会誌の新しい論文はMailman School of Public Healthのコロンビア大学疫学メリット・フェローであるルドビッチ・トリンコート; Mailman School of Public Healthの社会医学科学の博士課程学生でData & Society Research Instituteの会員であるデヴィッド・ジョンズ;そしてボストン大学公衆保健学部長でMailman Schoolの疫学准教授であるサンドロ・ガレアにより共著されている。研究者達は1979年から2014年の間に発表された269件の学術報告書を総合的にレビューした。それには一次研究、メタアナリシス、臨床ガイドライン、コンセンサス声明、コメント、手紙、そして物語風レビューを含んでいた。報告書が減塩と心疾患、脳卒中、死亡の低い率との間の関係を支持するか、あるいは異論を唱えるかどうかに従ってそれぞれは分類された。報告書の半分以上は2011年以来発表されたもので、明らかなコンセンサスがなくても、疑問の関心度が増加していることを示唆している。
仮説の支持側の論文に見られる引用分析は、異なった結論を引き出している報告書を引用するよりも同じ様な結論を引き出している報告書をより多く引用しているようだ。文献を支配しているのは強い賛否のエビデンスを提供している数少ない影響力のある論文であった。
“ほとんど明確な学識団体が二つある‐‐減塩集団は臨床結果を改善すると言う主張を一つは支持し、一つは反対する、”とジョーンズは言う。“二つの‘側’の間に明らかな共同研究がほとんどなくて研究者達の視点を共有している他の研究者達を引用する傾向のある2,3の多作の著者らによってそれぞれは引きずられている。”
“我々は我々の作業で財政的な偏見にかなりの注意を払っている。しかし、新しいデータが利用できるようになっても、我々が尋ねた疑問や我々が発表した結果に長い間支持されてきた確信がどれくらい偏見を持たせているかに我々はほとんど注意を払わない。”とガレアは言う。
総合的なレビューの解析は一次研究の選択にほとんど一貫性を示さなかった。一次研究がレビューによって選ばれれば、他のレビューが同じ研究を選ぶ機会は1/3以下であった。結果はエビデンスとして採用すべきことについての不確実性と不一致を指摘している、と著者らは主張している。さらに、どの研究を一次エビデンスとして引用するかの選択が総合的なレビューの結論に直接的に影響を及ぼした。
塩に関する科学的な論争が続いても、地方から地球規模までの公衆保健当局が低塩政策を制定してきた。世界保健機関ガイドラインは塩摂取量を制限することを勧めている。2015年12月に、ニューヨーク市は塩含有量の高い食品を表示するようにチェーン・レストランに要求した最初のアメリカの市となった。
“政策立案者は矛盾した不確実なエビデンスに直面してしばしば行動の方針を選ばなければならない。不確実性の誤用と確実性の誇張の両方は公衆保健政策決定過程の結果を決める。”とトリンコートは言う。
著者らは、研究で使われる引用分析法は科学的な研究論文と著者らとの間の関係を理解する新しい方法を表している、と言う。将来において、同じ方法が他の話題に適用できる。話題にはより大きな同意がある話題と同じ様にe-シガレットのような矛盾した問題がある。