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ヒェッ!塩水を渇望しない理由を脳科学は説明

Blech! Brain Science Explains Why You’re Not Thirsty for Salt Water

By Jon Hamilton

NPRNational Public Radiohttps://www.npr.org/より 2019.03.27

 

 喉が渇いたとき、一口の真水は即座に安心をもたらす。しかし、塩辛い海水を飲んでも渇きはまだ癒やされない感じがする。それは非常に狭い範囲内に身体の塩濃度を維持しようと脳が働いているからである、とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の生理学准教授でハワード・ヒュージス医学研究所の研究者であるザカリー・ナイトは言う。「例えば、10%の変化を経験すると、重い病気になり、20%変化すると死ぬかも知れない。」と彼は言う。

 ナイトと研究者チームは、脳がそれを防ぐ方法を知りたがった。彼等はネイチャー誌で水曜日に発表した論文で彼等の研究結果を報告している。「飲んでいる溶液がどれ程塩辛いかを追跡し、それを使って喉の渇きを微調整するための機構が脳になければならない。しかし、機構は未知である。」とナイトは言う。そこでナイトのチームは渇きの神経として知られている脳細胞を研究し始めた。先ず、チームは喉の渇いたネズミの胃に直接真水の管を入れた。「1,2分以内に胃に注入された水は脳内のこれらの渇き神経を急速に癒す。」と実験を行ったナイト研究室の大学院生であるクリス・ジンマーマンは言う。「それだけではなく、マウスに水を飲ませようとしても、全く飲まない。」と彼は言う。

 次にチームは塩水を使って実験を繰り返した。そしてこの度は、喉の渇きの神経はとどまり、動物は体内の塩分濃度を下げる真水を探し続けた。さらなる研究により、系がどの様に働くかが明らかになった。腸内の細胞は常に塩分を測定し、その情報を脳内の渇きの神経に伝えている。「これについて本当にエキサイティングなことは、腸から脳へのこの新しい神経を発見したことだけでなく、我々の行動をコントロールする上で神経が本当に特別な役割を持っていることを我々が発見したことである。」とジンマーマンは言う。

 ネイチャーで第二の研究は塩摂取量にも影響を及ぼす別の系を調べている。「我々は脳によってナトリウム欲求がどのように制御されているかを知りたいと思った。」とカルテックの生物学准教授で研究の著者でもあるYuki Okaは言う。Okaチームが最初にしたことは、光遺伝学と呼ばれる技術を使用してナトリウム欲求神経をオンにすることであった。マウスへの影響は即時であった。「彼等は岩塩の欠けらを持って食べ始める。」とOkaは言う。チームがナトリウム欲求神経を切ると、マウスは塩を食べることを止めた。しかし、科学者がスイッチを切り替えることをしないとき、この系はどの様に機能するか?前の研究では、答えの一部が血流中の塩分濃度を測定する細胞に関係していることが示された。しかし、動物は食事で少量のナトリウムしか必要としないため、Okaのチームはおそらく全ての答えではない、と考えた。そこで血中濃度が上昇し始めるずっと前に、彼等は塩を食べることを止める必要がある。科学者達は何処かに二番目の「オフスイッチ」が必要だと考えた。これはもっと早く切り替えることができる。彼等はそれを動物の味蕾で発見した。

 「舌の上にナトリウム塩をのせて味わうと、ナトリウム欲求神経を抑えるのに十分である。」とOkaは言う。そのことは、我々が有害な容量を摂取する前に、塩を食べることを止めることを我々が知る方法である。そしてカリフォルニア大学サンフランシスコ校の科学者達が説明しているように、スポーツ・ドリンクは我々の体に見られるよりもはるかに低い濃度のナトリウムを含んでいる。そのため、飲物は脳の「塩を食べるのを止める」反応を引き起こさない。