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心不全における減塩の利益は不明

Benefit of Salt Restriction in Heart Failure Uncertain

By Megan Brooks

Medscape November 07, 2018

 

 心不全患者の減塩に“幅広い主張”があるにもかかわらず、新しい総合的なデータ・レビューは、低塩食が合併症を最少にし、あるいは結果を改善する明らかなエビデンスはみつからない。

 心不全入院患者については、減塩の患者で有意な臨床利益のエビデンスはなかった。慢性的な外来心不全で、症状改善に向けての中程度で矛盾のない傾向は認められなかった。

 この研究はJAMA Internal Medicine115日オンラインで発表された。

“小休止の時”

 一般的に心不全患者は減塩するように言われてきた、とイギリス、オックスフォード大学エビデンス・ベースド医学センターのKamal R. Mahtanitheheart.org/Medscape Cardiologyに語った。

 しかし、減塩が行われた時、ガイドラインは彼等が心不全患者に与える正確なアドバイスを変えたらしい。我々の研究は、現在のガイダンスを支持する、または異議を唱えるために利用できる確実で高品質のエビデンスがないことに焦点を置いている、とMahtaniは言った。

 本研究は“熟慮する価値”があり、“小休止する時”を提供している、とシカゴ、ノースウエスタン大学フェインベルグ医学校のClyde Yancyは付随するエディトリアルで書いている。

 比較試験のコクラン中央記録、メッドライン、EMBASEを含む幾つかの情報源から検索した心不全と塩摂取量に関する潜在的に関連した2,655論文の中で、479人の患者を含む9件のランダム化比較試験だけがレビューに採択する価値があると考えた。

 “減塩が心血管疾患に関連したまたは全ての死因、心血管疾患に関連した疾患、入院、入院期間のような結果に影響を及ぼすかどうかに関する臨床的に関連したデータを我々は見つけられなかった、”と著者らは報告している。

 心不全の外来患者について、減塩による害の大きなエビデンスは、ニューヨーク心臓協会の機能クラスにおけるように幾つかの臨床改善に向けた傾向を除いてなかった。

 “現在最高の行動はこの患者グループについて変えるべきではないことをこれらの結果は示唆している。減塩が最低健康リスクと関係しており、減塩が心血管疾患による罹患率と死亡率についての危険率を減らすかもしれない他のエビデンスとこの示唆は一致している、”とMahtaniと仲間たちは書いている。

飽き飽きするほどの真実

 しかし、彼等は次のように言う、“減塩を嫌がるかもしれない患者にこの介入と人口全体で減塩食を達成するという社会的、経済的可能性についてのエビデンスがないことを臨床医や政策立案者は知るべきである。”

 急性心不全患者についての減塩は外来患者についてのエビデンスよりももっと弱いエビデンス・ベースでしかない、と著者らは述べている。

“最も重要なことに、低塩食を考えるとき、心不全患者は彼等のヘルスケアー専門家とエビデンスについて議論すべきで、エビデンスと患者の個別事情の両方に基いた共有の決定に到達すべきである、”とMahtanitheheart.org/Medscape Cardiologyに語った。

 心不全患者で減塩に関する“より良く設計され、実用的でより広範囲な研究”が明らかに必要とされる、とMahtaniは言った。

“心不全に減塩を勧める現在のエビデンスの根拠は内容に乏しく、深さがなく、

幾つかの事例では完全性を欠いている困難な推定を我々はしなければならない

             - Clyde Yancy

 Yancyは同意する。“一番強く共鳴するここでの中心問題は高品質のエビデンスがないことである。クラス1の勧告、あるいは大多数の専門家によって支持されている同じ勧告、またはランダム化されてないデータや高品質の検証できるエビデンスでよりしっかりと固められていないことから我々は次第に立ち退かなければならない、”と彼は言う。

 “心不全に減塩を勧める現在のエビデンスの根拠は内容に乏しく、深さがなく、

幾つかの事例では完全性を欠いている困難な推定を我々はしなければならない、”と彼は付け加える。彼は続けて言う、“最初の段階は心不全の兆候を示す人々に厳しい減塩に関して自由にされた潜在的に有害な主張から引っ込めることである。我々がより良く出来ることを述べることは控えめに言うことである:不明確な理論に基づいて行動するための我々の困惑を知ることはより真実に近くなる。”

 新しいデータは心不全で100 mmol以下の食事介入研究で得られ、現在進行中である。

 “これは良い段階への方向であるが十分ではない、”とYancyは書いている。“心不全におけるDASH食や他の候補食を研究するさらなる試験が行われるべきである。不明確な利益と未知の害についての大きなコストで積極的な減塩について実りのない勧告を我々は主張する前に、試験を行う、”と彼は結論を述べている。