塩電池の製造の改善
Improving the Manufacturing of Sal Batteries
https://www.power-and-beyond.com/ 2023.12.27
Empaは、スイスのイノベーション・エージェンシーInnosuisseが共同出資するLISAプロジェクト(塩電池におけるセラミックと金属のレーザー接合)において、塩電池技術を専門とする研究開発会社Battery Consult AGおよびSwiss Innovation Park Biel/Bienneと協力する。このプロジェクトは、電池製造に革命をもたらし、新しいエネルギー貯蔵解決策のコスト効率と持続可能性に貢献することを目指している。
定評のあるZEBRA技術に基づく塩電池は、高効率で持続可能であることが実証されており、電池寿命が長いため、エネルギー貯蔵のエネルギーおよび資本コストが削減される。塩電池は、寿命が尽きると、定評のあるプロセスを通じてステンレス鋼業界での使用のためにダウンサイクルされ、高い持続可能性を実証する。さらに、これらの電池は不燃性で爆発しないため、製造および操作中の安全性も高くなる。
Battery Consult AGは2008年の設立以来、持続可能でコスト効率の高い製造のためのNaNiCl2セルおよび電池設計の開発と最適化に積極的に取り組んできた。同社はいくつかの国際技術移転プロジェクトを成功裏に完了し、この分野におけるトップクラスのコンピテンス・センターとしての地位を確立している。
次世代塩電池は、ナトリウム伝導性ベータアルミナから作られたセラミック・セパレーターを使用している。金属製ケースは、高い電気伝導性を備えた安全で延性のあるハウジングを提供する。しかし、従来の金属セラミック接合技術は、ろう付けや熱圧縮接合などの集中的な熱処理に依存している。これらのプロセスは、製造時間とエネルギー消費量の増加を招き、製品全体の持続可能性に悪影響を及ぼす。
送電網を安定化するエネルギー貯蔵解決策
「LISAプロジェクトは、金属をセラミックに直接溶接することで、セルの組み立てラインから炉をなくすことができる可能性があるため、我々にとって非常にエキサイティングである。」とBattery ConsultのCTOであるMichael Bayerは述べている。「Innosuisseが、当社の電池の製造プロセスを強化するために、尊敬される研究パートナーとのコラボレーションを可能にしてくれたことに感謝している。我々は、送電網を安定化するためのコスト効率が高く持続可能なエネルギー貯蔵解決策を提供することを目指している。」
Empaの高性能セラミック研究所の責任者であるThomas Grauleは次のように付け加えている。「この研究プロジェクトは、近年Empaで行なわれた数多くのスイスのグリーン・エネルギー・イノベーションに基づいている。セラミック材料の設計とエネルギー分野の製品への統合に関する当社の専門知識は、スイスの産業に付加価値をもたらす。」セラミック同士のレーザー接合用の新しいセラミック材料は、Battery ConsultおよびSIPBBと提携して、EmpaのGurdial Bluganと彼のセラミック複合材チームによって開発される。
SIPBBのスイス先進製造センターの責任者であるAndreas Burnは次のように述べている。「LISAは、画期的な変化の可能性をすぐに実感できるプロジェクトの1つである。このプロジェクトでは、レーザー技術を活用して異種材料を接合するという分野横断的な課題に取り組む。スイスでの製造を維持し、大幅に環境に優しい製造方法への道を切り開くというSIPBBの使命に、レーザー処理に関する私のグループの専門知識でコンソーシアムを完成させることができて嬉しく思う。」SIPBBの科学プロジェクト・マネージャーであるHossein Ghasemiは、次のように付け加えている。「LISAプロジェクトは、さまざまなスキルを結集して業界の課題を解決する素晴しい例である。SIPBBは、レーザーと光学に関する知識とインフラストラクチャーをLIAチームの強力な材料バックグランドと組み合わせてこれらの課題を解決するために、Innosuisseのサポートを受けることができて嬉しく思っている。」